飼い主
最近1話あげるpv数が前の三倍ちかくになってる。
可能性としては、前からの読者さんが三回読んでるか、単純に読者さんが増えたかの二択だと思ってる。
前回のあらすじ
人間やる気になれば限界突破は意外と余裕
目の前にはワームの死体がコロコロしてる。
ミナトが倒れてショウに担がれてる。
立場逆転だなーとか思ってるとクウさんがみんなを呼んだ。
「ん?どした?俺は当分動けないぞ。」
「それは分かってるよ湊人。どころで涼太郎は大丈夫?」
「俺?まあ、ちょっと目がチカチカするだけ。まだ元気っちゃあ元気。」
「実はね、これみて欲しいんだ。」
そうしてクウさんはワームの死体を指差す。
体は顎から大分下の方までパックリ裂かれてる。
尻尾の先までやれば魚の開き見たいに出来そうだ。
「これ、中身がおかしいんだ。」
「「「中身?」」」
「うん。まず、生物にしては体液が少ないどころかほとんどないんだよ。」
「あ、それ俺も気づいた。切ってても返り血もなければ剣もやたら乾いてる。」
ショウがミナトを担ぎながら言う。
たしかに昆虫でも体液が出ないのは不思議だ。
「それに、ちょっと見てみたんだけど、内臓がほとんど無いんだ。」
「え?胃袋とか肝臓とか?」
「うん。空っぽなんじゃないかな。」
「ちょっと待てよ。じゃあ食われた人たちはどこへ行ったんだよ。」
「考えられる可能性はいくつかあるけど、まず一つは子供への餌。ほらツバメとか親鳥が餌を取ってきて子供にあげるでしょ。」
「あー、テレビで見たことあるわ。そういえばリョウのツバメ返しってどうなったん?」
「え?あれはダメ。肩壊す。手首もね。封印かな。」
「それは置いといて、こいつが食べて消化したのでないのであればどこかに居るはずだよね。というか、涼太郎はこれに見覚えあるんじゃない?」
そう言って死体をほじって投げられたそれは黒魔石。
そこそこのサイズ。
しかもまだいくつかあるらしい。
「またこいつかよ。」
「もしかしたらまださっき攫われた人が生きてるかもしれないし。あたりを探してみよう。」
「あのー俺は?動けないんだけど?」
「じゃあ俺が担ぐよ。ショウとクウさんはまだ全然消耗してないから。」
そう言ってショウからミナトを受け取る
「つまりなんかあったら俺たちでなんとかしろと?」
「お前も試しに超獣化してみろよ。今よりマッスルになるんじゃない?」
「まあ、考えとくよ。」
そうして周りを探索すると、いくつかある穴のうち、ひとつだけ下に行くものがあった。また、その穴はつい最近出てくるように通ったようだ。
「この先かもしれない。行ってみよう。」
先頭にショウを置き、真ん中に俺とミナト。後ろのクウさんはミナトの回復をしながら歩く。
「これ特別報酬貰えるかな。」
「さぁ?てか、あのワーム、一匹だよね?」
「今盛大にフラグ立てたね。湊人。出てきた時どうしよう。」
「湊人以外で倒すとしても俺も消耗してるしな。飼い主を俺がやるからショウとクウさん頼める?」
「超獣化…出来るかな〜?」
「この中で一番成績悪かった湊人が出来たんだから大丈夫だよ。」
「一番悪かったって言ってもテストじゃ上位陣だぞ!」
ちなみに成績は上からクウさん、ショウ、俺、ミナトだ。
と言ってもテストの点数は全員平均85点以上だ。
他の友達から「勉強のできるゲーマーたち」と呼ばれていた。
しばらくすると先程よりは小さいが、そこそこの空間にでた。
そこにはひとりの男が立っていた。
「飼い主発見だな。」
「飼い主とは面白い表現だね。」
その男は見た目はまだ十代くらいだろうか。
若いという印象だ。
「しかし、驚いたよ。まさかあれを倒しちゃうなんて。」
「こう見えて意外と強いんでね。チームワークに勝るものなしってね。」
ショウが話を続ける。
「ミナト、どれくらい動ける?」
「人ひとり相手ならなんとか。でも援護がせいぜいかな。」
小声でミナトと話す。
見えないが、“いる”。
先ほどのやつがまだいる。
それはショウもクウさんもわかってる。
「でも、残念だな。あれ、結構な自信作だったんだけど。」
「そうだね。自信作だろうさ。なにせ、“人を混ぜてあれだけ大きくしたんだから”。」
クウさんが前へ出ながら言う
「あれ?気づいちゃってたんだ。」
そう、あのワーム。体の中で見つけたが、“人間の骨が混じってた”ここから先はいうまでもない。
「邪魔、しないでくれる?」
「するなと言われるとやりたくなるのが人間だよな?クウ?」
「そうだね。僕ら、良い子じゃないからね。」
「そうかい。なら、君らもああなるといいよ。」
すると上からワームが二匹出てきた。
正直二匹は予想外だ。
しかし、その二匹は俺たちを素通りしていった。
方向的に街に向かった。
「ショウ、クウさん、二人は街の方頼む。俺らでなんとかする。」
「大丈夫なの?涼太郎だってまだ…」
「伊達に一番のここの年長者じゃないさ。それに、死に場所はせめて太陽のしたがいいからね。」
「疲労してるやつに任せるものじゃないと思うけど、仕方ないね。」
ショウとクウさんが急いで街へ向かう。
「さて、んじゃこっちもぼちぼち始めようか?」
「カバー頼むよ?」
「弓使いなんだからカバーはお前の仕事だろ?」
「I am tired.」訳:私は疲れています。
「急に英語使うなよ。」
次回、虫退治
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