悲劇と伝説
人魚は人間よりも遥かに長生きで、それをローレライは知らなかった。自分が生きているならヴィンセントも生きていると思った。
それが悲劇だった。
「ヴィンセント?」
ローレライはある日、ライン川を上がる船に出会った。楽しそうに響く人間達の声。
その中にヴィンセントがいるかもしれないと思った。
既にあれから何十年も過ぎ、ヴィンセントが生きているはずもないと知らずに。
ローレライは『歌』った。
『歌』って船を沈めて、その中からヴィンセントを必死に探した。
その船にいなければ次の船。またいなければ次の船、と。
ローレライはヴィンセントを探して永遠に船を沈め続けた。
Diva saga -Lorerey- ende
こんにちは、奈月遥です。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
この作品は、少し古いものですね。なんとなく、懐かしくなって投稿してみました。
この作品はドイツのライン川で伝説となったローレライ伝説から発想を得ました。ただ怖いだけでなく、きっと理由があるんだろうな~と思って書きました。
もしよろしかったら、ご感想を書いてください。よろしくお願いします。