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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
4人揃って?
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リーダー

前回のあらすじ

一匹と思うじゃん?




「僕は向こうの方をやるから、翔はそっちお願い。」

「了解。気つけろよ。」

街のところまで戻ってくると、遠目で2匹のワームが暴れてる。

その内片方は俺がやる。

現場まで少し距離がある。

勇麟さんが居たはずだが、どうしたんだろう。

心配だが、今はひとまず置いておく。

「なあ、あの、超獣化?俺も出来るのか?」

おもむろに姐さんに聞いてみる。

『出来る。しかし、今のお前には他の奴らのようにうまくは行かないだろう。』

「え?どうして。」

『理由は簡単だ。“足りない”。その一点だ。』

「足りない…」

『せめて合体剣をまともに触れるようでなければな。体力もそうだが、筋力などもろもろ不完全だ。出来ないこともないが、下手をすれば文字通り体がバラバラになるぞ。』

「くっ…」

『努力してないとは言わん。それはあたしが一番わかっている。たが、まだ早い。』

「わかった。なら、アドバイス2倍増しで頼むぞ。」

『了解した。』

そして、ワームと会敵する。

攻略法は変わらない。

口周りを中心に真縦か真横に斬る。

「だけど、キツイな!」

4人でやっと倒した相手を1人でやり合うのは骨が折れる。大剣の方で戦うが、サイズ差を感じざるを得ない。

そして、攻撃を避けるのも一苦労だ。

『バカ!下がれ!』

遂に反応が一瞬遅れた。

大剣で防いだが、俺は体当たりをモロにくらい、店に突っ込む。

机などをを粉砕し、十数メートル吹っ飛ぶ。

「ゲホッ…ゲホッ…」

腹に刺さった木片を抜き、転がってる酒で消毒する。

「あとで弁償かな…ハハ…」

『笑う余裕あるのか!?骨だって…』

「任されてんだ…あいつらに…!」

店から剣を引きずりながら出る。

「なんてったって…リーダーだからな…」


「なぁ、チーム結成するにあたってさ、名前どうする?」

ゲームの大会出場にあたり、チーム名は必須だ。俺たちはリョウの家に集まってご飯を食べながら話し合う。

「そうだな〜厨二臭くなくて、他にないようなのがいいよね。あ、空成ケチャップとって。」

「でも漢字とか平仮名は使いたくないよな。カタカナがいい。おい、ミナトかけすぎだぞ。ちゃんと味ついてるだろ。」

「うーん、四人だからフォー?もちょっと安直だよね。アルファから四つめのデルタを入れるのはどうかな。」

「でもあれ三角形だよね。てか、国とかによっては4って不吉な数字って言われてるし。むしろ4にこだわらなくてもいいんじゃない?どう?ショウはなんかある?」

「ん?なんでもいいよ?」

「最終的にリーダーが決めるんだからさ。なんかないの?」

「なんで俺がリーダーなんだよ。」

「え?だって」

「「「ショウは嘘つかないでしょ?だから一番信頼できるじゃん。」」」


あの時結局チーム名は決まらなかったけど、みんなの言葉はすごく嬉しかった。


ワームがこっちに突進してくる。


その時決めた。絶対にみんなを裏切らないと。


半獣化し、剣を合体させ構える。


だから…


「こんなところで死ねないんだぁぁぁ!」


剣を振り下ろし、ワームの突進と正面から競り合う。

競り合ったまま数十メートル後ろに下がる。

たしかに、俺は他の3人に比べてパワー型だが、まだ転生してから間もない。

来てからもそれなりにクエストだったり、特訓したりしてはいるが、成長速度には限界がある。

リョウは向こうで決して足が速いわけではなかった。

だが、ウベルの力は加減が大事だ。

料理が得意なリョウにとっては味を調整するようなものだ。

シラトは向こうでもプラモデルを作ったりゲームで正確な射撃ができたりと手先が器用だった。

クウは向こうでは学年でトップクラスに頭が良かった。

しかし、俺は別に料理が得意なわけでも、手先が器用でも、頭が特別良かったわけでもない。

ただ、あいつらと仲が良かっただけだ。

力持ちだったわけでもない。

そんな自分に負い目を感じていた。

だが、そんな俺をリーダーとして、仲間として肩を組んでくれるみんなに嘘はつかない。

そのためにも、こいつは俺が殺す。

「姐さん!超獣化!」

『しかし、体が…』

「俺は…死なないから…!」

『!』

「あいつがリーダーとよんでくれてる内は死なないし、死なせない!だから!」

『わかった。そのかわり、きっと死ぬほど痛いぞ!』

体の奥から何かが込み上げてくる。

それはそのまま血となって口から吐き出る。

そのせいで一歩下がる。

(こんなのに耐えてたのか!?あの2人…!)

いや、違う。

この痛みは、苦しみは試練だ。

俺とみんなとの差を埋めるための試練だ。

目の前がチカチカする。

体が軋む。

傷跡から血が吹き出る。

だが、関係ない。

これで追いつけるなら…

これでみんなを裏切らなくて済むなら…

一歩、また一歩と前へ進む。

そして、ワームの顎の下の地面を思いっきりかちあげる。

ワームはそのまま後ろへよろめく。

苦しみは消えていた。

残っていたのは、軽さ。

今まで両手で精一杯だった剣が軽く感じた。

両腕は熊のようになり、爪も伸びた。

足も大きくなり、靴がキツい。

歯が伸びたせいで口の中で刺さって痛い。

『乗り越えたな。さ、解けないうちに終わらせるぞ!』

「了解!」

ワームが口を大きく開け、もう一度突進してくる。

歯で噛み砕く気だろう。

剣を置き、素手で受け止める。

口に足をかけ、口をさらに開かせる。

限界を超え開かれた口は両側に裂け目が出来る。

すでに突進の勢いはない。

手を離すと、ワームは苦しみ悶え始める。

剣を手に取り、瓦礫を踏み台にして跳ぶ。

「一度勝った相手に負けるなんざ許されねえんだよ!!!」

剣に岩石を纏わせ、刃の部分を鋭くし、より大きな剣にし、振り下ろす。

ワームの頭が胴体から離れる。

胴体の方も頭の方も動かなくなる。

それに伴い、剣が急に重くなり、そのまま倒れてしまう。

「はぁ…」

ため息しか出なかった。

『お前を選んで大正解だったよ。あたしは。』

「はは、ありがとう。」

そのまま意識はどこかへ行った。


次回、虫アンド飼い主退治


ツイッター

@kisame_novelist


読者が増えてもツイッターのフォロワーは増えない。

一応ある程度増え次第、資料とか投稿しようと思ってます。

例)武器などのデザイン

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