悪質な罠
前話少し改変しましたんで、そちらをお読みいただいた後、こちらを読んでいただくと、話の辻褄が合うかなぁ~と思います。
邪魔だった左腕を切断し、俺は向き直った。
もう魔力はない。もう体力はない、もう左腕はない。もう、勝機はほぼない。
そのほぼ……0.1でも、0.01でも、0.001でも、俺は、足掻いてやる。たとえ、それが無駄だったとしても、俺は___
足掻いてやる。
「うぉおおッ!」
猛然とゴブリンへ斬りかかる。ただ一本の刀、【絶刀“斬”】を構え、猪突猛進と言ってもいい、様で突っ込む。
「居合斬りッ!」
日本の古来から伝わる武術、居合。これは抜刀から、一撃を与え、その後大きく斬り下がり、敵の攻撃を避け、納刀し、また抜刀し、一撃を与える。
流石にゴブリンもこの動きを見たことがないようで、驚きながら、何箇所か負傷したようだ。
そして俺はそのままの流れるような手付きで納刀する。
そして気配を研ぎ澄ませ___
ゴブリンがこちらに向かってくるところに_
「回転抜刀斬りッ!」
大きく踏み込み、1回転して、其の際に、刀を円を描くように回す。
そして___
「月上げッ!」
1回切りつけ、斬り下がった後、高く高く飛び上がり、空高くまで行った後、
「うぉおおッ!」
雄叫びを上げながら、俺はゴブリンめがけて、
「垂直__抜刀斬りッ!!」
最大の威力を持つ、攻撃を放った。
【絶刀“斬”】は主の力を一心に受け、赤く、白く、刀身が光っていた。まるで、月と太陽を合わせたかのような。鋭い切れ味とともに、主の想いを、取り込み、力へ、糧へと変え、進化を遂げた。
【絶刀“果”】。
思いを、想いを、背負い、大切な誰かを守るために__力を尽くす果。絶刀の想いの果。最高の切れ味と攻撃力を持ち、果てしなき旅路も、果てしなき苦痛も、果てしなき想いも、全て、耐える、最高の相棒。
そして、この時、ある聖剣と力が重なった。
そう、エクスカリバーだ。
エクスカリバーもまた、力、想いを受け止め、大切な物のために力を振るう__俺に力を貸してくれる。
エクスカリバーの魔を滅するオーラが【絶刀“果”】に付与される。
そして【絶刀“果”】は空中で最大の攻撃力を纏い___
ゴブリンに会心の一撃を与えた!
「ぐぎゃぉおお!」
ゴブリンの叫びがきこえる。
そして、パタリと倒れる。
俺が油断なく剣を構えていると、ゴブリンから闇色の光が退散するように、虚空へ消えていった。かわりに、赫色の眩い、まるで__魂のようなものがゴブリンに吸い込まれていく。
すると、眩い光があたりを包んだ。反対側を見てみると、同じようにドラゴンやオークも同じ現象に包まれている。
そして__光が収まった。
「ッ!?な、な……ッ!?」
俺が光が収まってみたものは___
番外編も投稿しておきますんで。(多分)




