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主人(マスター)と悪魔(メイド)の主従関係  作者: 睡蓮酒
第二章 ~吸血鬼とか、ドッペルゲンガーとか~
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第23話 転校生×ナルシスト=エクスピール・アンブライト

サブタイの様式変えました。

章ごとに替えるつもりです。

「転校生を紹介します」

九尾(教師モード)が朝教室に入ってくるなり始めに言ったのがそれだった。

「……おかしいだろ、どんだけうちのクラスに転校生来るんだよ」

「ふむ、その疑問に答えてやろう」

「……頼む」

「この学校の一年生の人数は390人で10クラスあったんだ。普通なら一つのクラスに39人ずつ入るところを、一組から40人ずつ入れたため、我らが十組は30人しかいなかった。つまりルシフとサリエルで二人増えたものの、転校生は自動的に十組に組み込まれるということだ」

「なんでそんなクラス割りをしてんだ……」

「理事長がそうさせたんだろうな、そっちの方が独創性があるから」

「……あのアホ理事長か」

「まあ、そんなわけだ、納得したなら私に求愛しろ」

椿はさあこいとでも言わんばかりに拓真に向き直った。

「しねえよ……あ、じゃあなんで天狗山妹はうちに来なかったんだ?」

「?何を言っているんだ、芙蓉さんは二年生だぞ」

「……あれがか?」

「見た目で判断するのは失礼だぞ」

「そんなことを言うってことはお前も見た目がアレだと思ってたってことじゃねえか」

「……そんなことはないぞ?うん、きっと」

椿は目を泳がせ、一筋汗をたらした。

「無理すんなよ、なんでお前こんなことにかつてないほど動揺してんだよ」

「とまあ冗談は置いといて、見た目でいうなら、天狗山妹よりアレなのがいるだろう?」

「いるな、俺の知る限り一人。小学生みたいなのが……!?」

後ろから殺気。

「…………………殺す」

サリエルが今にも鎌を取り出しそうな勢いで拓真に殺気を飛ばしていた。

「はいそこのラブラブなお二人さん、もう少し先生の話を聞いてくださいね?」

見かねた九尾がそんなことを言うと、クラスの生徒もそれに乗って囃し立てた。

「……聞いたか?これで私たちも晴れてクラス公認のカップルだ」

「俺が認めてねえのに公認になるってどういうことだよ」

「はいはい二人とも、そろそろ本当に静かにしてくださいね?じゃないと……」

九尾が二人の席まで歩いてきて、他の生徒に聞かれないように、

「殺すぞ?」

と素の九尾の目付きで脅してきた。

『ハイ、スミマセンデシタ』

拓真と椿は声をあわせて謝り、九尾はため息をついてから教卓に戻って、

「それじゃあ入って来てください」

とドアの向こうにいる人物に声をかけた。

ガラッという音がするドアを開き、入ってきたのは長身で少しやせぎみでイケメンといえるくらいの顔立ちをした男だった。

主に女子からざわざわと話し声が聞こえる。

「エクスピール・アンブライト君です」

「……」

九尾が名前を紹介したが、エクスピール・アンブライト自身は話さない。

「簡単に自己紹介をよろしくね」

九尾が話を振ると、しばらくしてから口を開き、


「やあ愚民ども、余が今日からこのクラスの王となるエクスピール・アンブライトだ!高貴なる余の下僕となることを光栄に思うといいよ!」


笑顔でそんなことをクラス全員に向けて言った。

『……』

クラス全体がシーンとなった。

少しして先ほどとは違うざわめきでクラスが満たされる。

「……また面白い輩がきたのう」

「……あれは面白くない、ウザいだけ」

「見ろよ、九尾が素の目でウザそうに見てるぞ」

「まあまあ、きっと世間を知らないおぼっちゃまなんだろう、そう哀れむような目で見てやるな」

「そう言ってるお前の目がなんかもう生ゴミを見る目なのは気のせいか?」

そんなことを四人でひそひそと話していると、

「ん?……ふむ」

エクスピールが何かに気がついたように椿の前まで歩いてきた。

「?何かな」

「君なかなかに美しいね、世界で最も素晴らしい余の彼女にならないかい?」

「すまないが私には婚約者がいるんでな、他を当たってはどうかな、なあ私の婚約者?」

「俺に話しかけるな、心当たりがない」

「そうかい、ではそこの銀髪の美女、君はどうかな?」

「儂には身も心もその他いろいろ捧げた主人がおるから無理じゃ、というか嫌じゃ、のう儂の身も心もその他いろいろ捧げた主人?」

「まてルシフ、何故わざわざその他いろいろをつける?」

「……そこの白髪の少女は」

「……私には旦那がいるから無理。それに私はあなたが嫌い、ねえ旦那」

「君は一体なんなんだ!?」

「俺が聞きてえよ!婚約者いて身も心もその他いろいろ捧げられた主人で妻帯者って俺一体なんなんだよ!?」

エクスピールが拓真を指差すと、拓真も立ち上がって叫んだ。

「余は君のことが嫌いだ」

「奇遇だな、俺もお前と友達になれる気がしねえ」


「そうか?余はなれると思っているぞ?」


「は?」

拓真が拍子抜けしたようにエクスピールを見た。

「嫌いだからといって友達になれないことはないじゃないか」

「はあ……」

「というわけで余は君のことが嫌いだ。でもこれからよろしく頼むよ」

「……あ、ああ」

エクスピールは振り返って、

「君たちもだ!おそらく高貴なる余はいろいろ迷惑をかけるだろうが、よろしく頼むよ」

そんな言葉を明るい笑顔と共に振り撒いた。クラス全体がエクスピールって実はいいやつ?みたいな雰囲気になっていく。


「……悪いやつではないのかな」

「そうだな、根はいいんじゃないか?表面のナルシスト気味はともあれ」

「はぁ……これからも面倒なことになりそうだな」

拓真は昼休みまであとどれくらいなのかと時間を見ながらそんなことを呟いた。

なんかいいオチが見つかりませんでした……(~_~;)

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