15:割れた照明
「照明が割れたってどうやったらあんな風に割れるんだ?」
女子生徒の言葉に男子生徒が疑問を口にする。
割れている照明は生徒が座って本を読んだり、勉強をする机の上の天井にある一つだけ。
照明のガラスの破片は床に散らばり、いくつかのガラスの破片は無惨にも木製の机に突き刺さっている。
勢いよく割れないと机に刺さらないであろうガラスの破片に、リーリエは顔をこわばらせる。
「それは今から調べたら分かることよ。ほら、先生たちが来た。……それにしても、図書館に誰もいなかったのが幸いね。あの下で誰かが座っていたら最悪なことになっていたわ」
女子生徒の言葉に、リーリエは身体をビクッと震わせる。
あの席は私がいつも座っている席だ。
昨日もあの席で勉強をした。
今日は今朝の手紙の影響で他の図書館を使おうとしていたけれど、いつものようにこの図書館を使っていたら…………。
いつも使っていた机に突き刺さるガラスの破片を見て、リーリエは身体をブルリと震わせる。
「いくら勉強が嫌になったからって照明を割るような馬鹿はいないだろう」
「そうね。ただの事故よ。後のことは先生たちに任せて、私たちは行きましょう」
そう言って図書館を後にする二人の生徒とは違い、リーリエは真剣な顔で話す先生たちから目を離せないでいた。
『気を付けて』
手紙に書かれていたこの言葉がリーリエの頭にこびりついて離れない。




