No.1 『冒険の幕開け』
異世界からの待ち受ける何か!?も書いてるんですが……どーしても書きたくなり、始めちゃいました!
この作品は週一程度で更新出来れば!などと安易な考えですが、楽しんで頂ける作品になるよう頑張ります!!
ーーここは島々が空に浮かんでいる世界ーー
大小問わず数多くの島が存在する。
そんな世界におれは13年前に生を授かった・・・2度目のね!!
おれは転生してこの世界に生まれてきた・・・
転生する前のおれは 池輝 正義 33歳 独身・・・
幼い頃から正義感が強く!自分で言うのもなんだが、正しいことをする善人でイイ人だったのだが……女性からはイイ人止まりで恋愛には至らず。
まぁそんな正義感も相まっておれは警察官だった!町の交番勤務で大きな事件があるわけでもなく、平凡な日常を過ごしていたーー
そんなある日この事……おれはいつも通り自転車に乗って、お昼前の見廻りをしていたのだがーー港の近くを通りかかった時に、怪しげな2人組が今は使われていないはずの倉庫へ入って行くのを目撃してしまう!
どーにも気になってしまい、自転車を降りて様子を見に行くことにした。
倉庫の扉をそぉ~っと開けると、中では2人の男達が黒いスーツケースを先程の2人組に手渡していた。
おれはそんな現場を見るのに夢中になってしまい、背後から近づくもう1人の奴に全く気づかなかったのだ……背後から近づいてきた奴に頭を殴られ、そのまま気を失ってしまった。
気がつくとおれは犯人達に取り囲まれ、両手を後ろで縛られ動けずにいた。
犯人の1人がナイフをちらつかせており、おれはなんとか逃げ出そうとするももの……
「あばれんじゃねぇ!」
とナイフで右目を切りつけられてしまった。
ボタボタと血が流れ……痛い……切りつけられた右目が熱い……
(糞!どうすれば……こんな奴ら……悪は必ず俺が捕まえてやる!)
と思っていたのだがーー
「見られたからには殺すしかねぇーな!」
犯人の内の1人が胸から拳銃を出し、そう呟いた直後……引き金を引き、おれはあっさりと殺されてしまった・・・
人生名前通りにはいかないものだった・・・
そしておれはこの世界に転生し、2度目の人生を送っていた!
バチェスタと言う空に浮く小さな国に、おれはウィル・ロイスターと言う名の人間として生まれてきたのだが……右目には生まれつき大きな切り傷があり、普通にみえるのだが……右目は白かった。ちなみに左目は銀色だ!
おれはあることを除けば、至って普通の人間の男の子だった。
おれが産まれたバチェスタと言う国は、農業を営んでいる人間が多い……と言ってもこの国の人口は僅か500人で、おれから言わせてもらうと国と呼べるのかも怪しい!
まぁ簡単に言っちゃうと、畑ばっかりの田舎島だ!
父の名はーーガリル・ロイスター 代々農家を営んでいる普通の人間。
顔は凄くイケメンでとても優しく仕事も真面目で、家族を大切に思うおれの自慢の父親だ!
母の名はーーキロル・ロイスター 元モルダ王国騎士団隊長で普通の人間。
自分の母をこう言うのもなんだが、金髪巨乳美女だ!とても3児の母とは思えない。普段は温厚でとても優しいのだが、怒らせるとヤバい!!!なんせモルダと言う国は今現在確認されている島の中で、2番目に大きな島国だ!
そんな大国の王国騎士団隊長を勤めていた母だから強いのは当たり前!
王国騎士団隊長にまで登り詰めていた母は、戦いに疲れバチェスタに休暇で訪れていたところをーー父にナンパされ恋に落ち、直ぐ様退職して父と結婚したのだとか。
そんなことも世の中あるんだなぁ・・・
兄の名はーーオルガ・ロイスター おれの3つ年上の兄なのだが、どーもおれとは合わない!多少魔法が使える程度で、いつも威張りくさっている!
毎日の様に魔法を使い、おれに攻撃してくる。性根の腐った糞兄であった!
だが!そんな糞兄の魔法攻撃などで怪我などするおれではない!!
おれには父と母以外・・・誰も知らないない秘密がある。
それは・・・この世界において最も重要な『スキル』だ!
