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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
4人揃って?
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形成逆転

前回のあらすじ

ロボルは本気で走るとジェットコースターより怖い。




アルノルトさんとルイーズさんが血を吐き、倒れると、エヴリーヌさんが駆け寄る。

「父上!母上!どういうことだ!」

するとマルコが立ち上がり、にこやかに話し始めた。

「では、会合を始めましょう。これが解毒薬です。この意味、お分かりですね?これが欲しければ、こちら側の要求を飲んでもらいましょう。解毒薬と一緒にねぇ。」

周りもすっかり衛兵に囲まれている。

普通なら完全敗北ルートだ。

そう。

“普通”なら。

僕らもアルノルトさんの近くにくる。

そして涼太郎が話しはじめる。

「悪いけど、要求は飲めないんだわ。すまないね。」

するとエヴリーヌさんもマルコも驚いた。

「ほほう?では解毒薬は要らないと?」

「ミナト。」

「あいあい。」

するとミナトが弓で解毒薬の瓶を射抜く。

すぐさまエヴリーヌさんが涼太郎に突っかかる。

「リョウタロウ!一体なぜこんなことを!」

それを慣れた感じで「まあまあ」となだめる。

「エヴ、お前はもうすこし他の人の話を盗み聞くことを覚えた方がいい。俺やショウがミナトやクウさんと話してる内容とかね。」

すると涼太郎からまた合図がくる。

僕は妖術と魔法の併用で二人の毒を治しはじめる。

入った時の合図は涼太郎の鼻で毒が盛られてるかどうかの合図。

そして密かに涼太郎はエヴリーヌさんに乾杯してから少しの間何も食べず、何も飲まないように指示を出していた。

「あいにく俺は鼻が良く効くんでね。毒なんて部屋に入った瞬間分かるんだわ。それに、分かんなかったとしてもクウさんがこのように治せる。そしてあえて先に二人を止めなかったかというと誰の仕業か知りたかったからだ。必ずしもあんたの仕業とは限らないからな。俺としてはあんたじゃない方が楽だったんだけどな。あ、二人ともすいませんね。わざと毒飲ませるような真似して。」

するとアルノルトさんがすこし苦しそうに苦笑いをした。

「まあ、君はそういう人間だからね。」

「安心してください。仕事はしっかりしますんで。」

ショウがそれに答える。

マルコは舌打ちをした後、すぐにまたにやけズラに戻った。

「しかし、この戦力差ですよ?」

と、周りを指す。

周りにはざっと三十人ほどの衛兵。

それに対してこっちは四人。

私兵は城の部屋だ。

「そうでもないんだなぁ〜ね?涼ちゃん。呼んじゃいなよ。うちの子達。」

「え?俺笛担当だっけ?吹けんよ?そんな大きな音の口笛も指笛も。」

「え?俺はてっきりシラトだと…」

「「「「…」」」」

(やばい。誰も吹けない…)

やっぱり僕らはこういう場面でグダる。

「ま、まあいなくても?なんとかなるよね?ね?ミナト。」

「疲れるけどね!」

「それ言っちゃダメでしょシラトさんよ。」

ただ、グダっても僕らには長年の付き合いで鍛えられたチームワークがある。

まず翔が能力で入ってきた扉以外の扉を塞ぐ。

扉の周りを瓦礫が包み、通れなくなった。そして僕は妖術の火でエヴリーヌさん達を囲う。

僕以外は円の外だ。

「エヴリーヌさん。ここから出ちゃダメですよ。治療ももうすぐ終わるので大丈夫ですからね。」

「は、はい…」

僕はこの円を死守。

あとはみんなの仕事だ。




さて、現在の状況を確認しよう。

エヴ達とクウさんは火の円の中。

この空間での絶対安心領域だ。

そして俺たち三人でこれから掃除。

相手は30人。

大した量じゃない。

「そうだ。ショウ、ミナト、お前ら外掃除してこい。」

「「え?」」

「宝物庫とか今のうちに漁るんだよ。ほら、この混乱に乗じてね?」

「「あーなるほど?」」

「ここは俺とクウさんがなんとかするからさ。あと、よろしく。」

「「はーい。」」

そしてショウ達は広間を出た。

もちろん道を塞ぐ敵は蹴散らして。

それでも今回は出来るだけ非殺傷をモットーにだ。

殺しすぎると後が面倒だ。

「さてと、マルコ、だっけ?聞いたよ?随分好き勝手してるそうじゃない。前の王様もこうやって殺したんでしょう?」

ちなみにこの場には相手の大臣もいる。

そのうち数人が驚いた様子をした。

逆にそれ以外は図星だったようで表情が曇った。

これで大臣もある程度仕分けが済んだ。

「それが、どうしたんです?」

「あんたは自分のために国をいじくり回している。おかげで国民は貧富の差で苦しんでるわけだ。移民だって絶えない。それについては?」

「はて、そのようなことがありますでしょうかね?」

この時点で俺の中でこのジジイはそこらの虫を下回った。

まあ、元から殺す予定だから問題はない。

昨日の夜、街に出回った時に情報を集めておいた。

貧富の差が激しいこと。

前の王様は良かったが、こいつに殺されたという噂。

前の王様の奥さんは幽閉状態のこと。

とにかく支持率最低のクソ野郎ってこと。

「よくそれで国王やろうと思ったね?ブサイクだし?太ってるし?心もドブのように汚れてる。あ、ドブにしつれいだな。ハハ。」

すると逆上したのか、衛兵に指示を出した。

「お前たち!殺してしまえ!」

数は23人。

まあ、朝飯前だわな。

実際朝ごはん食べてないけど。

まとめるとこうだ。

あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!

俺は襲われてると思っていたらいつのまにか襲っていた。

何を言っているのか、人によっては分かるだろうが、俺も何をされたのかわからねえ。

雑魚とかそんな偉大なもんじゃあ断じてねえ。

もっと時間の無駄とかそんなものの片鱗を味わったぜ。

ま、それでも結構ゆっくりやったんだけどね。ハハ。

次回、宝物庫?いや、地下牢さ。

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