魔法住人

その世界には魔法が存在していた。科学技術とは違い、習得し扱うことに特別な素質が必要で、しかし科学ではできないあらゆることが可能な魔法は社会の隅々まで浸透していた。だが、万能がゆえに魔法を恐れた人々は世界中で魔法使いたちを迫害。さらには、虐殺まで行うこととなる。結果として、魔法を使う人々は数を減らし地下に潜ることで身を守った。それから数年、人としての権利を失った魔法使いたちは魔力を持たない人々の中に紛れて生活する者も多くいた。
　高校三年生の鏑木(かぶらぎ)鷹(たか)央(お)も自分が魔法使いであることを隠しながら生活している者のひとりだ。普段の授業もサボりっぱなしだが、成績は良く、他者と関わろうとしない。その態度に教師たちも腫物扱いで接してる。担任の白川(しらかわ)に誘われて入部した（強引に入部させられた）雑学研究会には、美少女だが空気の読めない部長兼自称探偵の問題児・高坂(こうさか)まひると美人で奥ゆかしい文学才女なのに超毒舌な祭場(まつりば)詩織(しおり)。煮ても焼いても食えないような部員がいた。
　やがて鏑木は学校で起きた魔法テロの中、彼女たちの重大な秘密を知ることとなる。