おれのスキルは『創造主』と言う神にも等しい物だった。
『創造主』と言うスキルは自分の想像したものを何でも生み出せる・・・
これは世界に破滅をもたらす力すら兼ね備えた、この世界にあってはならない物だった。
この事実が知れ渡れば、命は無かっただろう。
おれは産まれて直ぐに、父と母に命を救われた形となっていた。
まぁそんな凄いスキルを持っているおれは、糞兄の攻撃などなんとでもなるのだ!
んでもって最後に!
妹の名はーー キルル・ロイスター おれの2つ年下の妹!糞兄とは違い、素直で優しい自慢の妹だ!おれに凄くなついてくれており、可愛い奴だ!!
母に似たのか剣の腕前は大人顔負け!と言うか母以外のこの島の者では、キルルに剣で勝てる奴は居ないだろう!!
そんな5人家族の次男として、おれは至って平凡に暮らしていた!
おれには幼い頃からの夢がある!!
それは成人したらこの島を出て、まだ発見されていない島や生物などを探したりする冒険がしたかった!
この世界では冒険者と言う職業になる!!将来は冒険者になり、いつか必ず色々な発見をする!
そしておれの名前を……この世界中に轟かせるのがおれの夢だ!!
この世界にはまだまだ発見されていない島や生物などが、数多く存在すると言われている。
・・・未だかつて誰も足を踏み入れていない未開の地がある。
それは・・・島々が浮いている雲の下だ!
未だかつて雲の下を見たものは誰もいない。
何故なら下へ行く方法が未だ発見されていないから。
その方法を発見できれば・・・
まさに冒険心が擽られる世界なのだ!!
おれは幼い頃から母に剣を教わり、スキルも使いこなせるよう誰にも知られることなく1人訓練していた。全ては冒険の為!!
この日もいつもどーり遊びに行く振りをして、森に入りスキルの訓練をしていた。今日は落ち葉を刃に変え、すぐ側にある木を刃で削り彫刻を作っていた!
精密なスキル操作を要する作業でかなり集中していた為、慣れ親しんだ誰もいない筈のこの森で気配に気づかなかった・・・
「いつもこんなところでスキルの訓練してたとわな。」
おれにはよく聞き慣れた嫌な声だった……
「なんでここに糞あ……オルガ兄さんがいるんですか?」
糞兄はおれが1人こっそりとこの森に入っていくのをいつも不思議に思っていたとのこと。
今日はやることもなく暇だったので、おれにバレないよう着いてきたらしい。
そして、おれが最も恐れていたことが……
「お前のそのスキルはなんだ!?見たことも聞いたこともない様な物だな?」
おれは動揺を必死に圧し殺し、平然を装う。
そしてーー
「おれのスキルはなんでも刃に変えることの出来るものです。」
と適当な事を言ったのだが、言った後にそれはそれで凄いスキルなのでわ?なんて少し後悔するのだが『創造主』がバレるよりは全然いいと開き直る。
糞兄はかなり怪しみながらも、それ以上は何も聞かずに去って行った。
(助かったぁ!!!)
心の中で盛大に喜びの声を上げるおれ!
今日の修行はこれくらいにして切り上げるーー家に帰ると糞兄は帰っていなかった。
それどころかーーあれから1週間が過ぎたけど未だに帰ってこない糞兄。あれ以来おれも森には行っておらず、あの日何かあったのでわ?と心配になり森を探しに行く事にした。
「オルガを探しに行くの?ならキルルも一緒に行くわ!」
家を出ようとしたところでキルルに捕まり、一緒に行くと言い出した。どうせ言い出したら聞かないだろうと思い、一緒に森へと向かう。
森に入り2人で探していたのだが、見つからず……日も傾き始めていたので、おれ達は家に戻ることにした。
帰り道も一応は辺りをキョロキョロと探しながら帰っていたのだが・・・突如・・・
『ドカァーン!!!!』
と物凄い爆発音が鳴り響く!!
「なんだ?!」
「家の方からじゃなかった?!」
キルルも不安な表示を浮かべながら、家の方から聞こえた爆発音だと言う。
おれ達は森のかなり奥迄来ていたのだが、走って家路へーーその間にも爆発音は繰り返しあちこちで聞こえていた!
