010 望まぬ再会
レイは自身の身分を保証してもらうためにハラルトのところに来ていた。
「――レイが客将で、部隊に入隊してくれる隊員をスカウトしていることは事実だよ。私が保証しよう。」
「すみませんハラルト様。お時間取らせてしまって。」
「構わないよ。レイの部隊の隊員第一号になるかもしれないんだろう?」
「はい!アルはとんでもない逸材です。ね?アル、本当だったろう?…………アル?」
「…………」
レイから呼びかけられてもアルは微動だにしない。
「固まってるみたいだね。」
あまりの衝撃の連続にアルの脳は処理限界を迎えていた。
「アル!アルーー!」
レイがアルの肩を揺さぶる。
「はっ!す、すみません。……あまりの衝撃に意識が飛んでいました。……レイ様、本当に本当なんですね。」
「うん、そうだよ。……それでアル、どうかな?」
「ね、願ってもないことですっ!是非とも私をレイ様の部隊に入隊させてください!!」
アルはレイに深く頭を下げた。
「やった!これからよろしくね、アル!」
「はい!こちらこそよろしくお願いいたします!」
アルとレイはかたく握手した。
「話はまとまったようだね。アル、レイのサポートをよろしく頼むよ。」
「は、はい!精一杯頑張らせていただきますっ!」
ハラルトにはまだまだ緊張を隠せていないアルだった。
――――――――――――――――
レイとアルは、ハラルトの部屋を出た足で訓練場に来ていた。
「じゃあ、大森林に行こうか。」
「何がじゃあなんですか!?」
レイの脈絡のない発言にアルは盛大に突っ込んだ。
「はははっ!冗談だよ冗談。ちゃんと説明してからね。」
「大森林に行くのは冗談じゃないんですか?」
「……え?」
「……え?」
レイとアルは噛み合わない会話に顔を見合わせた。
「……ごほん。とりあえず説明するね。僕たちの今後の予定についてなんだけど、午前中は街で部隊員のスカウト。午後は大森林で魔物討伐をやろうと思ってるんだ。」
「スカウトはいいですけど……本当に大森林に行くんですか?……大森林の魔物を倒せるほど私は強くありませんが……」
アルはレイが自身の能力を過大評価しているのではないかと感じ疑問を呈した。
「アルの能力はある程度把握してるから大丈夫だよ。その辺は追々説明するね。」
「私の能力を把握?……いえ、すみません。私はレイ様の部下。ご指示に従います。」
アルの疑問は深まるばかりだったが、自分はレイの部下になったのだと思い直し、レイの提案を聞くことにした。
「いやいや!形式的に部下にはなるけど意見はどんどん言ってね!僕も分からないことばかりだからさ。」
「かしこまりました。」
「ま、まあいいか。それで今日の予定なんだけど、アルにはレベルを上げてもらいたいんだ。」
アルの堅苦しい返事に、レイは慌てて空気を変えるように別の話題に移った。
「レベルを……ですか?」
「うん。僕も隊員の人たちに手伝ってもらって大森林でレベル上げしたんだ。今は森の周辺の魔物なら僕ひとりでも対応できるからアルのレベル上げをサポートできるよ!」
「……なるほど。わかりました。レイ様、よろしくお願いいたします!」
「任せて。それじゃ早速大森林へ行こう!」
――――――――――――――――
レイとアルは森に来ていた。
「最初はどの魔物がいいかなー。」
「レ、レ、レイ様!大森林をそんな散歩でもするようにっ!」
「大丈夫だよアル。言ったでしょ、この辺の魔物なら僕ひとりでも十分対応できるよ。」
怯えるアルにレイは安心させるように告げた。
「まあ僕も最初は怖がってたんだけどね。……お、来た。」
「「ギァッッ!!」」
レイが呟いて数秒後、木の上から魔物が3体やってきた。
「シュ、シュタルクアッフェ!?」
「アルはその場から動かないで!」
そう言ってレイは右手に炎、左手に風の魔法を現出させ2体の魔物に放つ。
1体は炎に焼き尽くされ、1体は風の刃によって頭と胴を分断された。
いずれの魔法も1撃で魔物の命を刈り取っていた。
「す、すごい……」
アルは目の前で起きた出来事に呆然としていた。
「麻痺針っ!」
レイがスキルの名前を口にすると、魔物は痺れたかのように動かなくなる。
