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立つ  作者: ガクル
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起き上がれない

朝目が覚める。

 起き上がれない。

 生まれてこの中ハイハイを卒業して立ち上がってからこのかた、意識することなく出来ていたが、今起き上がれない。

 腰に力が入らない。

 いや入れられない。

 入れると激痛が走る。

 昨日の夜嫌な感じはした。

 だがいつもの健康法で寝れば治るで、特に何もすること無く寝てしまった結果がこれだ。

 ものの見事に悪化した。

 何もしなければいいが力を入れれば激痛が走る。

 ならこのまま治るまで寝たいところだが、膀胱がピンチだ。

 起き上がれなければ大惨事となる、この歳で。

 それは耐えがたい。

 かといって助けを呼ぼうにも、自慢じゃ無いがもてない私は独身だ。

 自力でどうにかするしか無い。

 考えろ。

 腰に力を入れないで立ち上がる技を編み出すしか無い。

 こうして世紀の発明が始まったのであった。


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