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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
目指すは再開、出会いは豪快
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カラスと祟りと大怪我と

前回のあらすじ

将棋なんてちょちょいのちょいだぜ。




空成が特訓を始めて一週間が経った。

その間も相変わらず俺は暇してたけどね。

そんな中、糸井さんに頼んでいた服が完成した。

それまでは天狗屋の制服的なものを着ていたが、ようやく別の服を着れる。

糸井 しきさん。

毛娼妓で、髪の毛がかなり長く、ある程度操れるらしい。雰囲気はおっとりしている感じだが、長い髪の奥に見える瞳には野心めいたものが見える。

…気がする。

パトロール中にも何度かあって会話を交えたので、お互いそこそこ顔見知りだ。

これで休みの日(もっともほぼ毎日休みの日なんだけど)に制服で過ごさなくていい。

さて、それは置いといてだ。

空成の修行中に祟りが一体来た。

難なく対応できたが、空成は申し訳なさそうにしている。

まあ、しゃあないわな。

そして、今回の襲撃から、俺独自の推測でだが、奴らの出所がわかった気がする。

この街を上から見た時、襲撃は北西部に集中している。まあ、割と範囲は広いが、奴らが北西から来ているのは間違いない。

そこで、俺は北の区域でもっとも東に寄った襲撃地点と西の区域でもっとも南に寄った襲撃地点を線で結び、垂直二等分線を引いた。

この線に沿っていけば、多分きっと奴らの出所に着くだろう。

正直確証がない。

だから今回は俺が単身で特攻して確かめる。

空成がいれば間違いなく止められるだろうが、俺もただ暇を食い散らかすだけでは面目ないのでね。

というわけで、イッテキマース!


しばらく歩いたが、相変わらず森ばっかり。

予想が外れたかね?

と、帰ろうとした時に森の奥が騒がしい。

ということで見に行こう。

そこでは某鬼ごっこ番組が繰り広げられていた。

鬼は祟り二体、逃げるのは小さいカラス。

ふっ、仕方がない。助けてやろうではないか。

ちょくちょく街から出てモンスター狩ってレベルアップしているからな!

不意打ちで一体を矢二本で仕留める。

するともう一体がこっちを狙う。

森の木を駆使してやや距離を取る。

ある程度離れたところで、矢を構える。

祟りが木をなぎ倒した瞬間胴体にある弱点にクリーンヒット。

頭の中で某ファンタジーゲームの勝利BGMを流し、弓をしまう。

さてさて、あのカラスはっと。

現場に戻ると、カラスはぐったりしていた。

怪我をしているみたいだな。まだ小さいせいか、それだけ弱っている。

とりあえず、懐に入れ、街に帰ろうとすると、いらないおかわりが来やがった。

懐にカラスを抱えている以上、下手に動けない。

こうなったら…


逃げるんだよー!!!

全力疾走とはまさにこのこと。

少しして、街に戻ってきた。

雀庵に戻り、救急箱を拝借、カラスを手当てし、ベッドで眠らせておく。

すると、街の方が騒がしい。

どうやらおかわりをお持ち帰りしてしまったらしい。

だがどうして?

完全に逃げ切ったはず…

血?

カラスの血の匂いを辿ってきたのか!?

単なる脳筋かと思ったら結構やるじゃねえか。

つまりこれは俺が招いた事態、俺がケリをつける。

どうやら一匹鼻のいいやつがいるらしい。

合計五体。

内一体がやや強めってところか。

天狗屋の援護もあることだ。

ちゃっちゃと終わってもらう!


四体始末した。

残ったのは強めの一体。

すると、不意に俺たちを無視して走り出した。

チッ、中心部に向かいやがって!

後を追う。

奴は対して足が速くはないのでなんとか追いついたが、場所が悪い。

避難民が多い。

だが、奴は御構い無し。

「みんなは避難させて。俺が気をひく!」

矢を数発撃つが、あまりこっちに向かない。

そんな中、避難し遅れた人の中に見覚えのある顔が見えた。

蓮子さんだ。

確か買い出しに出ていたはずだが、まさかここで出くわすとはね!

その上運悪く、次の標的も蓮子さんらしい。

必死に矢を放つ。

刺さって出血もしているのにこっちを向かない。

だめだ。

このままじゃ蓮子さんが死ぬ。

蓮子さんも恐怖で立ち尽くしてしまっている。

とりあえず、突き飛ばしてでもっ!

奴の脇の下を通り、蓮子さんを突き飛ばす。

さあ、これで一対いt …

そう思った時には遅かった。

目と鼻の先に奴の腕が迫っていた。

世界がスローになり、某アニメなら解説が入るだろう。

その瞬間わかった。

こいつ蓮子さんを使って絶好の機会を狙ってやがった!

転生して初めての負傷。

現世では即死級。

ステータスがなきゃ死んでる。

吹っ飛ばされた俺の身体は倒壊した家屋に突っ込み、折れた柱が腹を貫く。

痛いとかもう分からないくらい痛い。

おかしくなりそうなくらいだ。

奴は容赦なく追撃に来ている。

距離が近づき、やつが腕を振り上げる。


この時を待っていた。

やつが俺の方を向き、攻撃体制をとるのを。

俺は柱に貫かれたということは動けないということ。

つまりは“これ以上ないくらいブレが減る”

弓を構えて、ありったけの魔力で矢を作り、構える。

「固定してくれてどうも。余計に外さねえわ。ハハ。」

放たれた矢は深々と奴の弱点を貫く。

その後あっけなく奴が倒れる。

あー終わった終わった。

さて、俺の読みが正しければそろそろ…

「湊人!!!」

「遅ぇぞ…もうお前の分無くなっちまったじゃねえか…」

「い、今助ける!」

身体が柱から抜ける。その後空成の妖術で傷を治す。

しかし、完全には治らなかったため、医院送り。

その日は目が覚めなかった。


翌日

「ま、助かるんですけどね!ハハハ!」

ドスッと鈍い音とともに俺にパンチがくる。

「ちょ!怪我人!怪我人!由美華先輩加減し…いてててててて!」


次回、三本足のカラスってもも肉半匹分お得じゃね?

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