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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
4人揃って?
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お仕事完了

前回のあらすじ

長ゼリフはくちが乾く




「それで、王子様?どうするの?」

「えっと…」

少し怯えた様子だ。

まあ、あんなの見せちゃったしね。

「安心しろ、あんたは殺さない。あんたが喧嘩ふっかけない限りはな。剣を振るってことは逆に振られる覚悟があるってことだからな。」

しかし、まだ戸惑っている。

身の回りが急にこんなになったんだから仕方ないと思う。

「はぁ、おやっさん、立てる?」

「あぁ…」

「んじゃ、あとよろしく。元からこういうことはあんたの仕事だからな。俺はそこらで氷食ってのんびりしてるよ。」

クウさんの回復ですっかり元気になってるはずのおやっさんに任せることにした。

面倒くさいからね。

すると、マルコの奥さんが走ってきた。

俺の後ろなので食べるために作った氷の鏡面で確認すると、手にはナイフがあった。

あー、あいつだけかと思ったら、夫婦揃ってバカだったか。

振り返り居合いで弾き、叩っ斬る。

「女だからって容赦すると思った?言ったよな?その覚悟、してたんだろ?なら文句ないな。」

「がはっ…」

口から血を吐き、崩れ落ちた。

「あーあ、いい話の後にこうなるとはね。」

「涼太郎にしては珍しいのにね。あんなこと言うなんて。この先ないんじゃない?」

クウさんがあぐらをかいて少しニヤついた顔で言ってくる。

「はは、ちょいと調子に乗りすぎたかねぇ?」

そう言ってクウさんの方へ行く。

途中、エヴの頭を軽く撫でる。

「ま、マジで辛い時は頼るからさ。頼むよ?」

「あ、あぁ…」


涼太郎は変わってないな。

率直にそう思った。

世界に対する価値観も、人への接し方も。

僕は涼太郎の戦いを黙って見ていた。

正直僕もやり過ぎって口を挟みたくなったけど、やめた。

理由は涼太郎が悲しそうな顔をしていたからだ。

僕や翔たちには分かるほんのわずかな表情の変化。

退屈に似た顔だけど、あの顔は間違いなく悲しい時の顔。

できることなら殺したくない。

でも、殺さなきゃならない。

仕事だからではなく、その人のために、それ以上罪を重ねさせないために。

まあ、大分私情も入ってるけど、

殺した場合と殺さない場合を天秤にかけ、どちらが良いか考えた結果なのだろう。

毒の件で結構頭にきてるようだったけど。

僕の予測では割と皆殺しにすると思ってたけど、エヴリーヌさんたちの影響か、少し丸くなったと思う。

なにせ、僕らにとってはこの世界は“ゲーム”なのだから。

歩いてくる涼太郎の背後で倒れた女性に子供が駆け寄る。

彼は王子と一緒に寄付だったりをしていたらしい。

だが、子供だ。

親を殺されて怒らない子はいない。

彼はナイフを手に取り、涼太郎へ突進した。

「よくも母上をぉぉぉ!!!」

目に涙を浮かべ、怒りに任せて突っ込む。

王子やエヴリーヌさんたちも止めようとしたけど止まらない。

そして、

彼のナイフは涼太郎の背中に突き刺さった。

エヴリーヌさんもみんな驚いた。

ただ一人、その場で僕だけが納得していた。

彼はナイフから手を離し、床に崩れ落ちた。

涼太郎はその子供をにらんだ。

ものすごい剣幕だ。

きっと本気でブチ切れてるレベル。

「あ…あ…」

子供もあまりの恐怖で気絶した。

エヴリーヌさんたちもビクッとした。

僕も危険な感じがした。

しかし、涼太郎はその後、ため息をついてこっちにきた。

「クウさん〜頼む〜」

「はいはい。」

涼太郎の背中からナイフを抜く。

「痛っ!ちょ、もうちょい優しくしてよ!」

「それくらい我慢しないと。王様たちは毒飲まされたんだから、その分だと思ってさ!」

そう言って傷口を叩く。

「ちょ!痛いって!いや、マジで!」

傷の治療をしていると、翔が帰ってきた。

「終わったー?」

「終わったよ。翔、その二人は?」

「あー地下牢にとっ捕まってた二人。治療してやって。それだけだから。」

「あーじゃあ涼太郎は後回しだね。」

「なぜ!?」

「もう少し苦しんでなさい。正直、本当に毒を見過ごすとは思わなかったんだから。」

「ねーエヴ?クウさんが虐めるー。」

「へ?あ、あぁ…」

エヴリーヌさんも色々と困ってる。

「へー、リョウもエヴに泣きつくようになったんだ。」

「いや?今だけ。てか、マジで痛いから治療頼むマジで。」

そして翔に続き湊人も帰ってきた。

「ただいまー女王連れてきたよー。あ、宝物庫は漁れなかった…って、翔ちゃんのそれは宝物庫から?」

「いや、地下牢産のダークエルフと天使族。あ、ダークエルフは差別用語じゃないってさ。」

「へー。それで治療中ね。あれ?涼ちゃんも怪我したの?」

「あそこの子供に刺されたんだよ。湊人の方は怪我人いない?」

「うん。てか、あんな子供に刺されるとか、まだまだなんじゃないの?」

「いやー氷食べてたら気付けんかったわー(棒)ハハ。」

こうして僕らの攻城戦は終わった。

その後、両国は平和条約を締結。

汚職をしていた大臣達も罰せられ、様々な改革がなされた。

しかし、予想外だったのはダークエルフのヘルカさんと天使族のイーネスさんが付いてきたことだった。

なんでも両方とも旅をしているそうだが、翔の側なら安心して色んなところに行けそうだからとのこと。

ただ、両者の仲は良くはなく、板挟みの翔はため息をついていた。

帰ってからキーラさんが、「ご子息が増える」と喜んでいたが、まだそんな仲ではないらしい。

“まだ”ね。

次回、その後と建設。


@kisame_novelist

ツイッターのIDです。

友人に

「ID載せたらDMでいっぱい文句くるんじゃね?」

といわれ載せてみました。

読者の方々はそんな鬼畜な人じゃないと信じてます。

あ、催促はオーケーです。

頑張ります。はい。


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