Episode of Changing Zero 10
ジャックが席を外していた間にドラゴンズの他のメンバーも全員大広間に集結していた。
「おかえり、ジャック。」「おかえり!」とキュリアとネイランが言ったが、恭介を除く日本支部のメンバーは唖然としていた。
「どうしてここにいるんだ?」と孝人が。
「観光さ!観光!」
「お前ら普通に学校あるんじゃないのか?」
「そこは聞くなよ…」ジャックの声が小さくなっている。
「いいんだよ!ぼくはジャックと居れたら学校なんていらないんだもん!」ネイランはそう言ってジャックに抱きついた。
「…」一同は沈黙を選んだ。
「ちょ、おい!みんな引いてるじゃないか!」
「ネイランってボクっ娘だったんだな…」と恭介。
「見てて楽しいぜ俺は。」と孝人が。
「好きにすればいいじゃない…」と奏が。
「そ、そんなことはよくありません!」と顔を赤らめたあやかが。
「あぁ…お茶が美味しいわぁ…アメリカに持って帰りましょう。」とキュリアはいつの間にか用意していたお茶を飲んで言った。
「き、君たち…感想がバラバラだな…」
「だからさ!もっとやってもいいみたいだよ!」
「それは違う!そんなことは誰も…あれ?」ジャックはみんなの言葉を反芻してみた。「見てて楽しいぜ俺は。」って誰か言ってたよな…
恐る恐る当人の方を見ると彼はニッコリして親指を立てた。
「だってさ!もっとしよ?ジャック!!!!!」そう言ってネイランは来ていた服をはだけさせた。
「だめだぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!こんなところで一線を越えてしまったら僕は恭介たちに会わせる顔が無くなってしまうぅぅぅぅぅうううう!!!!!どうして僕は公開処刑されなきゃいけないんだぁぁぁぁぁあああああ!!!!」
「いいじゃん!とりあえずチューしよ?」
「何も良くねえぇぇぇぇぇええええ!!!!!!頼むからここでは何もするな!!!!寝室に行ってからにしてくれ!!!!!!!」
「えぇ〜」ネイランは頬を膨らませた。
「うっわ…寝室ではしてるのかよそんなこと…」と恭介が。
「…」と奏が。
「わわわわわ!!!だ、ダメですよ!寝室でも!!!!」あやかは異常に慌てている。
そして相変わらず孝人はニッコリして親指を立てている。
「あら…このお茶美味しい!ほうじ茶ですって!これは全部貰いましょう!」とキュリアも相変わらずお茶を嗜んでいる。
「それ…もはや窃盗だよな…?」恭介は言ったがキュリアは笑って誤魔化した。
「お前らちょっとぐらい俺たちのことを心配しろぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!!!!」叫びながら勢い良く扉を開けた男、涼太はジャックに掴みかかり顔をべしべし叩いた。
「てめえ、俺が意識失ってる間に可愛い女の子とイチャイチャしやがって!!!!!!!許さねえ!!!」
なおも涼太は手を止めようとしない。
「うっ…ぐふっ…ごほっ…」ジャックは涼太を止めようとするが疲れているのか身体が上手く使えていない。
「ジャックに何するのさ!!」ネイランは涼太を睨んだ。
「あぁ…?」涼太は凄い目つきでネイランを睨み返した。
「頼むよ…もう止めてくれ…俺は被害者なんだ…」
「まだ言うかてめえ!!!!!!」
涼太は勢い良くジャックの頬を叩こうとした。が…
「そろそろおふざけは終わりな?」涼太の手首はがっちりと孝人に掴まれていた。
「…わかったよ…」涼太はぶっきらぼうに言った。
「さて、それでは真剣にゼロの対策を講じるとするか!」恭介がその場を上手く取り仕切った。
「なら、僕が一つ重要なことを伝えよう。」
「なんだ?ジャック。」
「実は…ゼロの黒幕が使っているチェンジ・ゼロの基となる能力は『A』の能力だと判明したんだ。」
「『A』って何だ?」
「『A』というのは神界で今から一億五千万年前に起きた第四次神界大戦で賊軍となった神の系統の一つだ。
そして、『A』の現当主になっているA・アルカディナは第四次神界大戦以降神界で幽閉されている。だから、その時の残党が人間に能力を与えた可能性が高いんだ。もし、今後ゼロの黒幕がアルカディナを解放して人間界に降臨させれば、もう人間界で勝てる奴はいなくなる。奴の所持している「神の三槍」の一つ、聖槍ディバインでこの世界を滅ぼすことだって可能なんだ。」