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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
目指すは再開、出会いは豪快
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事情聴取

前回のあらすじ

俺の弓矢が火を噴くぜ。




烏天狗の人たちに連れられて、役所らしきところへ来た。

なぜ僕たちが連れてこられたのかはわからないけど、現在、応接室みたいなところで待たされている。

しばらくすると、先程の部隊の隊長らしき女性が来た。

「僕たちどうなるんだろう。(ヒソヒソ」

「さぁ、務所行きかな?(ヒソヒソ」

「縁起でもない!(ヒソヒソ」

そんな会話をしていると、彼女が話し始めた。

「そう硬くならないでくれ。別に牢屋に入れたりはしないさ。」

その言葉にホッとする。

「じゃあなんで俺たちを?」

「あぁ、理由はいくつかあるんだが、まずは当時の状況の把握のためかな。逃げられても困るからね。」

(逃げるような人に見えてるんだ…僕たち…)

「まあ、君たちが悪者じゃないのは私の部下が周囲の人々から聞いている。住民の避難や、怪我人の手当てなんかな。」

すると、湊人が「あれ?俺の活躍は?」という顔をするので、「まあ、まあ」となだめる。

「しかし、服装からして、旅の人か?」

「えぇ、まあ。」

「ここにはいつ?」

「俺たちはさっき着いたばかりだ。」

「なのに、祟りに立ち向かうとは、相当な命知らずか、はたまた勇敢なのか。」

「祟り、というと?」

「君たちが倒した怪物のことだ。最近になって出てきてな。我々も、なんとかしようとはしているんだが、一向に進展がなくてね。しかし、どうやって…」

僕たちは、その祟りの胸の石のことなど、ことの次第を説明した。

「なるほど。考えれば、以前の祟りも、胸の石に攻撃が当たり、倒せた記憶がある。貴重な情報、感謝する。」

「あー、すまないが、いくつか質問いいか?」

と、湊人が切り出す。

「この街についていくつか聞きたくてね。なにぶんさっき着いたばかりで、色々と知りたいんだ。」

ついでに情報収集ということだろう。

「まず、この街を統治しているのは君たちでいいのか?」

「あぁ、昔は人が役所で統治していたんだが、どうも治安が安定しなくてね。我々烏天狗は、もともとあそこの山に住んでいたんだが、人が荒らすものでね。そこで、もともとの役所の人たちと協力関係を築き、こうなったわけだ。無論、その時の役所の人たちも、ここで働いている。また、ほかの街や村も同じようにして、我々と人の手で統治している。まあ、やや規模の大きい自警団とでも思ってくれれば構わない。」

「なるほど。どうりで平和なわけだ。」

湊人も納得がいったようだ。

しかし、烏天狗たちが住んでいた山は窓から見えるが、相当大きい。富士山とかそういうレベルの大きさだ。

「まあ、犯罪が絶えないわけではないのだがね。」

彼女がやや残念そうに言う。

「税とか、そういうのもここで?」

「あぁ、ただ、強要しているわけではない。納められないものもいるからな。」

「普段はなにしてるんだ?」

「見回りなんかが主流だ。喧嘩の仲裁なんかもする。」

どうやら警察と大差ないようだ。

すると、湊人が少し、考え、なにかを決めたように切り出す。

「なあ、俺たちをここで働かせてくれないか?」

僕も少し驚いたが、多分そういうだろうなとなんとなく予想はついていた。

「ここが気に入ってね。ここに住みたいんだが、来たばかりで、職がないんだ。ここなら、俺たちの能力にも適していると思うしな。」

「ふむ、わかった。上に掛け合ってみよう。だが、試験か何かが課せられるが、大丈夫か?」

「多分ね。そこそこ教養もあるしな?」

そう言って湊人は僕に視線を送る。

多分現世の知識のことを言っているのだろう。

「では、明日、またきてくれ。っと、名前を言ってなかったな。私は羽宮 由美華だ。よろしく。」

「白鳥 湊人だ。」

「戸波 空成です。」

僕たちは軽く自己紹介を済ませ、役所を後にした。

あと、役所は天狗屋と呼ばれているらしい。

「腹減ったなぁ。」

天狗屋を後にした僕たちは雀庵に向かう途中だ。

たしかに、来てからなにも食べていない。

「なあ、なに食べる?」

「宿の食事っていうのもあるよ。」

「でもせっかくだし、どっかで食っていきたいなぁと思ってさ。」

あたりを見渡すと、饂飩うどんの文字が見えた。

「湊人、うどん屋があるみたいだよ?」

「しばらく食ってないし、行ってみるか。」

うどん屋の中は時代劇で見るような感じで、日本の昔の食事処って感じ。

店員は、人間だけでなく、猫耳の人もいる。毛が入るのを防ぐためか、頭巾をしている。

味は申し分なく、美味しかったし、割と安かった。

今度、市場調査とかしてもいいかもしれない。

天狗屋に就職できたら、服も和装にしたいなぁ。


そんな感じで、僕らの少し遅めのお昼ご飯は終わった。

次回、雀庵だからといって雀がいるわけではない。

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