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主人(マスター)と悪魔(メイド)の主従関係  作者: 睡蓮酒
第二章 ~吸血鬼とか、ドッペルゲンガーとか~
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第28話 確定×昼休み=第二回対ドッペルゲンガーと何か戦線作戦会議

ついに更新できた……(^^;ゞ

エクスピールと遊園地に行った日の翌日。

拓真たちがいつも通り屋上で昼食を摂っていると、九尾がやって来て、いらだたしげに言う。

「おい、まだ解決しねぇのかぁ?あのナルシスト野郎にはアリバイできちまったしよぉ。振り出しに戻ったじゃねえか」


「アリバイ?何言ってんだ、エクスピールが犯人で確定だと俺は思ってるぞ」


すると拓真はコーヒー牛乳片手に九尾に振り返り、言った。

「あぁ?」

「不自然過ぎるだろ、俺たちがエクスピールといる間に不審者がまた出る。まるでエクスピールが犯人じゃないことを示してるように。なんてことがな」

「ちっ、確かにそうだが、だがな、……もしナルシスト野郎が不審者だってんなら、不審者は一人じゃあねえってことになんぞ」

「だろうな、これで一部の生徒だけ自分を見たっつーわけわからん現象にも説明がつく。犯人はドッペルゲンガーと精気を吸う何かの二人以上なんだろうな」

「はっ、なぁるほど。つまり今ナルシスト野郎は自分へのマークが外れたと思ってアホみてぇに浮かれてるわけか」

九尾が面白げに笑う。

「エクスピールは俺たちが普通じゃないと気づいてるはずだからな、俺が遊びに誘わなくてもいつかはあっちから誘ってきたと思うぜ。俺たちのマークを外すためにな」

「して主さまや、これからあやつをどうするつもりなのじゃ?」

「んー……よし」

拓真は暫し考えた後頷き、


「第二回対ドッペルゲンガーと何か戦線作戦会議を始めるか」


第二回作戦会議を始めてしまった。

「はい、つーわけでなんか意見ある人ー」

サリエルが挙手。

「…あいつを拷も――」

「却下。なんでお前エクスピールに対してはSなんだよ。はい他に意見ある人ー」

今度は椿。

「エクスピールを四六時中監視するというのはどうかな?」

「ん、でもそれは四六時中監視する俺たちが大変だし監視してるのを気づかれたらさらにやりにくくなるからなぁ……」

「ふむ、かといって見ていないとまた犠牲者が出る。どうしたものかのう……」

沈黙。


「はっ、あっちから来てもらやぁいいじゃねえか」


『?』

九尾が馬鹿にしたような笑いかたをしながら突然言ったことに、四人はとっさについていけなかった。

「……ああ、囮ね」

拓真が気づく。

「それなら感づかれることもねぇし、楽だろ」

「いい案だな。さすが、俺たちを騙して殺そうと画策してただけのことはあるな」

「ああもう悪かったつのあんなことして!」

拓真の皮肉に九尾はばつが悪そうに叫んだ。

「さて、そうと決まれば囮が必要なわけだが……」

拓真が周りを見渡す。

「俺たち四人は普通じゃないって気づかれてるから論外だし、今まで生徒が狙われているなかで教師の九尾が襲われるのかはわかんねえから九尾もアウト」

「まさか一般生徒に頼むわけにもいかないだろうしな」

早くも手詰まり。

九尾ですらいい方法が思いつかないようだ。

すると、

「……エクスピールはどうやって学校の生徒か否かを見分けているの?」

「学校の制服を着ているか否かで、であろう」サリエルが急に誰に向けてでもなく発した質問にルシフが答えた。

「……だったら、たとえ誰だろうと制服を着ていさえすればナルシスト野郎に襲われることになる」

「だからなんだっつーんだぁ?」

「……この学校の生徒である必要はない」

「それは、そうかもしれないな」

「……だったら私は知っている。私たちの事情をよく知っていて、制服を着ていても違和感がなくて、たいていのものになら襲われそうになろうが犯されそうになろうが大丈夫なやつを」

「犯されそうになろうがってお前……」

「で、誰なんだ?私には思いつかないのだが……そんなの本当にいるのか?」

そう、いるわけがないのだ。拓真たちの事情をよく知っていて、制服を着ていても違和感がなくて、たいていのものになら襲われそうになろうが犯されそうになろうが大丈夫な人など。



















「……稲荷初音」


『あ』

いた。


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