一体何が起こっているのか?!嫌な胸騒ぎが消えることはなく、やっと森を抜けると・・・
「なんだコレ・・・」
おれの目に飛び込んできたものは・・・島の至るところで煙が上がり、家や畑などあちこちが爆発で吹き飛んでいた光景だった。
おれとキルルは急いで家に戻ると・・・崩れ落ちた家の瓦礫の間から見える父と母の焼け焦げた腕。
おれはその場で膝を落とし、頭が真っ白になってしまう。
キルルは泣き叫びながら瓦礫をどかして父と母を掘り出すのだが・・・
するとおれ達の頭上を1隻の飛行船が・・・ドクロマークの入った飛行船ーー
「あれは・・・空賊!!!」
この世界にはならず者集団が飛行船に乗り、空賊として数多く存在していた。
そして・・・おれは見てしまった。
その空賊船の窓から、おれ達を嘲笑いながら見下していた奴の姿を・・・
「オルガ・・・・」
何故糞兄が空賊船なんかに……
それからおれ達はこの国全ての人を土へと還した。
497名もの人達だ……墓標は無い。
全ての作業が終ったのは3日後の事だった。
そしてその翌日隣国の大国が騒ぎを聞きつけ、軍を派遣してきた。
おれとキルルは唯一の生き残りとして、事情聴取を受けるべく軍に連れられモルダ国へと向かう事になった。
キルルは空賊船にオルガが居たことは知らない……言えば傷付けてしまうだろうと思ったからだ。
おれ達は軍の飛行船に乗り、モルダへと向かうのだが……何故か2人して手枷を付けられ、檻の中に閉じ込められていた。
「これはどう言うことですか?」
近くにいた軍人に問いかけるのだが、無視されてしまう。
訳が解らず混乱するのだが、ふと隣を見ると小刻みに震えているキルルの姿が目に入る。おれに残った唯一の家族だ!おれが守らないと・・・おれは彼女の手をそっと握り、彼女の目を見てーー
「キルル……大丈夫だ!おれがなんとかしてやる!!」
おれの言葉を聞くなり無言のまま小さく頷き、手に伝わっていた震えが消える。
暫くすると飛行船が降下し始めた。そして地上に降りるなり檻に布を被せられ、おれ達はそのまま運ばれる。
辺りの状況はこの目で確認出来ず、何が起こっているのか?ここが何処なのかすら分からなかった。
動きが止まり、檻に被せられていた布をとられた。
ーーまずは状態確認とばかりに、辺りを見渡す……ここは地下の牢屋だろうか?おれ達は檻の中に入っているのに、更に檻の中ってどんな状況だよ?
松明の光しかない薄暗い石造りの牢屋で、湿気も多く嫌な感じの場所だった。
暫くすると、カツカツといくつかの足音が聞こえてきた。
そして・・・目の前に姿を現した人物を見て、おれは言葉を漏らす……
「オルガ……なんでお前が?」
おれ達の前には3人の人物が立っていた。1人はオルガで、もう1人は大柄な肉付きのいいガラの悪い男。坊主頭に刺青の入った、いかにも悪人だった。
そしてもう1人はいかにもきな臭そうな顔つきの細身のジジイだった!
そんな細身のジジイが突然話し出したーー
「オルガ君……この2人がバチェスタを、あの様な悲惨な状況にした犯人で間違いないかね?」
「ああ!間違いない!俺が見た犯人はこの2人だ!!」
コイツら何を言っていやがる?!おれ達が犯人??どうなってんだ?!
「おいオルガ!!!どう言うことだ!!?」
おれはオルガに飛びかかる勢いで、檻に顔着け怒鳴り付ける!!
「本性現したな!ウィル……お前は俺にとって邪魔でしかない存在だ。さっさと死ね!」
コイツはおれに罪を擦り付けて、おれを殺す気か……?
「なんであんなことをした?!おれを殺したいならおれだけ狙えばよかっただろ!!?」
「あんな糞みたいな国が消えてたって誰も悲しまない。お前をどん底に落とす為の犠牲だよ!」
何食わぬ顔で語るオルガ……何故そこまでおれを憎んでいるのか??おれのせいでバチェスタの皆が犠牲になったってことか?!