「アル!魔物に魔法でこうげきするんだ!」
「は、はいっ!雷槍っ!」
アルはレイに言われた通り、魔物に雷槍を放った。
「ギッッ!」
雷槍はグサッと魔物に突き刺さるも致命傷には至っていない。
「倒すまで撃ち続けるんだ!」
「はい!雷槍っ!雷槍っ!」
3発目の雷槍を食らったところで魔物は息絶えた。
「よし、倒せたみたいだね。」
「はあ、はあ。……はい、ありがとうございます。」
アルは雷槍を連発した疲れによって肩で息をしていた。
「お疲れ様。この調子でガンガン魔物を倒していくよ!」
「……は、はい。」
レイの無慈悲な宣告にアルは絶望の表情を浮かべながらもなんとか返事を返した。
「……と、その前に。」
「……?」
レイはアルに鑑定を行った。
――――――――――――――――
【名 前】 アルフレート・ベッカー
【種 族】 ヒューマン
【レベル】 8
【体 力】 105 / 105
【魔 力】 42 / 227
【攻撃力】 90
【防御力】 65
【速 さ】 95
【知 力】 165
【スキル】
雷槍:Lv.1 瞬脚:Lv.1
――――――――――――――――
「よし、レベルが上がってるね。」
「……え?確かにレベルは上がりましたが、天の声は他の人には聞こえないはず……」
アルが不思議そうに呟く。
(レベルアップの通知は天の声って言われてるのか……)
「天の声が聞こえたわけじゃないよ。アルのステータスを鑑定したんだ。」
「……!?レイ様は高レベルの鑑定をお持ちなんですかっ!?……だから私が魔法を使えることもご存知だったのですね!さすがです!」
「ははっ。何がさすがなのか分からないけど……今日中にあと5レベルくらいはいけそうだね。」
アルの手放しの称賛に苦笑しつつ、今日上げるレベルの目標を立てる。
「っっ!?……1日でそこまで上げるのは流石に難しいのでは……」
「この森の魔物はそれだけ強いからね。油断せずにいこう。」
「は、はい!」
こうしてアルはレイのサポートを受けつつ魔物を次々と討伐していった。
――――――――――――――――
「お疲れ。今日はここまでにしよう。」
レイとアルは訓練場に戻ってきていた。
「あ……ありがとう……ございまし……た。」
「ははっ。初日の僕もそうだったよ。レベルが上がれば徐々に慣れていくから最初が頑張りどころだよ。」
「はい……頑張ります。」
アルの弱々しい返事にレイは苦笑した。
その時あることに思い至る。
「アルは今孤児院に住んでるんだっけ?」
「はい。12歳になるまでの期間は孤児院でお世話になるつもりです。」
「そうか……」
レイはあることに考えを巡らせる。
「アル、今日は解散にして、明日の朝またここに集合しよう。」
「え?は、はぁ……分かりました。」
レイのいきなりの提案にアルは疑問まじりに肯定の返事を返した。
「じゃあまた明日!」
アルの返答を聞くや否やレイは屋敷に向かって走って行った。
アルはそれを呆然とした表情で見送るのだった。
――――――――――――――――
「おはようございます。」
「おはよう、アル。」
次の日レイとアルは再び訓練場に集まっていた。
「これから部隊員のスカウトでしょうか?」
「その前に行きたいところがあるんだ。ついて来て。」
「……」
アルは不思議に思いながらも歩き出したレイの後について行った。
程なくしてレイとアルは街についた。
レイは、20人は住めそうな2階建ての大きな家の前で立ち止まり、アルの方を振り向いて告げた。
「アル、ここが今日から僕たちの家だよ。」
「……え?」
アルは、レイの突然の発言に脳の処理が追いつかなかった。
「昨日ハラルト様にお願いしたんだ。これから部隊員が増えていくたびに屋敷の部屋を使わせてもらうわけにもいかないから、街で家を借りてそこで部隊員と暮らせるようにね。」
「なるほど……それにしてもこの家大きすぎませんか?」
「僕の部隊は10人規模の予定だからね。それぞれのプライペートもあるし、これぐらい大きい方がいいかと思って。」
「月々のお家賃はどうされるのですか?」
「僕が全部払うよ。部隊長になるからってお給金が増えたんだけど、使い道がなくてさ。ちょうどよかったよ。」
