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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
目指すは再開、出会いは豪快
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遠足

前回のあらすじ

説明書、大事。




翌日、俺、空成、ヤタ、ルナの二人と二匹で調査という名の遠足に出た。

目的地はとりあえず問題の川。

約三時間くらいで着くらしい。

「こうして街の外を歩くのも久しぶりだね。」

「前街から出たのはカラちゃんにさらわれた時だからねー。」

ヤタは俺の肩に、ルナは空成に抱えられており、少し邪魔だが、まあいいだろうということでそのまま歩く。

一応寝袋も用意してきてはいるので野宿も覚悟の上だ。

街を出たのが朝の八時頃。

昼前には川に着くはずだ。

それまではテキトーに歩こう。


僕たちは例の川についた。

一応確認したけど、子供は流れ着いていないみたいだ。

「それで、どうしよう。」

「まあ、登っていけばいいんじゃない?流れ着くってことは桃太郎の桃みたい川上からどんぶらこどんぶらこと流れてくるわけだろ?」

「そうだね。」

僕たちは川で魚を取り、お昼を食べた後、川を上り始めた。

それから三時間くらい経ったあたりだろうか。

村が見えてきたので立ち寄ることにした。

村は至って平凡な村で、農業が盛んのようで、畑や田んぼが多く見える。

とりあえず、宿を取り、部屋で休むことにした。

村で聞いたところ、これ以上川上には村や町はないそうだ。

「てことはここ?」

「だろうね。だが、判断材料が足りないな。」

「でも、今日はこのくらいにしたら?ルナ達も疲れてるみたいだし。」

「ん。了解。」

その日はそのまま休んだ。


次の日、俺たちは引き続き聞き込みを行った。

すると、案外最初の一人目で手がかりがあった。

この村では一年に一度、川上に住む龍に子供の生贄を捧げるらしい。

それがわかればその龍とやらに会いに行くしかあるまい。

と、言うわけで川をさらに登る。

しばらくすると小屋が見えてきた。

「湊人、この小屋…」

「封じられてるみたいだな。神社とおんなじような感じがするけど…解ける?」

「わからない。稲美さんなら…」

「転移魔法は?」

「時間かかるよ?二時間くらい。」

「ここまできたらやるしかないしょ。」

空成を一旦帰らせ、待つ。

しばらくして、稲美さんと空成が帰ってきた。

「これですか?」

「はい。解けます?」

「やってみます。」

少しすると、稲美さんが結界?を解いてくれた。

「よし、突入だな。」

小屋に入ると、中は随分寂れていた。

いたるところが痛んでいる。

「誰じゃ?」

奥から声がした。

女性の声だが、明らかに敵意がある。

「あなたが、龍…ですか?」

「いかにも、そうじゃが?」

暗くて見えないが、長い尻尾は確認できた。

「あなたが、村から子供達を生贄として食っているんですか!」

「わしか?わしは「違うよな?」…ほう?」

「湊人、でも、村の人たちは生贄として子供を…」

「人を食ってる割には随分と消臭が行き届いているじゃないか。血の跡も見られないしな。」

「そ、そういえば…」

龍もそれに少し機嫌をよくしたようで、声から敵意が薄れた。

「お主、いい眼をしているな。気に入った。」

「そりゃどうも。でも、子供がここにきてるのは確かだろう?」

「たしかに、毎年子供がここを訪れる。」

「じゃあ、その子達は一体…」

こちらが敵ではないと判断したのか、龍が姿を現した。

女性の体に長い尻尾とツノ。体の至る所に鱗がある。

和服だが、女性にしては体ががっしりしていると言うか、スポーツ系の感じがする。

「こう見えても昔は水神と崇められたものでな。記憶を消して川に流してやっている。無論怪我のないようにどんぶらこどんぶらことな。」

((龍もその擬音使うんだ…))

「なるほど、これで犯人はわかったわけだ。ところで、なんで封印されてた?見たところ人を見境なく喰らうようには見えないが?」

「それには訳があってな…」

俺たちは龍から話を聞いた。

この龍はもともとこの一体に住み着いており、あの村が出来る前からいた。

村の人たちからは親しまれ、この小屋もその時に建てられた。

だが、いつしか村が発展するにつれ龍も村には不要になってきた。

そしてある時、村で大々的に食中毒が起きた。

村の人は外部から魔法使いを呼んだところ、原因は村の農作物やその畑や田んぼの水が悪いと結論づけられた。

無論龍は反論した。水は自分が綺麗にしているから大丈夫だと。

しかし、龍をあまり知らない若者達により、龍は小屋に封じられてしまった。

それでも水は綺麗にならない。

龍が封じられているので当たり前なのだが、仕方なく、村の人たちは生贄を捧げることにより再び綺麗な水を手に入れた。

「だが、今の水は大丈夫なんだろう?小屋の中からどうやって?」

「封印を破る力も使って綺麗にしてやったのだ。お陰で一年力を蓄えては綺麗にし、蓄えては綺麗にしの繰り返しだ。」

「一部外部への干渉は可能と…」

「でも、そんなに水が変わらないなら、ほかに原因があるんじゃないかしら?」

「龍さん。心当たりはありますか?」

「わしにも分からん。ある日突然だったからな。それと、わしにはちゃんとおたつと言う名前がある。」

((まんまだなぁ))

「だが、わしをここから出してれたこと、感謝するぞ。烏、狐。」

((人として見られてない!?))

「えっと、お辰さん、水を綺麗にするって具体的にはどういう?」

「この近くの川のあたりから網を張るようにするじゃ。網を通った水は綺麗になる。」

「てことは水源に問題ありだな。」

「わしもそこまで調べる前に封印されたからな。それはあるかも知れん。」

「じゃあ、行ってみましょう。空成さん。」

「はい。」

「「カー( コーン) ((私たち置いてけぼりですかー?))」」

次回、雑草は根強い。

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