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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
ジャパニーズソウルは異世界受けする。
11/194

不運

前回のあらすじ

子鹿亭改め、大鹿亭に泊まった。




朝、うん朝だね。いつの間に寝たかは覚えてないけど目覚めは悪くない。

時計は朝の8時半のあたりを指してる。昨日は少なくとも10時前には寝たはずなので、非常に健康的な睡眠時間だ。欠伸をしながら、ベッドから立ち、カーテンを開ける。表の人通りはまだそれほど多くはないので昨日の夜に比べると静かだがそれでも8時半にしては多い方。窓の前で軽く伸びをしてから、朝食を食べに向かう。

今日は主に街の散策だ。これから活動する街のことくらい知っておきたい。あとは生活に必要なものの買い出しかな。あわよくば、ギルドなんかにも立ち寄りたいかな〜。

そんなことを考えて階段を下りようとしたその時、下から声が聞こえた。しかも聞き覚えがある声が。

「へー。良かったね。指輪取り戻せて。」

片方は受付の女性の声。

「そうなの。急に現れて連れてかれたと思ったら、指輪返してくれて、ほんと誰だったんだろ。」

もう一つが昨日の指輪女子。


……………


もう一人の客ってお前かい!

関わりたくなくて逃げたのにお前居るんかい!偶然にもほどがあるだろう!

チクショー。あのダメ神め、次会ったらグーパンだな。


さて、この状況をどうするか。宿を変えるのもちょっと悪いし、だからといってあいつと一緒はまずいな。なんかの拍子にバレると面倒だし。

「今時、そんな人居るんだねー。」

「礼を言いたかったけど、すぐどっか行ってしまったし、どこに行ったんだろう。」


すぐ近くに居るよ!チクショー!

とりあえず、部屋に戻って作戦会議だ。


ぐぬぬ…あいつが外出するまで待つか?それとも、窓から脱出を…いやっ窓の外は通りになっているから人目につくからダメだな。となるとやはり居なくなるまで待つしかないか…うん。寝て待とうそうしよう。そうすれば安全で間違いないしね。街に出ればどうとでもなるし。


コンコンッ

「あのーイバラさん?そろそろ朝食の時間ですよー。」



へー。異世界の宿は、飯の時間になるとわざわざ呼びに来てくれるんだー。優しいなー。親切だなー。その優しさに涙が出てくるよ。真っ赤な血の涙が。

「ハ、ハーイ、イマイキマスヨー。」

どうしようどうしようどうしよう!

バレたら絶対お礼だなんだと言われてしまうよ。付きまとわれるよ。だってあの指輪返した時涙浮かべてたもん。そんだけ嬉しかったならそりゃそうなるよ。俺の将来の盗賊ライフが存続の危機だよー!


バレないことを祈りつつ行くしかないかー。そのためにも席は遠くにしようそうしよう。


階段を下りて、ロビーに行くと彼女は居なくなって居た。良かった〜。出かけてくれたか。さっ、とっとと朝飯食べて、俺も出かけようそうしよう。


そうして席に着くと、トイレの扉が開いて彼女が出てきた。


お前そこに居たんかい!いや少し変だとは思ったけどさ!そして今俺の斜め向かいに座るんじゃない。距離を置きたいんだよ。こっちは!しかもこっちを向くように座るな!俺はお前の背中が見たいんだよ! あっべつにへんな趣味があるわけじゃないぞ?背中が見える=顔が合わないだからね?うん。クソー。やっぱ寝とくべきだったー。

そして俺たちは朝飯を食べる訳だが、味がしない。いや、美味しいはずなんだよ?トーストと付け合わせのサラダとかね。美味しいはずだけど俺今それどこじゃないんだね。

「?顔色が悪いぞ。大丈夫か?」

「え!?あっ、いやなんでもない。昨日少し寝付けなくてね。ハハ…」

危ねえーー!ビックリした…いやはや見ず知らずの人の体調心配するとかいい子だなぁ。いい子だから早よどっかいってくんねえかなー。出来れば街を出る方向でね。

ああ!もう!だれかこの場の空気変えてくれねかな!

そんなことを願っていると宿の扉が開いた。

Oh my god!あんたやっぱダメ神なんかじゃなかったわ!ええ神やったわ!

「邪魔するぜ〜。おっ、やっぱりいやがったか。嬢ちゃん。」

「!貴様、昨日の。」

Oh my god…やっぱあんたダメ神だわ〜。 たしかに空気変えろとはいったけどよりにもよってこいつら寄越す?昨日の指輪泥棒寄越す?(俺も指輪スったけど、こいつらから。)

「今度はなんの用だ。」

「いやぁ〜あの後あの指輪盗られちまってよ〜」

「ふん。いい気味だな。人のものをとるからバチが当たったんだな。生憎、その指輪は私の元に戻ってきてくれたのでね。やはり持ち主は私であってたみたいだな。」

「それで良かった。じゃ返してもらおうか。」

「は?」

「だから、人のものとったら返すのが決まりだろう?だからわざわざ返してもらいにきたのさ。」

「貴様っ!まさかそのために私の後を追いここまで!?正気か?」

いや、これに関しては彼女に同意だわ。指輪一つのために宿まで追っかけるとか、こいつらどんな育ちしたのよ。

「おれはなあ、自分もの盗られんのが一番嫌いなのよ。どうせあのマントの奴もここにいるんだろ?」

「あいつのことは私も知らん!」

「ほほぉ、では見ず知らずの人が指輪返してくれたってかい?そんなうまい話がある訳ねぇだろ!」

全部当たってるんだよなぁ〜ここにいるんだよな〜指輪スった犯人。

「アニキ、あそこの奴じゃないですかい?」

やべ、見つかった。

「ん?おお。たしかに身長は同じくらいだなぁ。靴も確かあんなだ。」

「彼はたまたまここに泊まってる他人だぞ!関係のない者を巻き込むつもりか!」

だから合ってるんだよぁ〜てか靴覚えてるとかどんだけしつこいん?

「なあ、おい、テメーだな?俺から指輪とったのは。」

「知らん。お前とは初対面だ。大体指輪なんて見たこともない。」

「あのー中で喧嘩はやめてもらえると「うるせえ!引っ込んでろ!(ドンッ)「きゃっ」

うわーとうとう手出しちゃったか。流石の俺もちょっとイライラしてきたぞ?

「人からものとったらそれなりの落とし前つけて貰わねえとな?(ガシッ」

「はあ、それで落とし前というと?」

「もちろん。大人しくやられろってことだよ!」

そういって拳を振り上げる。胸ぐらを掴まれているので逃げれない

だか、逃げれないなら先にやればいいだけだ。ちょうど密着しているので苦労はしない。そこで俺は相手の脛を蹴った。もちろん”弁慶の泣き所”をね。ここは大人でもかなり痛いのでさすがのこいつも下がった。

「テメェ、やる気か?俺と。」

「俺は一向に構わない。」

「そうかそうか。そいつぁ好都合だ。お前ら。やれ!」


どうやら初めての対人戦らしい。



やはりこの女の子はトラブルを持ってくるらしい。




ちなみに女の子の方は受付の人についてるので戦闘には不参加。


みんなも当たり屋には気をつけよう!

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