「そ、そんな!レイ様にだけ支払っていただくなど!」
「気にしないで。アルにはその分訓練を頑張ってもらうことになるからさっ!」
にこっと笑いかけてくるレイの有無を言わせぬ笑顔が、アルには悪魔のように見えた。
「……分かりました。」
「分かればよろしい。じゃあ手が空いたら荷物をこの家に移動しておいて。部屋はどこ使ってもいいから。これ、この家の合鍵。」
そう言ってレイはアルに家の鍵を渡した。
「よし、家の紹介も済んだことだし部隊員のスカウトに行こう!」
レイとアルは新たな部隊員を探しに街に繰り出した。
――数時間後
「見つからないなあ。」
「私にはただ街を歩いていただけに見えましたが……レイ様は何を基準に探していらっしゃるのですか?」
「実はね、僕の鑑定はその人が得意なことを見抜く事ができるんだ。」
「っっ!!……辺境伯様が箝口令を敷かれた理由がわかりました。」
「それアルも言われたんだ。」
「はい、今朝屋敷で契約書にサインしたんですけど、その際に……」
「そっか。確かに有用な力だからね。この力でアルも鑑定したんだけど、アルの場合は雷魔法、隠密、算術、交渉に適性があってそれら全てがAランクなんだよね。もう結構な人数鑑定してるけど、アルの適性の多さとランクは別格だよ。」
「わ、私にそんな適性があったなんて……」
「だから今はアルの適性を基準にしてるんだけど……見直すべきかなあ。」
「でしたら冒険者ギルドにいくのはどうでしょう?高位冒険者の勧誘は難しいかもしれませんが、冒険者の卵の中には逸材が隠れているかもしれません。」
「それだっ!早速冒険者ギルドに行ってみよう。案内してくれる?」
「分かりました。こちらです。」
アルはレイを連れて冒険者ギルドへと歩き出した。
――――――――――――――――
「ここが冒険者ギルドです。」
レイとアルは冒険者ギルドの建物の前に来ていた。
「大きい建物だねー。」
「辺境伯領はガリア大森林以外にも魔物が多く発生しますし、他国への玄関口でもあるので魔物討伐や護衛の依頼が多いんです。なので、それらの依頼を管理する冒険者ギルドもそれだけ大規模なんですよ。」
「なるほどねー。」
レイはアルの説明に納得しながら冒険者ギルドの扉を開いた。
建物の中には酒場が併設されており、昼間から酒を飲んでいる者たちが大勢いた。
「これだけたくさんいたら、いい人材も見つかりそうだ。」
「お気をつけくださいレイ様。中には気性の荒い者たちもおりますので。」
「……そのようだね。」
レイはある一点を見つめてそうこぼした。
アルがレイの視線の先を追うと、そこには以前レイに言いがかりをつけて来たチンピラ3人組が酒を飲んでいた。
3人組がレイの存在に気付き、立ち上がってレイたちのいるところへ向かってくる。
「アル、冒険者ギルドでのいざこざってどう処理されるかわかる?」
「基本的にギルド内での争いには不干渉、というのが冒険者ギルドの基本方針です。」
「了解。」
レイとアルの話が終わる頃には3人組が手を伸ばせば触れられる距離に来ていた。
「よおクソガキ。俺を覚えてるか?」
「ええ、もちろん覚えていますよ。」
「そりゃ手間が省けてよかった。んじゃあさっさと出すもん出せや。」
3人組のボス、オラフがレイに向かって手のひらを上にして伸ばして来た。
「ここは冒険者ギルド内だからなあ。今度は衛兵も来ちゃくれないぜぇ。」
ガリガリのトーニがにやにやしながら暗にもう逃げられないぞと告げてくる。
「お前は運がいいんだぜ?金で命を買えるんだからな。」
小太りのウリはもはや諭しているかのような口調だった。
「ふんっ、ガキを殺しても何の得もねえからな。自分がひ弱なガキだったことに感謝しろよ?」
オラフはウリの話に便乗しながらも、レイを執拗にガキ呼ばわりしてくる。
「――あなたたちには感謝しているんですよ。」
「あ?」
レイの突然の言葉にオラフはイラつきまじりの疑問の声を発した。
「あなたたちのおかげで僕は素晴らしい仲間と出会えました。」
「何わけわからねえこと言って――」
トーニが何か言い募ろうと言葉を発するも……
「ですので」
トーニの発言がレイの強い語気によって制される。
