怪鳥襲来?
前回のあらすじ
いてぇ。
翌日、再度空成に妖術で治療してもらい回復。
「いやーヒーラーがいるから安心して突っ込めるわー。」
「出来れば控えて欲しいんだけど…」
「じゃあ何のための回復術よ。」
「使わないのが一番でしょ。」
そんな話をしながら宿に戻る。
「あっ、湊人さん!」
蓮子さんだ。だいたい内容は察しがつく。
「身体、大丈夫なんですか!?」
「うちの医療箱をなめちゃいかんぜよ。」
「ぼく医療箱じゃないんだけど…」
すると蓮子さんが頭を下げる。
「すいませんでした。私が固まっちゃったせいで…」
そりゃ目の前で人が吹っ飛んだらこうなるわな。
「世の中恐怖を克服できる人は限られてるから。しょうがないしょうがない。」
「でも…」
「何かしたいなら美味しいご飯を頼む。腹減ったからねー。」
「はい!」
すると、蓮子さんが台所へ走っていく。
「上手いね。」
「何が?」
「返しが。」
「根に持たれても面倒だ。あ、そうそう部屋に実は新しい友達がおるんよ。」
「へ?」
ということで小さいカラスを紹介する。
どうやらまだ眠っている。
丸一日眠ってるってどうなのかと思い、空成に診て貰うが、異常なし。
どうやらほんとうに寝てるだけらしい。
しかし診てもらったときにあることが発覚した。
「この子、足三本あるよ?」
「は?あ、ほんとだ。気づかなかったわ。」
「ってことはこの子は八咫烏ってことでいいのかな?」
「あーあのサッカー日本代表のユニフォームの?」
「うん。でも実在したんだ…」
「こっち原産の割と普通のやつかもよ?」
「その線が濃いかもね。」
何はともあれ日本じゃ神さまだ。なんかいいことがあるだろう。
「ところでお前のルナは?」
「神社。まだ人に慣れてなくて。」
「だが、慣らさないとあとあと困るだろ。」
「うん…近いうちにね。あ、明日神社に来てよ。たまにはさ。」
「復興あるだろうけど、由美華先輩に身体大事にしろって止められちまったからな。いいよ。」
翌日
頑張ってんなー。
空成の練習風景を見ながらお茶を飲む。
だいぶ上達したらしく、今はシールド、壁の練習をしている。火の玉の数は四つまで出せるようになったし、ある程度操れようになったらしい。
まだまだ先は長いらしい。
(あー昼寝してようかな…)
そんなことを考えていたらルナが騒ぎ始めた。
森の方を見てキャンキャン吠える。
何かと思って見てみたらなんかでかいのが飛んで来ている。
すると街の方から警鐘が聞こえる。
どうやらなんか来たらしい。
俺たちは急いで神社からでて、空成のゲートで本部に直行した。
その後、本部の監視塔にのぼる。
すると由美華先輩がいた。
「先輩!」
「ああ、二人共、戻ったか。」
「来る途中に見えたあれが原因ですよね。あれは一体…」
「こちらも確認中だが、いかんせん情報が錯綜していてな。っ!見えたぞ!」
よーく見ると形がわかる。
(でっかい…鳥?いや、カラスか。)
黒いそいつは見るからに鳥。
「キング○ドラ?」
「あれは金色だし首が三つでしょ。」
すると、先輩たちが唖然としている。
「どうしたんですか?たかがでっかい鳥ですよね?」
「ただのカラスではない。おそらく大烏様だ。」
「大烏?」
「向こうの森に住むと言われている守り神さまだ。見るからにお怒りだ。きっと何者かが森で悪さを…」
その後先輩たちがその場で色々話し始める。
俺と空成も見ていると、その大烏の足が三本なのを見た。
「「あっ」」
思わず声が出た。
それに先輩たちももちろん反応する。
「どうした?心当たりでも?」
「いや、心当たりというか、なんというか…」
俺たちはあのチビ助のことを話した。
祟りに襲われて怪我をしていたこと。
治療するために連れ帰ったこと。
今雀庵にいること。
すると先輩たちが頭を抱える。
どうやらそれで間違いないらしい。
だが、人としては正しいので叱るに叱れないので困っているのだろう。
ということで、雀庵に戻ってきた。
「おーいチビ助。お前のママ…いや、パパ?おじいちゃんかおばあちゃんなのか?いや叔父さんや叔母さんということも…とにかく親類が来たぞー起きろー!」
現在、大烏は前の襲撃地でちょっと暴れてるらしいのでチビ助を抱えて現場へ急行。
そして大烏とご対面。
「おーい。探し物はなんですかー!見つけにくいものですかー!机の中とかカバンの中にはありませんでしたかー!」
「今やる!?それ!」
「いやつい。」
すると二階建ての家サイズのでかいカラスが襲いかかってくる。それを避ける。
「あぶねー。おいおい!自分の子供…孫?甥っ子?も一緒に潰す気か!?」
そう言ってチビ助を出す。
チビ助はトテトテ大烏の元へいく。それを見て奴も満足したように見えたが、嘴で吹っ飛ばされた。
その瞬間、カチンと来た。イラっときた。
「湊人、大丈夫!?」
「ちょいと物申してくるわ。」
「あ…うん。」
起き上がって奴の元へいく。
「おいコラ!カラス!テメェ自分の子供?もう子供ってことにしとくか。子供の恩人相手にそれは酷いんじゃねえのか!」
奴もイラっときたのか、足で踏みつけてくる。
それを避けながら抗議を続ける。
それを見て先輩たちがヒヤヒヤしている。
空成はやれやれと見ていることだろう。
俺は割が合わないことが嫌いだ。
特にこういう時は。
「だいたい、そいつは敵に襲われてたんだぞ!それを助けてやったのに吹っ飛ばすったあずいぶんと躾のなってねぇ鳥公だなぁ!」
攻撃が激化するが気にしない。
「だいたい、テメェが目離したからこうなったんじゃねえのか?」
それでようやく止まった。
「テメェがその時何してたかは知らねえけどなぁ〜、それで八つ当たりで他人に迷惑かけるのは、違うんじゃあねぇか!?」
奴も何も言えずに固まっている。
「神さまだかなんだか知らねえけどなぁ、次そいつから目離してこんなことになってみろ?捌いて唐揚げにするからな!わかったか!わかったらそいつ連れて帰れ!」
その後奴はスタコラサッサと帰っていった。
先輩たちが唖然としているが、気にしない。
「あースッキリした。」
「湊人らしいね。」
「だって礼の一つもないんだぜ?そりゃ怒るっての。さ、神社戻るぞ〜。」
次回、一難去ってまた何難?