2
始まりはよくあるテンプレだったように思う。家のベットで寝てて、目がさめると目の前に神々しいいかにも神様って感じの女の人がってやつだ。
でもって第一声が「お願いします。世界、救ってくれませんか?」だ。
そりゃあ最初はこれは俺の願望が見せた夢かなって思ってもしょうがないだろ?
でも神様はめっちゃ丁寧に話してくれた。
「夢だと思うのも無理ないことだと思います。ですが一度説明を聞いていただませんか?もちろん話を聞いた後でも絶対に世界を救えなどとは言いませんし戻ることも可能です。」
ここまで言われて断れる日本人なんてそう多くないだろ?それに正直言ってちょっとワクワクもしてた。
だってこんな小説みたいなことそうそうないし、夢でも明日の学校での会話がふくらむしね。だから話を聞こうと思ったんだ。
「ありがとうございます。では、説明させていただきます。あなたに救っていただきたいのはーーー。」
説明を要約すると神様、アリストラル様が創造したアウルっていう世界が深刻なバグに侵されているからそれを救うお手伝いをして欲しいっていう話だった。なんでもそのバグはアリストラル様の力が変異してしまったもので、アウルの存在はもちろんアリストラル様でも排除することができないらしい。人の体でいうがん細胞のようなものだと言っていた。そしてそのバグにアウルの生物が感染すると暴走して死ぬまで暴れまくる悪徒化してしまうらしい。だからそのバグを修正するために、俺というアリストラル様に全く関係ない地球産生物をフィルターにして力をろ過して使いたいって話だった。
「ご協力していただけますか?こちらもサポートは当然行いますし、バグの修正が完了すれば責任を持ってあなたをこのまま起きられた時と同じ時間におかえしします。もし仮にアウルに残りたいと思っていただけるならサポートはそのまま寿命まで過ごしていただくことも可能です。」
「その、サポートというのは……」
「ああ、すいません。説明がまだでしたね。そちらの世界のことを少し勉強いたしまして、チートというものが該当すると思います。」
ここまで聞いて、俺も夢じゃないかなって思い始めた。だって俺の頭でこんな複雑な話を考えられるとは思わないし。それで命に直結するであろうサポートのことを詳しく聞こうと思ったんだ。まあチートって聞いてよくある魔法最強とかそういうのだろうって考えてた俺と違ってアリストラル様はぶっ飛んでた。