「ここで手を引くのであれば見逃して差し上げます。」
ニコッと笑うレイに3人組はポカンとしてお互いに顔を見合わせた後、大笑いし始めた。
「がははは!!面白え冗談じゃねえか!おいお前らもういいぞ、教育してやれ。」
「「うっす」」
オラフの指示を受けてウリとトーニが1歩前に出て来た。
「……はあ、残念です。」
それを見てレイは目を瞑りながらため息を吐いた。
「おらあっ!」
目を瞑ったレイに対してウリが殴りかかってくる。
ぶんっ
レイが目を瞑ったまま拳を避けたため、ウリは大きくバランスを崩す。
レイが避けた先にはトーニがおり、スキルを放つ準備をしていた。
「風刃っ!」
トーニが放った風の刃は真っ直ぐレイの顔に向かっていく。
対するレイは迫りくる風の刃に焦ることもなく拳を突き出した。
すると――
バシュンッ
気の抜けるような音とともに風の刃が姿を消した。
「麻痺針」
「なっ!?がっっ!」
トーニは驚くまもなく動けなくなり、そのまま床に倒れた。
「クソがあっ!」
そこに体勢を立て直したウリがまたもや殴りかかって来た。
レイは今度は避けずにその拳を手のひらで受け止めた。
「グッ!くそっ!放しやがれ!」
ウリがもう片方の手で放った苦し紛れの拳もレイにつかまれてしまう。
「麻痺針」
「がっっ!」
ウリもトーニと同様に体の自由を奪われどさっと床に倒れ伏す。
「ほおぅ……。ちょっとはやるようじゃねえか。どうだ?今謝るなら俺の部下にしてやってもいいが。」
「ふふっ。面白い冗談ですね。」
先ほど発した自分の言葉をそのまま返されオラフは顔を真っ赤にして激怒した。
「上等だクソガキが!!ぶっ殺してやる!」
そう言ってオラフは自身の腰にぶら下げたククリナイフのような剣を抜いてレイに斬りかかって来た。
シュンッ
袈裟斬りされた剣を、レイは当然のようにかわす。
「ちっ!おらおらおらぁっ!!」
自身の攻撃が避けられたことに苛立ち、オラフは連続で剣を振るい始める。
シュンッ
シュンッ
シュンッ
そのことごとくをレイは危なげなくかわしていく。
「おいおい、ビビって避けることしかできねえのかあっ!?」
オラフは的外れな挑発を行う。
レイは敢えてその挑発に乗り、動きを止めた。
その様子を見てオラフはニヤリと笑い、渾身の一撃をレイに向かって振り下ろした。
「おらぁっ!」
ピタッ
「なっ!?」
剣を振り下ろした当人であるオラフは信じられない光景に思わず驚きの声を漏らした。
レイを両断するために振り下ろした剣が、レイの5指に挟まれてピクリとも動かなくなったのだ。
「俺は怪力スキルを持ってんだぞ!?どんなせこい手使いやがった!」
「せこいって……あなたにだけは言われたくありません、よっ!」
バリンッ
最後の言葉を言い切ると同時にレイは指に力をこめ、指に挟んでいた剣を砕いた。
オラフはパラパラと落ちる剣のかけらを眺めながら、呆けた声を発する。
「へっ?」
「どうします?まだやりますか?」
「あ、あ、う、うおぉぉぉぉっっっ!!!」
状況を認められないオラフは、訳もわからずレイに飛びかかった。
「麻痺針」
「がっっ!」
オラフは床に膝から崩れ落ちた。
「こんな結果になってしまって残念です。」
レイは哀れみの視線を3人組にむけた。
「ぐ、ががっ」
3人組は床に倒れたまま口も痺れて満足に動かせずにいた。
「アル、外に運ぶから手伝ってくれる?」
「はい。」
ひとりの少年が、中堅冒険者の中では良い意味でも悪い意味でも有名なオラフを、赤子の手でも捻るように行動不能に陥らせた。
周りで酒を飲んでいた冒険者たちはその光景をすぐには飲み込むことができず、場は静寂に包まれていた。
どさっ
3人をギルドの外に放り投げたレイとアルは、何事もなかったように話始める。
「時間使いすぎちゃったね。早く用件を済ませようか。」
「レイ様、受付はこちらです。」
周りは未だに静寂に包まれており、ふたりの少年がスタスタと受付に歩く足音のみが響いていた。
「すみません。」
レイが受付にいた女性に声をかける
「冒険者ギルドへようこそ。ご用件をお伺いします。」
受付の女性は流暢に定型の挨拶を返した。
周りの冒険者たちの反応も伺っていたアルは女性の対応に感心した。
