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運命なんて知らない  作者: なかた
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今日は雪に会いに行く日だ。

話があるって言うけどなんの話をされるのだろう。

あの日は荷物だけ置いて帰ってしまったけどちゃんと話せば良かった。

本当は会いたかった。

側に居たかった。

でも、あまりにも唐突な雪の願いは俺には絶対叶えられないことでどうしてもいいか分からなかった。

血が繋がってないことが分かって、雪とずっと一緒にいれるかもしれない1%の希望があっさり消えてしまった。

少しでも喜んだ自分が馬鹿みたいだ。

沈んだ気持ちのまま、朝ご飯も食べず家を出た。

会いたいけど会いたくない。

そもそも、俺がこんな気持ちを抱かなければよかったんだ。

そんなことはきっと無理だっただろうけど。

過去の自分に言っても、きっと変わらないままだろう。

やっぱり雪に会いたい。

会って話を聞いてから、考えよう。

電車から降りて、病院まで歩く。

朝から雪が降っていて、歩くのが大変だ。

雪は嫌いじゃないけど、こんな日に降られるとちょっと困る。

受付を済ませ、面会カードを首に下げ雪の元に向かう。

いつ行くのか連絡をするのを忘れてた。

とりあえず、そろそろ着くと送信してなるべくゆっくり病室に行った。

あの日のようにドアを開いていない。

緊張しながら、ノックをする。

返事が来るのを待っていたけどいくら待ってもこない。

緊張してるからか時間が長く感じているのだろうか。

どんな顔をして会えばいいのか。

雪が番が欲しいと言った時どう返したらいいのか。

そんなことをぐるぐる考えていたけどあまりにも、長い時間を過ごした気がしてドアを開ける。

ベットの方を見ると寝ている雪がいた。

寝顔は穏やかで起こすのが申し訳ないくらいだ。

近くにあった椅子に座り、しばらく顔を眺めてたけど、何となく自分がキモいなって思ってやめた。

雪の胸元には貸した小説があった。

読みながら、寝てしまったのがすぐに分かった。

雪が誕生日にくれた小説。

主人公の親友の事故で失った記憶が一部蘇るところから始まる。

小さな違和感が大きくなり、事故じゃなくて事件だと気づく。

何も知らなかった自分を憎む主人公。

全てを理解して後悔する親友。

お互いに起きた出来事は対象的なのに、主人公と親友の気持ちは似ていて自分の気持ちをわかってくれるのは自分達だけ。

そんなように依存していく。

愛し合った人も、血の繋がった家族も全て捨てて二人で自分達を知ってる人がいないところに行くという終わりかた。

もし、雪と二人で何処かに行けるなら。

それは、自分にとって想像できないくらい幸せなんだろう。

雪と2人きりで誰も知らない街に行く。

非現実的で届かないのに手を伸ばしたくなるような夢だ。

雪が気づいてくれたら出来るかもな。

雪も同じ気持ちだったら良かったのに。

そんなこと絶対に無いって知った後だから辛い。

早く起きて、ちゃんと話を聞かせて。

そしたら、諦められるから。

雪と一緒にいることは諦めるから。

きっと気持ちは変わらないままだけど。






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