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はじめに
結婚したとき、
まさかこんな人生が待っているとは思ってもみませんでした。
夫とふたり、狭いアパートから始まった新婚生活。
お金はなかったけれど、気楽な日々で、
スーパーの安売りに一喜一憂しながら、
「これから二人で家族になっていくんだ」と、少し誇らしく思っていました。
数年後、『実家を継がないか』
――その一言をきっかけに、私たちの暮らしは静かに、しかし確実に変わっていきました。
同居、介護、育児、親戚との揉め事、借金問題、看取り、法事。
気がつけば私は、
娘で、孫で、母で、嫁で、介護もして、連絡役もこなし、後始末まで担い続け…
「なんで私ばっかり」と思いながらも、
最後はいつも、こう言い聞かせてきました。
――家族だから、仕方ない。
これは、実家を継いだ主婦が、
気づけばトラブルまでしっかり相続していた、
そんな20数年の記録です。
どこにでもありそうで、
でもできれば誰にも起きてほしくない話。
もし今、少し疲れている人がいるなら、
この話が、そっと寄り添えますように。




