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主人(マスター)と悪魔(メイド)の主従関係  作者: 睡蓮酒
第二章 ~吸血鬼とか、ドッペルゲンガーとか~
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第25話 みんなで遊び×エクスピール=遊園地

日曜日。

子どもたちが急かして親の手を引っ張っていたり、カップルが手を繋いでイチャついていたり、園外からでも観覧車等の大きなアトラクションが見える場所。

遊園地。

その遊園地に来ているのは、

「遊園地だ」

拓真と、

「遊園地だな」

椿と、

「遊園地?じゃの」

遊園地が何なのかよく分かっていないルシフと、

「……遊園地?」

同じく遊園地とは何ぞや?なサリエルと、


「遊園地じゃないか!ははははは!」


エクスピールだった。

そんなわけで、拓真たちはエクスピールと遊園地に来ていた。

「いやぁ、まさか君から余を誘ってくれるとは思わなかったよ。君もやはり余と仲良くしたほうがいいと理解したのかな?」

「ああ、そうだな。多分」

肩をバシバシと叩いてくるエクスピールに目も向けないで拓真は生返事をする。

「そうかそうか、余も君のことがそこまで嫌いじゃなくなったよ」

「そりゃよかったよ。じゃ、今からはくじ引きで別れて行動な」

拓真は前もって作ってきたくじを引くように全員に促した。

その結果は、


グループA:拓真・ルシフ


グループB:椿・サリエル


帰宅:エクスピール


「待ちたまえ」

「なんだ?」

「君、やはり余のことが嫌いだろう」

「いいがかりだな、何を根拠に」

もちろん細工したのだが拓真はあくまでシラを切る。

「何故グループ分けに帰宅という項目があるんだい!?」

「冗談だ。お前は好きなグループに入っていいぞ」

「……ふっ、そういうことなら今までの冗談は許してやろうじゃないか。そうだね……綾乃桜さんがいることだしBグループに入れさせてもらおうかな」

「じゃあ椿、サリエル。エクスピールと仲良くな」

「はあ……なんで私がこれの世話を……」

「世話!?今世話って言わなかったかい!?」

「……まずは首輪を買いに行くべき」

「余は一体何にカテゴリされているのかな!?」

「……ちょっとこっち来い椿」

「?」

拓真が手招きして、椿を少し離れた所に連れてきた。

「言っとかなきゃなんねえことがある……ってそのキラキラした目を止めろ」

椿が目を輝かせて拓真にずいずいと迫る。

「告白か?求愛か?プロポーズか!?」

「違えよ、何でこの場面でプロポーズすんだよ、エクスピールのことだ」

椿が一転して落ち着いた。

「……分かっているよ。目を離すな、だろう?」

ちなみに、今エクスピールはサリエルにどこから調達してきたのかも分からない首輪を持って追いかけられているので、ぎゃいぎゃい言いながら逃走している真っ最中だ。

「……よく分かったな」

「そんなに気をつけていなくても、おそらくあっちが私たちの目から離れようとしないだろう」

「まあな、お前本当によく分かってんだな」

「ふふ、君の考えていることは明日の天気よりも簡単に分かるよ」

「ほう、だったら今俺が考えてることを当ててみろ」

「君は私の言ったことを否定しようとしている」

「……俺の負けだ。それはなしだろ」

ちなみに、これは肯定すればもちろん椿の言ったことが当たりなので椿の勝ち、否定しても拓真が否定すると椿が言ったので当たったことになりこれまた椿の勝ちという有名なとんちだ。

「まあそんな冗談は置いといて、だ……君はもう一つ目的があってここに来ただろう?」

「……………………………ねえよ………」

「ほう、ではエクスピールだけでなく私たちがくじ引きするときまで細工したのはどうしてなのかな?かな?」

椿が首をかしげる。

「なんだその口調」

拓真は平静を装っているが、内心は焦っていた。

「安心しろ、別に私は気にしていないよ」

「……」

「ただ、今度は私ともデートしてもらうぞ」

「あーもう、分かったよ。するよしますよさせていただきますよそしてすいませんでした!」

拓真が両手を上げて降参の格好をした。

「謝ることはないぞ?むしろ私はデートの約束ができて嬉しいかぎりだ」

「あーそうかい」

「だから、今日は彼女を楽しませてやるんだぞ?」

「言われなくても」

「じゃあ、行こうか」

「ああ」

こうして、拓真と椿はルシフたちのいる元の場所に戻っていった。



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