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過去の男とめくるめく散文たち

キリン

作者: 水岡きよみ

優しくくちづけする時に かくりと首を傾ける

その長く艷めく睫毛に 一瞬だけ ときめいて

自分の立場を ただひたすら忘れたくて

いつもと違う人格の スイッチをカチリ 入れた


キリンのように 背の高い、きみ

きみを見上げれば首を痛める

眩しい笑顔に目を細める

ふと視線を斜めに向けたりするから

その方向を 向いてしまったじゃない

あっという間に接近されて

気づけば柔い 唇触れる


きみのことが 好きだった

その気持ちに 嘘はないかもしれないけれど

意味合いが少しだけ ずれている

きみの好きは loveの好きで

あたしの好きは likeだった

強いて言うなら 慈愛かな

見つめるだけで 微笑ましくて

思わず母性が あふれるような

そんな想い 抱えてた

きみに惚れてみたかった

いつか来てほしい 未来を夢見て


結局は最後となってしまった別れのとき

きみは優しく 唇あわせて

じわりじわりと あたしの顔に熱を持たせた

きみとのキスは いつも駅

駅のホーム 流れる電車を背にして唇を交わす

どうしてこんなにタイミングが悪かったのだろう

あと2ヶ月早ければ 許された関係かもしれないのに

頭の隅で浮かび上がった理性を飛ばし

いま この時だけ 私の持ち主でない者へ 委ねる

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― 新着の感想 ―
[良い点] 謎めいた感じが気になりました。ふたりの関係は複雑なものだったのでしょうか?気になります。
[一言] 麒麟は動物のキリンのことですか? もしそうなら麒麟は伝説上の動物で 違う生き物になっちゃいます 小説凄く面白かったです きみの好きは loveの好きで あたしの好きは likeだった ここが…
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