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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
目指すは再開、出会いは豪快
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一時帰宅

前回のあらすじ

動物の性格は見た目で判断できない




その後も玉さんの説明は続いた。

「さて、そろそろお目覚めの時間ですよ。」

「あ、はい…」

「私とは夢の中でまた会えるので、向こうで何かあればその時にでも。」

「わかりました。」

「あ、そうそう。向こうに私の娘がいると思うのでよろしくお願いしますね。」

「む、娘!?既婚だったんですか?」

「厳密には私の作り変えですかね。後継者が最後まで現れなければあの子にする予定でした。しかし、空成様が来てくれたので、空成様の次ですかね。それまでよろしくおねがいします。」

「じゃあ、その子も玉さんって呼んだ方がいいんでしょうか。」

「いえ、あの子と私は同じですが、全くの別物ですので。空成様がどうしてもというなら構いませんが。」

「…何か考えます。」

そうこうしてると、意識が遠くなる。

「どうやら時間みたいですね。では、また。」


目がさめると、寝そべっていた。

「あら、お目覚めですか?」

目の前に稲美さんの顔がある。

ん?寝そべっているのに上に稲美さん?

まだ意識がはっきりとはしないが、自分の状況を確認する。

すると、自分の頭が枕ではないものの上にあることに気づいた。

その柔らかい何かは稲美さんの膝枕だった。

僕は慌てて退く。

「す、すいません。図々しく…」

「気にしなくていいですよ。枕を出すのが面倒だっただけですので。よければ、もう少し横になっていきますか?」

「け、けけ、結構です!」

稲美さんは少し残念そうな顔をした後、正座に直った。

「それで、彼女とはどのような話を?」

そして僕は玉さんどの話をした。

「なるほど、わかりました。当分の間、私が力の使い方をお教えします。」

話をしていると、庭に一匹の狐がやってきた。

綺麗な毛並みで、どことなく玉さんと同じものを感じた。きっとあの子だろう。

その子は僕の方へ来て、匂いを嗅いだ後膝の上に乗っかった。

「これからよろしくね。」

「コン。(はい。主様。)」

玉さんから聞いた通り、狐の言葉が分かるようになっている。狐限定らしいけど、動物と会話できるのは楽しい。

「あの、一度、みんなのところに戻っても構いませんか?」

「ええ、少し整理する時間がいるのでしょう?分かりました。」

「とりあえず、明日また来ます。この子は連れて帰っても?」

「ええ、構いません。では、また明日。」

そして僕は神社を後にした。


時間はあまり経っておらず、僕が神社に入ってから一時間ほどしか経っていない。

洞窟に入ったのが神社に入って二十分くらいなので、四十分近く稲美さんの膝にいたと考えると、少し恥ずかしい。

階段を降りていくと、みんなが待っていてくれた。

「お!お帰り!」

湊人が手を振って迎えてくれる。

「で?どうだったよ。頂上は。って、なんだその狐は?」

「あぁ、ちょっとね。」

僕は、湊人と羽宮さんはともかく、他のみんなには後に教えた方がいいだろうと考えた。

「上には寂れた神社があっただけ。その、結界があって、ちょっと眠っちゃったんだ。[祟り]とは関係ないと思う。この子はなんかついてきちゃったんだ。」

部隊のみんなは「そうだったか…」と、少々落ち込んだ様子だ。

「では、一度本部に戻ろう。」

羽宮さんが声をかけ、本部に戻る。

「あ、羽宮さん、湊人、詳細な報告をしたいんですけど、時間ありますか?」

「わかった。みんな、先に戻っていてくれ。」

そして、麓には僕らだけになった。

「で?本当は何があったんだ?寂れた神社だけってのは違うんだろう?」

「あはは、湊人はわかってたんだ。」

「もちろんさ。」

「そうなのか?」

羽宮さんが少々驚いた様子で聞いてくる。

「はい。みんなには話すべきかわからなかったので、羽宮さんにとりあえず話そうかと。」

それから少しかけ、僕は二人にさっきのことを話した。

「つまりはあそこの神社の神様になったわけだ。拝んだらご利益ある?」

湊人が手を合わせて聞いてくる。

「新人だからわかんない。」

「賽銭いくらがいい?」

「うーん、中銅貨五枚?」

「安いのか高いのがわかんないな。」

「なら、うどん一杯にする?」

「高上がりじゃねえかチクショー。本殿で寝とけ。」

「「あはは」」

「いや、笑ってる場合か!」

僕らの軽い茶番に羽宮さんがつっこむ。

「つまり、空成は[祟り]への対抗策をてにいれたんだな?」

「明日から稲美さんのところに通って練習しようと思ってます。」

「ん?つまり、俺お前の分も働かなきゃだめということか?」

「その稲美と言う人は信用できるのか?」

羽宮さんはまだ信頼できていない。

それも分かるけど、きっと大丈夫と感じる。

「はい。とは言い切れませんけど、悪い人ではないと思います。」

羽宮さんはしばらく悩んだ後、何かを決めたように口を開いた。

「わかった。空成、当分君は休暇ということにしておく。その分湊人に頑張って貰うからな。また、この件はしばらく内密にしよう。」


その後

帰り道、雀庵って動物大丈夫か心配になったけど、むしろ笑顔で迎え入れられ、一瞬で馴染んだ。

「ごめんね。明日から。無責任だったかも。」

僕は眠る前に湊人に話す。

湊人に何も話さず動いて、明日から湊人の負担が増えることへの罪悪感がどうしてもあったからだ。

「お前が自分で覚悟を決めて、正しいと信じたなら何も言わないさ。」

「ありがとう。」

湊人の優しさに感謝しつつ、眠りにつく。


「ところでさ、その稲美さんって玉さんの後継者探すために長い間あそこにいたんだよな?」

「そうだけど、それがどうしたの?」

「…稲美さんって今何歳?」

「…」

「…」

「触れないでおこう。ね?」

「お、そうだな。」


次回、魔法?いやいや、時代は妖術っしょ?

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