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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
目指すは再開、出会いは豪快
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残された者たち

第2部、スタート




俺は普段はヘラヘラした感じで過ごしていた。

涼太郎達とふざけ合うのが日課だった。

いわゆるムードメーカーというやつだ。

ゲームの中でもそんな感じだった。

基本的に笑顔が絶えなかった。


あの日までは


涼太郎が突然死んで、俺達は驚きと悲しみでいっぱいになった。

俺達から笑顔が消えた。

それからの学校生活は前と出来る限り変わらないようにしようと思ったが、ふとした瞬間に涼太郎がチラつき、死んでから2週間程はまともに勉強も出来なかった。

やっと涼太郎がいないが、俺達は3人は何とか普通に過ごせるようになった。

でも、まだ心の中では引っかかっている。

そんな時だった。

翔も死んだ。

つい一週間前だ。

銀行強盗から子供を庇って撃たれたらしい。

無論悲しかった。

だが、俺達はあいつを誇りに思った。

普段から正義感の強いやつだったから、庇うのも納得がいった。

それと同時に、取り残された気がした。

翔は一足先に涼太郎のところへ行った。

正直、自害も考えた。

だが、それは両親に失礼だ。

まだ整理がついていない中、

俺、白鳥 湊人(シラトリ ミナト)は翔の遺品整理をしていた。


次の日、俺は翔の遺品整理を続けていた。

思い出のこもった物も多い。

すると、部屋の扉が開き、一人の青年が入ってきた。

「湊人、そろそろ休憩しよう?朝からぶっ通しだしさ。」

「そうだな。」

彼は戸波 空成(トナミ クウセイ)俺達は四人組の中での癒し担当だ。

もっとも、今回はどうにもならないが。

空成は基本大人しい性格で、しっかり者で、四人組の中で一番成績がいい。

だが、涼太郎の死以来、下がり気味だ。

無理もないが…

休憩がてら、俺達は空成の部屋で昼食を食べた。


僕と湊人は部屋で昼食を食べたあと、晩御飯の買い出しに出た。

翔の遺品整理も大事だけど、それにかかりきって体調を崩せば、翔に笑われてしまう。

そう思ったのだ。

いや、自分に言い聞かせてるの間違いかもしれない。

現実逃避

まさか一年経たずに親友が二人も死ぬなんて。

確率でいえば天文学的数字だろう。

だが、数字がある以上、起こらないわけじゃない。

その現実を、受け止めきれずにいた。

マンションから出て、バスに乗る。

湊人は窓の外をぼーっと眺めている。

僕も、車内をただ眺めている。

車内は僕らだけだ。

少しして、バスが停車して、ドアが開く。

その人が乗った時は、違和感を感じた。

何か、ここにいるべき人じゃない感じがした。

その人は、僕らの前の席に着くと、次のバス停で降りた。

しかし、カバンを忘れていった。

いつもなら声をかけるが、その気力が出ない。

バスが発車して、しばらくする。

日常とは、突如として崩れるものである。

目の前を閃光が包んだ。

全身が燃えるように熱くなる。

その瞬間、意識が途切れる寸前、何故か嬉しかった。


また、会える。と…




何が起こったかはわからない。

窓の外を眺めていたら、突然明るくなって、体が燃えるような感じがして、気がつくと暗い空間にいた。

横には空成も一緒だ。

そして、目の前にはひとりの女性が立っている。

何がなんだか分からず、キョトンとしていると、彼女の口が開いた。

「まずは、強引な手を使ったこと、お詫び申し上げます。」

ペコリと頭を下げ、謝罪される。

「突然ですが、貴方達には死んでもらいました。」

そうか、死んだのか…

まだ頭の整理がついていない。

「えっと、どうしてですか?何か、悪いことでも?」

と、空成が問いかける。

空成の声で頭がはっきりしてきた。

なんとなく状況がわかってきた。

「いえ、あなた方は何もしていません。正確には、あなた方の友人が願った。ということです。」

俺たちの頭の上に疑問符がつく。

それを察したかのように彼女が続ける。

「あなた方のご友人、茨 涼太郎さんは、私達神の不手際により、不幸の死を遂げてしまいました。よって、彼には現在、別の世界で、第二の人生を送っていただいています。先週亡くなった翔さんも、現在は涼太郎さんと合流しています。」

急なことで訳が分からないが、二人が別の世界で生きているということだけは理解できた。

「そして、涼太郎さんの願いはまたあなた方友人達に会うこと。ですので、あなた方にも、その世界に向かってもらうためにこのような手段を取った次第です。」

それからも、彼女は淡々と説明を続けた。

俺達も状況が把握でき、最後の方は興奮やらワクワクなんかでいっぱいだった。

家族には申し訳ないが、もしも万が一会う機会があれば、謝罪しようと思う。

つまり、ざっくりまとめると、涼太郎は異世界転生した後、俺達がまた揃うことを希望。

転生時に、ステータスについて無欲だったため、友人達を招くために、神さま方があれこれしたらしい。

無論ステータスに関しては俺たちも同じく、強くてニューゲームは嫌いなので、平凡な感じに仕上げた。

俺は銃ゲーが得意で、ゲームでも中、後衛をやっていたので弓兵に、空成は頭を使うゲームが好きで、ゲームでは魔法使いや治癒師をやっていたのでその方向に。

俺達は装備をもらい、説明書に目を通した。

これから俺達は異世界に行くのだ。

ゲームの中だけだと思っていた世界に。

S○Oもゲーム内の物語だが、これは正真正銘本物の異世界だ。

まあ、あればあるで楽しそうなんだけど。てか、ゲームはコンプしたし、小説も漫画も全巻持ってる。

いや、持ってた。

しかし、初めから涼太郎達に会うのも面白くない。

ということで、涼太郎達と少し離れたところに出ることにした。

ここから、第二の人生が始まる。

俺たちは光に包まれ、異世界へとぶ。


その時、俺たちは長らく無くしていた笑顔を取り戻した。







今回から湊人、空成サイドの物語です。

当分は涼太郎と翔の出番は

ないです。

たまに「一方その頃」的なものは作ると思います。

ということで次回、

すごいぞ!異世界にも日本はあったんだ!

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