お隣さんはどちらさん?
前回のあらすじ
お酒はまだ早かったようだ。
翌日、クウさんをロボルに乗せアリスターまでひとっ走り。
朝に出てなんだかんだで昼に帰ってきた。
大体三回ほど空間転移の魔法で行き来出来るそう。
しかし、その三回の度に小休憩が必要なのだとか。
まあ、無理もない。
クウさん曰く、そこらのジェットコースターより怖かったらしい。
まあ、ロボルも育ったしな…
出会った頃はリュックに入りそうな子犬だったのに。
今ではベアードの指導係も務めるお姉さんだ。
まあ、まだ幼さは残るが。
それはそれとして、俺、ショウ、ミナト、クウさん、エヴ、ロボル、ベアード、ヤタ、ルナでアリスターに戻った。
残りは神社でお留守番だ。
とりあえず、アリスターの家に戻った。
クミナが出てきてご挨拶。
クミナは神社へはついてこなかった。
というのも、種族上、家からあまり離れたくないらしい。
一泊したのち、エヴは王城へ。
その間、アリスターを案内した。
ギルドや商店街などなど。
驚きなのは通貨レートがほぼ一緒だったこと。
種類は違うが、数え方が一緒だった。
やはりシステム的な都合なのだろう。
と、それは置いといて、その日の午後に出発した。
護衛として、私兵を数人と俺たち。
なんでもヤタ達は本格的な戦闘をしたことがないらしい。
休憩の合間に模擬戦をロボルとやらせてみるが、センスがいい。
さすが親がウベルと同レベルなだけある。
問題なく人一人殺せそうだ。
ただ、ミナト曰く、ヤタは少し頭が弱いらしい。
楽感的なところが多いようだ。
一方クウさん曰く、ルナはおしとやかすぎるらしい。
エレガントということにしておこう。
そして野営中はお互いの相方について話した。
俺のウベル、ショウの姐さん、ミナトのカラちゃん、クウさんの玉さん。
それぞれクセが強い。
改めて自分たちは似た者同士だと気付いた。
その後二日かけて隣国のローデ王国についた。
なんでも最近王様が変わったらしい。
この後は一泊した後会食があって条約締結らしい。
なんでも今回は貿易関係での条約らしい。
このローデ王国はアリスターから南西に位置していて、距離的にもリザードマンの集落より少し遠いくらい。
環境もアリスターと大して変わらない。
城について、お出迎え。
部屋に通され、そこで休憩。
ちなみに今回はエヴと王様と女王様の三人が護衛対象だ。
アルノルトのおやっさんとはもう顔見知りだ。
ルイーズさんは…すこし苦手だ。
ミナトから見た茶子さんと言ったところだ。
一応エヴの部屋にはロボル、おやっさんのとこにはベアードとヤタ、ルイーズさんのとこはルナを置いてある。
俺たち四人は同じ部屋だ。
そしてこれから明日までだいぶ暇が出来た。
もう夜だが、都合がいい。
三人を残し、俺はちょいと“夜遊び”だ。
それから、しばらくして、俺は部屋に戻ってきた。
「どうだった?」
クウさんが聞いてくる。
「予想通りというか、何というか、城に来る途中に見た光景から想像できる感じ?」
「なら、明日は結構仕事多い感じ?」
ショウが寝そべりながら言う。
「うへー、めんどっちーよー。」
「そう言うなって、ミナト、帰ったらいっぱいご飯作ってやるから。」
「わーい(棒)」
「やる気なさ過ぎない?湊人。」
「ま、」
「「「「いつもなんだけどねー」」」」
そう、俺たちは自分のやりたいことへのやる気は大いに湧く。
しかし、仕事とかそういうのはあんまりやる気が出ないタイプなのだ。
翌日。
僕らは起きた後、身支度を整えて、エヴリーヌさん達と合流。
どうやら会食の場にルナ達は入れないらしい。
と言っても口笛で何が何でも来るように言っておいた。
万が一、いや、この後のためにだ。
大広間には長いテーブルと豪華な食事。
入ってすぐに涼太郎から“合図”がくる。
僕はアルノルトさんの近くに着く。
そして、奥の方からやや太めの豪華な男が挨拶をした。
「これはこれはアルノルト王、ご無沙汰しております。」
「ええ、マルコ王。では、早速。」
マルコ ローデヴェイク。
この国の王様らしい。
奥の方に奥さんと小さな息子もいる。
その他に一人、前の王様の子供の青年。
そして全員がテーブルにつくと、マルコ王が乾杯の合図をする。
「では、両国の平和を願って、乾杯。」
その後、アルノルトさんとルイーズさんは高いであろうワインを飲む。
しかし、“それ以外の人は何も口にしなかった”
すると、次の瞬間、アルノルトさんとルイーズが口から血を吐き出した。
次回、よろしい、ならば、殺戮だ!