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Episode of Changing Zero 03

「瞬間移動…無事成功っと!」恭介と紗弥香は都立天乃原高校の校庭に降り立った。幸い、誰も自分達の瞬間移動に気づかなかったようだ。

「クラス…どこだっけ?」紗弥香はカバンの中を漁り始めた。

「あっ、あった!ええと…一年E組だってさ!」紗弥香はカバンから取り出したプリントを見て言った。

「早く教室行かねえとな。」恭介がそう言うと二人は駆け出した。

一年E組にはもうほとんどの生徒が集まっていた。その中には恭介が見知った顔も沢山あった。迅野孝人、花原あやか、紺野あすか、高橋涼太、御崎奏。みんなドラゴンズ日本支部のメンバーだ。そして、偶然にも全員同じクラスなのだ。案の定、恭介が教室のドアを開けると声をかけられた。

「よお、恭介。」と孝人が。

「恭介くん、おはよう。同じクラスだね。」とあやかが。

「学校でもよろしく…」とあすかが。

「うおおおおおおおお!恭介も同じクラスか!よろしく頼むぜ!」とテンションがおかしい涼太が。

「…」奏は何も言わない。

紗弥香は半端ではない疎外感に浸っていた。みんな、恭介の知り合いだもんね…私がいることに誰も言及しないのは当たり前だよね…と思っていた。

「恭介、そこの女の子は知り合いか?」孝人は独特の低い声で言った。彼の声には人を魅了する力があると紗弥香は思った。

「そうだよ。こいつは佐奈川紗弥香。俺の幼なじみだ。」恭介は紗弥香の背中をバンバン叩きながら言った。

「痛ったい!ちょっとぐらい加減してよ!恭介!」

「あー悪ぃ悪ぃ。これでも十分加減してるんだぞ?」そう言って彼は笑った。

「純粋の少女…」奏はボソッと言った。

「ん?奏?何か言ったか?」恭介は訊いた。

「なんでもない。」奏はそう言うと教室を出て行った。

「なんだか…あの人怖い。」

「そうか?いつもあんな感じだぞ。別に紗弥香ちゃんが特別嫌われているわけじゃないと思うけどなあ。」涼太が言った。どうやら涼太は紗弥香のことを紗弥香ちゃんと呼ぶことにしたようだ。

「まぁ、あいつは『女王』だからなあ。」恭介が言った。

「『女王』?」紗弥香は首を傾げた。

「俺が『龍』の能力を使えるように、あいつは『女王』の能力を使えるんだ。因みに、孝人は『鷹』、あすかは『鋼』、あやかは『天馬』、涼太は『雷』の能力を使うことが出来るんだ。」

「それにあいつは根は気弱で優しい奴なんだ。だけど、それでは『女王』の能力は使えないって思ったんだろう。だからあいつはわざとああいう感じに振舞っているんだ。」

「そうなんだ…」紗弥香は俯いた。

「お前が落ち込む必要はねえよ。お前はお前らしく、俺と接する時と同じようにあいつにも振舞えばいいんだ。」恭介は笑った。

その後、担任が教室に入ってきて挨拶をし、挨拶が終わると皆で体育館へと向かった。体育館での式典も無事終了し、新入生は帰路についた。

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