旅行
前回のあらすじ
勇者がキチガイの可能性あり。
朝起きると速攻で荷造りを済ませる。
1階で朝飯をちゃっちゃと食べ、歯磨きもサッと済ませる。
「お二人とも、何か用事があるんですか?」
コリンナが俺に聞いてきた。
「あぁ、ちょっと遠出するのさ。しばらく帰ってこないかもしれんけど、ロボルとベアードいるから、頼むね。んじゃ、行ってきま…ちょ、どうしたお前ら。」
出ようとしたところでいつだかもあったかのような状態に。
エヴ達が俺にしがみつき身動きが取れなくなった。
ショウはキーラさんに組み伏せられてる。
「ちょ、キーラ、どうしたんだよ。離してくれ。いや、まじめに。割と痛いって、痛い痛い痛い!」
「離せ!俺たちには行かねばならん。会わねばならん奴らがいるんだよ!」
「それは、どなたですか?浮気ですか?浮気ですね?私たちというものがありながら!」
「いや、6人もいて今更浮気なんてあるか!友人だよ!昔からの!話したろ!離れ離れになったって!」
するとキーラさんがショウを組み伏せながら論破する。
「それはありません。昨夜と今朝はこの家に手紙の類は届いておりません。その状態でどうやって連絡を?そもそもそれが出来たなら、何故もっと早くお会いにならなかったのですか?」
「それは…勘?かな!」
「リョウ、それは自爆では?」
その後10分ほど騒ぎに騒ぎ、諦めた。
ダメだ。説得出来ねぇ。
「どうしてもダメ?」
「ダメです。その間に逃げるかもしれません。せめて私たち全員連れて行って下さい。」
「多い!多い!いくら俺たちでもお前ら全員守りながらの移動はきついって。荷物の量もバカにならないじゃん!」
するとエヴが腕を組み、ニヤニヤ笑っている。
「フッフッフ。私の出番だな!実はこんなこともあろうかと旅行用の特大の車を用意しておいたのさ!」
その後、王城にいき、その車を見せてもらった。
四つの馬車の荷車の特大版が連結しているものだった。
「よくこんなもの用意できたな?経費は?」
「王女の特権ってやつだな!」
「職権…いや、身分濫用だな。しっかし、こんなでかいの引くなんて、馬一匹に出来ることか?」
「いや、引くのは巨大化魔法を使ったロボルだ。すでに頼んであるからな。」
ロボルを見るとすこし驚いた様子だった。
「クゥーン(申し訳ありません。すでに伝わっているものとばかり…)」
その後、みんなも荷造りをして、そのもはやキャラバンとも言えるものに荷物を積み、結局、家の奴ら全員での大旅行になった。
その中で、ベアードがロボルの代わりに自分が引くと言い出し、任せてみることに。
流石ロボル。ベアードにしっかり巨大化魔法を教えきっていた。
正直町から出るとき滅茶滅茶目立った。
ベアードに大丈夫か聞いたところ、これくらいなら全然平気とのこと。
少しずつだが、変わり始めたのかもしれない。
一応ショウはベアードの上にのり、俺とロボルがキャラバンの後ろを歩く。
他の奴らは中で宜しくしている。
正直ショウが金◯郎に見えて仕方ない。
まさかり担いでないけど。
そうして俺たちは和の街へ出発した。
僕はその日、いつもより早くに目が覚めた。
涼太郎達が来ると思うとワクワクする。
しかし、あることに気づいた。
「ねえ、湊人、涼太郎って六人の奥さんがいるんだったよね?」
「そうだな。いや〜流石結構先に来てるだけあるわー笑笑。」
「客間、間に合う?」
「…あっ。」
そう、正直神社の客間が足りない。
仕方なく、稲美さんに頼む。
「あの、稲美さん。頼みがあるんですけど、増築してくれませんか?」
「?何か、あるのですか?」
「古い友人が来るんです。僕と湊人がここに来る前の。その友人の連れが多くて大体…(涼太郎側で最低七人、翔側で最低二人、少し多く見積もって五を足して…)十六人くらいなんですけど…」
「あらあら、客間が全然足りないですね。わかりました。貴方の頼みなら、それくらいは構いません。茶子さん?資材、頼めるかしら?」
「かまへんよ?ちゃんとお駄賃を貰えれば。」
「湊人。お願い!」
「何故俺に頼む。そして茶子さん?なんで擦り寄ってくるんです?」
実はこの間ついに湊人が折れて由美華さん達と正式に結婚を前提にお付き合いを始めた。
僕の方もそうだが、まだ若いのもあり、式はまだ挙げてない。
もう少ししっかり、養えるくらいになってからするように決めたのだ。
「はぁー、わかったよ。茶子さん。頼むわ駄賃は俺が頑張る。」
「あら、意外にすんなり受け入れるんやね?」
「あいつら二人のためなら、一晩くらい…」
「一晩で、住むかねー?」
「…お手柔らかに…」
こうして、それぞれで問題が起き、そして解決に向かったのだった。
次回、再開は、騒がしく。