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主人(マスター)と悪魔(メイド)の主従関係  作者: 睡蓮酒
第二章 ~吸血鬼とか、ドッペルゲンガーとか~
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後日談 其の二

ドッペルゲンガーたちとの決着がついてから二日後。


例のごとく屋上で拓真たちは昼食を摂っていた。


「なんつーか、何の捻りもない予想通りの展開だったよなあ」


「んー、まあいいんじゃないかな。ドッペルゲンガーはもう大丈夫なんだろう?」


今日の朝、げんなりした表情をした九尾からのお知らせは転校生がまた入ったというもので、その転校生とは「影山 まなび」こと昔の拓真の姿をしたドッペルゲンガーだった。


「ま、いいんだけどな……ほれ」


「……ん(もぐもぐ)」


「ロリコンめ」


「ロリコンじゃねえ」


「サリエルばかりずるいじゃないか」


そう、今回の戦いで最も重症を負ったのがサリエルであり、本人が身体を上手く動かせないと言い張るため、九尾戦の後椿が拓真にいろいろしてもらったのと同じくサリエルも拓真の手助けを受けていた。

サリエルは小学生のようなサイズなので椿の時とは違い拓真の膝に乗れているが。


「お前にも前やったろ」


「膝の上には乗ってなかったぞ」


「いや、お前を膝に乗せるのは無理だ。デカさ的に」


「むぅ……」


「……役得」


椿は不満そうに頬を膨らませ、

サリエルは表情に変化は無いものの幸せな勝ち組オーラを放出していた。


「…………儂も致命傷の一つでもくらっておけばよかったかのう」


「ん?ルシフ何か言ったか?」


「な、何でもないぞ?うむ」


「……拓真、おなかいっぱい」


「そうか、そりゃよかった」


「……いやらしいことがしたくなってきた」


「駄目だ」


「……淫らなことがしたくなってきた」


「同じだ」


「……多数決をとります。賛成の人」


「うわずりぃぞ!」


「ぜひともヤりたい」


「儂は、まあ、構わなくなくもないが……」


サリエルはもちろん挙手。

椿は目を輝かせながらピシッと手を上げ、

ルシフは顔を赤くしながら小さく手を上げた。


「……反対の人」


「はいはいはい!断固として反対!」


「……賛成多数でかけ―――」


「余も反対させてもらおう」


「僕も、よくわからないけど反対しておこうかな」


可決寸前、拓真に助け船を出したのはエクスピールと、ドッペルゲンガーだった。


「よう、エクスピールに……影山」


「やあ、またしても憎たらしいほど幸せな位置にいるよね、君は」


「うっせ…………影山」


「……何?」


「その姿はもうお前にやる。だから、なんだ……頑張れ」


「……うん」


「それで、何をしに来たのかな?私たちの絶好のチャンスを潰されて若干苛ついているから用が済んだらそこのフェンスから飛び降りて帰ってくれ。というか還ってくれ、土に」

「余はそこまでのことしたのかなあ!?……コホンッ、いやね、余たちがこれからもここにいることになったからとりあえず君たちには余たちのこれからの予定でも話しておこうかと思ってね」


「ふうん、で?」


「知っての通り余たちはこの学校に留まることになった。そして余たちはこの学校を卒業した後もここに留まらなければならないという制約をかけられたよ。なんでも影山を外に出すのはお偉いさんたちが良く思わないらしいからね。まあ余たちは全く構わないんだけど。そしてそんな影山をここに居させて大丈夫かと思うだろうけど、全く心配はないよ。定期的に余が影山の魔力を吸い出しているからね。これなら余も人間の魔力を吸わないで済む」


「へぇ、そうかそりゃよかった……で、椿は何ゆえ悶絶してんだ?」


見ると、椿が不気味に悶えていた。


「~~~っ……ふっ、エクスピールが影山から魔力を吸っている場面を想像しろ」


以下空想。
















「ゆくぞ……影山」


「……うん」


エクスピールがゆっくりと影山の首筋に口を近づける。

影山の身体は少し強ばっていた。


「肩の力を抜いて、楽にしていていいんだよ?」


「うん……いいよ」


エクスピールが影山の首筋に口をつけ、優しく魔力を吸い上げる。


「……あっ……」


影山の身体がピクッと微かに揺れ、息がそこはかとなく荒くなっている。

エクスピールはそんな影山に――――――




空想終了。










「BLだな」


「金髪×ショタだ」


「衆道じゃの」


「……ホモ」


「想像からの変態扱い止めてくれないかなあ!?」


「ねえ、BLって何の「君は知らなくていいことだよ!」………うん」















私たちは他人に近づくことはできても決して交われないし、接することも出来ないのだろう。

なぜなら私たちは一人一人が本物オリジナルだからだ。

でも、だからこそ、私たちは"繋がり"を創ろうとする。"繋がり"の糸を伸ばして、それを強固にしようとする。

そうして、私たちは互いに引き合って、惹きあって、強くなる。

……私はどこまで"彼"と"繋がれ"ているのだろうか?強くなれているだろうか?

いや……強くなる。絶対に、"彼"といっしょに――――

[とある日記の24ページより]


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