幕間其の一
さあ、これからが物語の始まりですよ!
いままでのはちょっと長いプロローグみたいなもんなのです!
頑張りますので楽しんでいただけたら幸いです。
真夜中。
「はあ……はあっ……」
ぼろぼろになりながら息を切らして走る人影と、
「おいおい、逃げんなよぉ!」
それを楽しげに追う人影があった。
しかし、追う側がその気になったらしく、急にペースを上げて、ぼろぼろの人影の前に回り込んだ。
「くっ……!」
「ホント、逃げんのだけは速えよなぁ、まあ、追い付かれちまったんだがよ、なあ?」
「うるさい……!」
「まあ、いいかあ、そろそろ追いかけるのも面倒だと思ってたしぃ、死ぬかぁ?ぎゃはは!」
「せいっ!」
ぼろぼろの人影が、何かを嘲笑っている人影に向かって何かを投げた。
「あん?無駄なことしてんじゃねえよ!!」
そう言ってその何かを打ち払った。
すると、白い煙幕が発生し、視界を覆い尽くした。
「ああ?なんだぁ?」
しばらくして視界は晴れたが、片方の人影はもうすでにいなかった。
「チッ……めんどくせえなあ、最後にあんなもんを隠してやがったとは……うぜぇ……」
残った人影は、しばらく唸りながら立ち尽くしたあと、
「まあ……ゆっくり狩ればいいかぁ……なんか最近学校に変なやつらも入ってきたしぃ、あいつらも巻き込んでさあ……く、くくく、ぎゃはははははは……」
残った人影も、笑いながら夜の闇に消えていった。