こういう荒事には慣れているのかもしれない。
「戦力になる人材を探しているのですが、ギルドで冒険者の紹介はやっていますか?」
「はい、ご紹介は可能でございます。それでは冒険者カードをご提示いただけますでしょうか。」
「ふたりとも必要ですか?」
「いえ、代表者様お一人で問題ございません。」
「アル、よろしく。」
「わかりました。」
アルは自分の冒険者カードを受付に提出した。
「お預かりいたします。」
女性がアルの冒険者カードを白い石台におくと、ぽわっと薄い緑の光が点滅した。
「ありがとうございます。確認が完了いたしました。」
女性はアルに冒険者カードを返却した。
あの白い石台が冒険者カードの情報を読み取り、アルが冒険者であることを確認したのだろうかとレイが考えている内に女性が口を開いた。
「それではご紹介するにあたり条件をお聞かせいただきたいのですが、どのような人材をご希望でしょうか。」
「年齢は僕たちと同じくらい。ランクはFからDの間でお願いします。性別や役割は問いません。」
「……失礼ですがお二人の役割をお聞きしてもよろしいでしょうか?冒険者様への紹介する際に必要となりますので。」
「んー、そうだな。アルは魔法で遊撃するタイプで、僕は器用貧乏なのでどの役割でもある程度こなせると思います。」
レイの戦闘スタイルを間近で見ていたアルは、レイの器用貧乏という発言に激しく疑問を抱くもなんとか胸の奥に沈めた。
「承知いたしました。ご紹介する人数については如何いたしましょう。」
「多すぎても大変なので、最初は5人でお願いします。」
「かしこまりました。それでは紹介制度の注意点をご説明させていただきます。冒険者ギルドが条件に当てはまる冒険者様へ行う交渉の期間は1週間となります。料金は前払いでお支払いをお願いしておりますが、ご指定いただいた人数に至らなかった場合は、その人数分のみ返金対象となります。また、今回の契約成立後に条件の追加を行われますと追加の料金をいただくことになります。契約成立後のキャンセルについては返金の対象外となりますのでご注意ください。」
(お金がかかるのか。まあ当然だな。)
お金がかかることを今更ながら知るも、サービスの内容的にお金がかかることは納得ができた。
「わかりました。今回の条件ですとおいくらでしょうか。」
「銀貨5枚のお支払いとなります。」
「銀貨5枚ですね。……どうぞ。」
レイは懐から銀貨を5枚出して、受付に置いた。
「銀貨5枚確かに受領いたしました。このお支払いをもちまして契約を開始させていただきます。」
「また1週間後にここに来たら良いのでしょうか?」
「1週間後に来ていただくことも可能ですが、日時を指定していただいてその時ご紹介できる冒険者様とお話ししていただくことも可能でございます。」
「毎日でも大丈夫ですか?」
「可能でございます。毎日いらっしゃいますか?」
「はい、お願いします。今くらいの時間に伺わせていただきます。」
「かしこまりました。他にご質問がないようでしたら説明は以上となります。」
「わかりました。それでは本日はこれで失礼いたします。」
「承知いたしました。明日のこの時間にお待ちしております。」
「よろしくお願いします。」
レイは女性に一礼して受付を後にした。
その後ろをアルがついていく。
「ランクはFからDでよかったのですか?」
「うん。ランクが高い人だと現状に満足している人もいるだろうからね。勧誘しやすいのは低ランクの人たちかと思ってさ。」
「なるほど。値段的にも低ランクの方が安いでしょうしね。」
「紹介にお金がかかると思ってなくてびっくりしたよ。」
「申し訳ありません。紹介を利用したことがなく、お金がかかるものとは知りませんでした。」
「別に良いよ。あれくらいの金額なら問題ないからね。とにかく明日を楽しみに待ちながら……訓練しようか!!」
「……はい。」
レイの訓練の言葉に肩をガクッと落とすアルであった。
「面白い!」 「ワクワクする!」 「続きが気になる!」
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