「父さんや母さんも死んだんだぞ!?何故お前はそこまでおれを!??」
「あんなのは俺の父、母じゃない。俺の親はただ1人!龍の髭様のみ!!そしてお前は俺が何度も殺す気で魔法を放っているのに死なない!!何故だ!?こんなにムカつく事はない!!だから絶望を味あわせて殺してやろうと思ってな!!」
龍の髭だと!?誰だそれは?そんなことの為に父さんや母さんまで・・・おれは心の底から怒りが込み上げてきた……コイツは必ずおれの手で殺してやると!!
おれの異様なまでの怒りのオーラによってその場に居た3人は一歩足を引き、額に汗をかきながら顔が青ざめていく。
「お前の達は明日処刑される!キルル……お前もついでにな!」
そう言い残し、急ぎ足でこの場を立ち去るオルガ達……
取り残されたおれはぶつけ様の無い怒りや、無力感、自分の力に驕り、オルガをあんな風にしてしまった自分への情けなさに気が狂いそうになる。
すると、今度はキルルがおれの手をそっと握り……
「ウィルは悪くない・・・」
そう言ってくれたのだ。そんなキルルの手はガタガタと震え、冷たかった。
ふと我に返りキルルを見ると……顔はこわばり青ざめ、泣くことすら出来ない様な状態だった。
「キルル……すまない。おれがしっかりしなきゃいけないのに……」
おれはキルルが勇気を振り絞ってくれたお陰で冷静さを取り戻し、今後の事を考える……ここを出るのは簡単だ!おれがスキルを使えばなんとでもなる。
だが問題は出た後の事だった……オルガともう1人の刺青デブは空賊で間違いなさそうだ。
気になるのは細身のジジイだ!奴はいい服を身に纏い、如何にも国のお偉いさんって感じの奴だった。
となると……国と空賊が繋がっている事になってしまう……そんなことがあっていいのか?だが、おれはこの目で見てしまった。
おれの前世での正義感は健在で、そうした悪は許せない!!
でも今一番大事なのはキルルの安全……今も怯えきった様子のキルルは、身体を丸めガタガタと震えている。
ここで少しでもキルルを恐怖心から解放してあげたい思いで、ある決断を下し話をするーー
「なぁキルル!おれが昔から話してた夢を覚えてるか?」
「・・・冒険者になる夢??」
「そう!今からここを出て一緒にやらないか??」
何故こんな話をしたのか?おれ達にはもう帰る家もない……そしてここから逃げれば追われるだろう。だがこの世界には未だに発見されていない島が数多くある筈なのだ!!
中にはきっとキルルと安全に暮らせる島もある筈だ!!
そうした意味でも冒険者は丁度いい!!危険はあるが、おれが必ずキルルを守り抜く!!
勿論キルルが冒険者を一緒にやってくれればの話だ。
もしキルルが嫌だと言えば違う方法を考えるのだが・・・
「ウィルがやるならキルルもやる!!それにもう帰る家もないし……」
敢えてもう帰る家がないことなどは言わなかったのだが、キルルはおれが言わなくても理解していた。
そして冒険者になると決意してくれた……キルルは顔を上げ下唇を噛み締めながらも、覚悟を決めた表情でやる!と言ったのだ!
ならばおれも覚悟を決める!!そしてキルルに誓った!!
「この先どんなことがあろうとキルルはおれが守る!!」
それからおれは脱走の計画を練る……今が何時なのか?あれからどのくらいの時間が過ぎたかなど、窓1つ無い牢屋からでは何もわからない。
だが……体感的に今外は夜の筈だ!
おれのスキルは誰にもバレたくない!まぁキルルにはバレるだろうが、そこは仕方ない。夜ならば気づかれる事なくここから抜け出せるだろう……あとは夜の間にいかにこの国から離れられるかだ!
おれは直ぐに行動することにした。
「キルル!今からここを出るぞ?これからおれのやることに、今は驚いたりするなよ!?ここを出たら質問なりなんなりしてくれ!」
これは伝えておかないと、脱走中にその都度説明なんてしていられない!
「わかった!」
キルルは小さく頷き了承する。
ーーそしてここから……おれ達の脱走劇と冒険が幕を開ける!!
異世界召喚からの待ち受ける何か!?も楽しんで頂けたら幸いです。
宜しくお願いします。