二人のクロネッカ
<ねえ、ラスティ。あなたって本何冊持ってるの?>
「え? そうだな……7000冊くらいかな?」
<なな?!……なんでそんなにあるの?>
「父が色々集めてたからね。禁書とかも」
<禁書って何?>
「ええと、公序良俗に照らし合わせて相応しくないと判断された本、かな?」
<え?……そんな本を持ってるの?>
「ああ」
<読んだことは?>
「……まあ、それなりに……」
<え?……公序良俗に反してるんだよね?>
「まあ、そうなんだけど。好奇心をそそられる内容ばかりだよ。禁書にしておくがもったいない」
<……あ、そう……>
「アーネも読んでみる?」
<……あ……いや……私はいいわ……>
「初歩的なものを見繕おうか?」
<……初歩?……>
「さすがに、思想的に刺激の強すぎるものもあるからね。後は、アーネにも分かりやすい方がいいかな」
<……刺激?!……私にも……分かりやすい?……>
「生き物とかの方がいいだろ?」
<生き物?!……一体どんな話なの?>
「そうだな……例えば……」
<いい! やっぱり聞きたくない!>
「何で?」
<何でって……そもそも何で薦めてるの? 禁書でしょ?>
「まあ、そうなんだけど……面白いからさ」
<私は面白くない!>
「え? 猿と人の話とか、凄いと思うけどな」
<え?……猿と……人が?……>
「そう。興味湧いた?」
<……ラスティ……>
「何?」
<……もう……忘れてるかも知れないけど……私、一応レディなの……>
「いや、忘れてないけど」
<レディにそういう話を薦めるの、例え従妹でも……どうかと思う>
「え? もうそんな時代じゃないだろ。女性でも知識を求めたって……」
<何の知識?!>
「……え?……」
<ごめん、帰る!>
「え……進化の話だったんだけど……」
全投稿小説のトータルPVが7000を超えましたので、感謝の気持ちを込めて、ラスティとアーネのあったかも知れない日常を描いてみました。お付き合いいただきありがとうございました。




