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大日本帝国、アラスカを購入して無双する  作者: 雨宮 徹


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【大久保利通】嬉しいような寂しいような

 大久保利通は対メキシコ戦により得た賠償金の話をすべく、首相の執務室へ向かっていた。ドアをノックすると、ドアが開き向かい入れてくれた。首相代理が。そう、伊藤博文は病に倒れ、休養中なのだ。伊藤博文との関係はいいものではなかったが、大久保利通は少し寂しく感じた。



「それで、大久保よ。今回の戦争で得た賠償金はどれくらいだ?」



 資料を使って説明する。首相代理はペラペラっとまくると、「よろしい」と言った。これは分かっていないな、と大久保利通は思った。伊藤首相なら「これはどういうことだ!」だったり「もっと詳細なデータを持ってこい」などの指示があったに違いない。早く伊藤首相が復帰して欲しい。怒鳴られる日々が戻ってこようとも。そうでないとこの国はダメになってしまう。



「それで、メキシコ領アメリカをすべて我が国のものにしたが、何かめぼしいものは見つかったか?」



「いいえ、特には。アメリカの西部3分の1すべてが我が国のものになったのですから、これで十分かと」



「それもそうだな。報告ご苦労様」と首相代理。



 やはり、この男には国をまとめる求心力がない。大久保利通はこの結果には満足していなかった。アイダホ州のように金鉱とまではいかなくても、何か経済を潤すものが欲しかった。それは、大蔵省のトップとして当たり前の考えだった。



「そういえば、伊藤首相の病はコレラでしたね。最近流行ってますから、あなたもお気をつけください」と大久保。



「私まで倒れてはこの国は滅びてしまう。そうなるのとは避けねばならないからな」



 コレラ。下痢や嘔吐により脱水症状になる病気だ。早く措置を行えば死亡率は低いが、治るまで伊藤首相が指揮をとることはない。その時だった。大久保利通が妙案を思いついたのは。しかし、これは大蔵省の管轄ではない。しばらく迷っていると「なんでも言ってみろ」と首相代理。



「これはあくまで私個人の考えなのですが……」





結果、首相代理は大久保利通の案を採用することにした。これならいけると信じて。

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