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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
ジャパニーズソウルは異世界受けする。
13/194

怪物

前回のあらすじ

ヤンキー4人ボコったった。




さて、この地面に転がっている奴らをどうするか…

まあその内衛兵かなんかが回収してくれることを信じて宿に篭ろうそうしよう。目撃者も少なかったし、犯人の俺に行き着くことはないと願いたい。

「お前、本当に昨日のマントの?」

そうか。まだこいつの処理が残ってたか。てか宿の人どした。放置ってわけじゃないだろうけどさ。

と、とりあえず誤魔化さないと。

「だから、違うっての。あいつのいう指輪も知らないし、お前のことも知らない。」

「じゃあなぜ?」

「むしゃくしゃしてやった。後悔はしていない。」

真顔でそう言った後、宿に入ろうとした。

「お、おいあいつ…」

「あ?」

そう言われて振り返るとアダンが起き上がってきた。

「おいおい、嘘だろ?うなじ蹴り落としたんだぞ?最低もう一時間は寝てるはずだが!?」

おっと、つい声に出ちまった。

動きはかなり鈍いが確実に起き上がり始めてる。よほど打ち所が良かったのか?地面に軽くめり込ませたんだけどなあ。まだまだ俺も未熟者ということか…

「許さねぇ…許さねえぞ。」

どんだけしぶといのよこいつ。

「殺してやる…てめえら全員殺してやる!」

全員って言っても宿の人含め3人しかいないんだけどね。

仕方ないもう一回潰して…

そう思って歩き出そうとするとアダンはポッケから何か取り出した。

黒い…宝石?高く売れそうだな。潰すついでに…

「黒魔石!?」

そう言ったのは隣にいる彼女。黒魔石?何それ、美味しいの?

じゃなくて、彼女の反応するをみる限り穏やかなものじゃないな?

そんなことを考えているとアダンはその黒魔石を自分の胸に刺した。

えっ? 自殺? とか考えてると、アダンの体が震え始めた。

「まずい。」

えっ?何?何が起きるの?爆発?爆発オチ?いやオチがあるだけまだマシ?

すると次の瞬間。アダンの体が大きくなり始め、筋肉は膨張し、顔つきが化け物みたいになった。


は?あれアカンやつやん。出てくる世界間違ってるやん。あれバ◯オハ◯ードに出てくるやつでしょ?結構デカめのクマくらいのサイズあるよ?

で、でもクマはクマでも、ぬいぐるみという可能性も…そんな願い込めて鑑定。


طدھçdسشğüə. خيöي سھفزم


ナニコレ?俺文字化けとか初めてみるけど尋常じゃない。

「アアアアアアア!」

その咆哮と同時に俺の本能も叫ぶ


あれはまずい。


恐らくいま戦っちゃいけない相手だ。


「おい女。中の人連れて逃げろ。」

「はへ?」

彼女も目の前のことが信じられず固まってる。

「中の人連れて逃げろっつてんだ!早くしろ!それともここで死にたいか!」

そこで意識が戻ったのか、慌てて宿に行く。

いくら盗賊を目指す俺でもこの時ばかりは前世の俺に戻って、人名救助をした。

(あの2人が逃げるまでなんとか時間稼がなきゃな…でもどうやって?)

メインのナイフは部屋の中。今の装備は懐の短剣1本。となると、注意を引いて逃げ回るのが最適解!

そう決意した俺は怪物の横を走り抜ける。

幸いにも図体に準じて、動きは鈍い。走り抜けついでに膝の裏を斬りつける。これで左足の動きがより鈍くなるはず!


しかし世の中そう上手くいかない。

(嘘だろ?)

斬ったところが再生していくのが見える。

注意を引くのは成功したが、状況は最悪。どうする?他のところに釣る?いやそれでは根本的な解決には…

そんなことを考えてるとアダンの攻撃がくる。鈍く、遅い一撃なので簡単に避けれる。

だが外れた拳が地面を少し割るのを見て冷や汗が出る。

ティッシュ装甲の俺が受けたら多分ペシャンコで済むかどうか怪しい。とにかく今は避け続けることを意識するしかない。


1分くらいたっただろうか。そろそろあの2人も逃げただろう。そこで俺は物陰に隠れてアダンの視界から外れる。そして奴が俺を探してるあいだに荷物の回収に向かう。宿からそれなりに離れてるので奴が来るまで約30秒。それだけあれは足りる。少ない荷物をまとめ、窓から飛び降りるとまだ奴は俺を探して周りの建物を手当たり次第に壊してる。

よし。この隙に逃げれば。

ドーーンッ


え?

驚いて奴の方を見ると煙が上がっている。そして少し離れたところには杖を構えるさっきの女の子。


バッキャローーー!

せっかく逃げれそうだったのになんでちょっかいかけるかなー?お陰で気づかれたじゃん!

「おい。お前。」

「は、はい?」

「奴を倒す。手伝ってくれ。」

「お前馬鹿か?いや馬鹿だな!あんなの敵うわけないだろ!とっとと逃げるぞ。2人とも死ぬぞ!?」

「それでも!私は!これ以上奴が暴れるのが我慢できない!」

ダメだ。こいつ完全にイカれてやがる。いくら魔法があるとしても無理がある。

反論しようとして彼女を見ると、その目はまだ諦めていない。まるで敵を前にしたヒーローみたいな目で、まるで大切なものをなんとしても守らんとする目で、


はっ。勝手にしろ。

そう思って逃げようとするが、どうも引っかかる。なんかが逃げる俺を引き止める。頭じゃわかってる。あのままやつを放置して多くの被害者出すより、ここで少しでも戦う方がいいって。でも俺は盗賊だぞ?暗殺者だぞ?無頼漢でもあるのに、なぜそんなのを気にする必要がある?



ああ、そうか。これ、あの時と一緒だ。中学の時のいじめっ子にいじめられてるやつを見てる時もこんな気持ちになった。その時は次の標的にされるのが怖くて見て見ぬフリをしていた。そしたらそのいじめられてたやつはその後自殺を図ったらしい。結局一命は取り留めたけど、あの時、俺や他のやつが止めてればあいつはあんなに苦しまずに済んだ。


俺は今同じ状況に立たされてる。


あの時と同じく、見て見ぬフリをするか、

それともいじめっ子に立ち向かうか、








考えてるうちに身体が勝手に動いてた。


「付き合わせるからには、それなりに対価払ってもらうからな!女!」


どうやら俺はまだ盗賊とかにはなりきれてないらしい。

風邪引いちゃったぜ。

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