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Episode of Changing Zero 05

「がっかりですよ。高橋涼太君。紺野あすかさん。これほどまで手ごたえの無い相手だとは思いませんでした。ドラゴンズ日本支部のメンバーは全員この程度なのですか?あの男を除いて。」その言葉は涼太の神経を逆撫でした。

「言ってくれるじゃねえか。なら、これでどうだ!」涼太は右手を高々と挙げた。彼の右手の三十センチ上のあたりに彼の『雷』のエネルギーが集まっていく。

「ほう…最後まで見る価値はありそうですね。」レンギスは笑った。

「ライトニング・ブラスター!」涼太が作り出した電気の球はとてつもない速さでレンギスへと向かった。それはレンギスのところで大爆発を起こし、白煙に取り巻かれてレンギスの姿は見えなくなった。

「少しは効いたか…」涼太の声がだんだんと自信なさげになっていった。白煙が少しずつ消えていくにつれてレンギスの姿が見えてくる…はずだった。そこには誰もいなかった。

「虚仮威しでしたね。あの程度の威力で私に傷を負わせようと思うとは何と愚かな…」涼太は辺りを見回したが声の主であるレンギスは見当たらない。

「私が舐められているのですかね。それとも、あなたは余程の馬鹿なのですか?」涼太がレンギスの位置を悟った時にはもう遅かった。レンギスは涼太の背中を殴りつけた。前に倒れる涼太。人の限界を超えたスピードで前に回り込み、レンギスは腹部に蹴りを入れる。涼太はそのまま意識を失い、地面に倒れ込んだ。

「止めは刺さないでおきましょうか。若い人間の成長を見るのも一興ですからね。」

「それでは、私はこれで。」

「ま、ま…て…」あすかは立ち上がろうとした。だが、彼女のダメージは深刻で、立ち上がることすらままならない状態だった。

「あなたに何が出来るというのですか?ここで油を売っている暇は無いのですよ。」レンギスは気味の悪い微笑みを浮かべながら言った。

「じゃあ、俺たちが相手したるやん?」空中から突如手裏剣がレンギスに向かって投擲された。レンギスはそれを躱した。

「背中があいとるで?」レンギスの後ろから振り下ろされた棍。普通の人間であればまともに食らって倒れるであろうところを持ち前のスピードでカバーしたレンギス。

「誰ですか?あなたたちは。人の勝負に横槍を入れるとはなんと厚かましい。」レンギスは服についた埃を払い落としながら言った。

「あすかと涼太が倒されたんやから勝負は一旦終わってるんちゃうん?そこで俺たちが新たにあんたに勝負しかけたんやで。横槍入れた訳ちゃうわ。」棍を持った青年はそう言った。

「そういえばあんたに名乗ってなかったなあ。俺は谷中飛隆や。『陰の警告者』の一人や。」

「そして俺は…」声の主が飛隆の横に現れた。

「神谷雅翔という者だ。同じく『陰の警告者』の一人だ。」

「これはこれは、第三勢力まで出てきましたか。申し遅れました。私はレンギス・ゼロ。チェンジ・ゼロを付与した張本人でございます。」

「ほう…あんたが巷で話題のゼロか。人間の限界を超えたスピードが出せるらしいやん。」

「それは高橋涼太君と紺野あすかさんにしか言っていませんが?」

「俺の能力は『忍』だ。些細な忍術を使って盗聴していた。」

「で、ついさっきここに到着したのですね?」

「そうだ。」

「それに、人間の限界を超えたスピードを出せるのは俺も同じ。どちらが上か、証明しようではないか。」それを聞くとレンギスは笑った。

「確かに、ドラゴンズのみなさんも陰の警告者のあなたたちも人間の限界を超えた力を発揮できるので、一見私たちと同じようですね。ですが…私たちの場合は格が違います。」

レンギスは一気に間合いを詰め、雅翔に手刀を浴びせようとした。だが、手刀は空を切った。雅翔はレンギスの後ろに回り、右手で短刀を構え、切りかかった。斬撃を躱すレンギス。しかし、彼の背後にはもう一人の青年が。

「もらった!」飛隆は棍でレンギスの背中を殴りつけた。さすがに不意打ちだった為、彼は避けることが出来ず、背中に普通の人間であれば骨の何本かは折れるであろう打撃を食らった。

「ぐっ…」レンギスは耐えきれず、その場に跪いた。

「二対一では分が悪いですね。私はここで退かせて頂きます。」レンギスは少し苦しげな声で言った。

「はぁ?逃げるとか承知せえへんぞ!」

「やめておけ。」雅翔が飛隆を止めた。

「あいつは無闇に突っかかって勝てる相手じゃない。相当な能力者だ。こちらも一旦退こう。」雅翔が言い終える前にとレンギスは消えていた。

「さて…と、この二人は何処へ運ぼうか。」

「恭介ん家でいいんちゃう?」

「負傷者を連れ込んでも邪魔になるだけだ。とりあえずドラゴンズのアジトに送り届けることにするか。」

「でも、俺ら入られへんやろ?」

「仕方ない…恭介を呼ぶか。」

「そやな。」雅翔は恭介に電話をかけた。

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