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Diva mater

本編終了後を想定した話になります!ご注意ください!



















 生きるもの全てに、祝福を。


Diva mater(聖母)


 例の事件から丁度一ヶ月が経った。

 変わったことと言えば、少し前から家を離れて学園の森の中で住み始めたことぐらい。大きな変化はあまりなかった。

 別段、不自由はない。幸運なことに、僕の周りには説明すれば分かってくれる人たちばかりだったから。その人たちに、食材や、周りの状況なんかを聞いて自由気ままに過ごしていた。

 さみしいか、と聞かれたらそりゃあ少しは寂しいと思う。僕たちは、周りと時間の差ができてしまったから。でも、少し考えればさみしくはないと答えるだろう。そう、だって――

「……考え事か?冬華」

 ――陵さんがいるから……。


 ウッドデッキでのんびりと椅子に座って本を読む。最近では、前はあまり読まなかったような本でも読むようになった。それから、皆が買ってきた本とかも。皆には本当に感謝している。

 でも、今日は陽当たりがいい。本を読んでいる間に、眠くなってしまった。うつらうつらとしていると、ぱさり、と何かが僕の体にかけられた。薄い、毛布かな。

「おい、こんなところで寝てると風邪ひくぞ」

「……ひかないよー」

「もう寝そうだな。ほら、ベッドまで運んでやるから」

 そう言われると、ふわりと体が持ち上げられる。急に不安定になって、目の前の大きなものにしがみつくと、はは、と笑われた。

「冬華と、こんなことになるなんてな」

 ――あの日、永遠を誓った日。

 陵さんが、言い出さなければ僕はずっと孤独に生きていくんだろうと思い至る。陵さんには、感謝してもしきれないくらい恩があるとも言っていいだろう。

 それを、永遠をかけて返していくのだ。文字通りに。

「……大好きですよ、」

 ちゅっと頬に口付ける。相手は吃驚したように固まったが、数瞬して、僕の頬にキスを返してきた。

「俺も」

 愛してる。その言葉を聞いて、僕は本格的に眠りについた。


 ――永遠をかけて、君を愛す。

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