試合の行方ともうひとりの転生者
アルテナ高等学院の敷地内には大きな森があった。
森の中にはいくつかの広場が設けられており、生徒たちにとって憩いの場所となっている。しかし、季節も冬となり肌寒さを感じる今は滅多に人が立ち入ることは無い。
そんな森の中のとある開けた場所にイルムハートとセシリアの姿があった。イルムハートがここを試合の場所として指定したのだ。
「こんな場所で悪いね。見世物になるのはあまり好きじゃないいんだよ。」
騎士科の練習場では何かと人目を引いてしまうため、イルムハートはそれを避け敢えてこの人気の無い場所を選んだのである。
「いえ、別に場所などどこでも構いません。試合を受けて頂けただけで十分です。
それに……正直、私も好奇の目で見られるのは好きじゃありませんから。」
どうやらセシリアも不満は感じていないようだ。
彼女にしてみれば別段誰かに己の力を誇示するためイルムハートと試合するわけでもない。ただ自分自身が納得したいがために闘うのだ。場所などどこでもいいのだろう。
実を言うと、イルムハートにはもうひとつ別の思惑があった。
もし彼女がイルムハート同様に転生者であるならば、それに関しての会話を誰かに聞かれるわけにはいかない。
なので、今日のことはジェイク達にも話していなかった。あくまでもセシリアと2人きりの状況を作り出したかったのだ。
「そう言えば、騎士科の友人から話を聞いたよ。前の席次1位から変なことを言われたそうだね?」
「ご存じでしたか。」
「ああ、君が僕に試合を挑んで来た理由もそれで納得いったよ。
でも、あまり気にする必要は無いんじゃないかな。
君は十分な力を示して席次を手に入れたんだ。他人がどう言おうとその事実は変わらないんだからね。」
「そうですね。実を言うと、今は自分でもそう思っているんです。」
イルムハートの言葉にセシリアは少しだけ照れくさそうな表情を浮かべた。
「最初はあんなこと言われてちょっと悔しかったんですけど、考えてみれば世の中上には上があるのは当然ですよね。先輩を見た時にそれが解りました。この人は私より上なんだって、そう直感しました。
なので、もう気にするのは止めにしたんです。」
「それなら試合は中止にするかい?」
「いえ、試合はさせてください。」
既にセシリアは吹っ切れているようだが、それでも試合を止めるつもりはな無さそうだった。
「今はただ純粋に先輩と試合がしてみたいんです。
私は先輩を知りたい。その力、考え方、先輩のいろいろなことを知りたいんです。」
「何か、愛の告白でもされているような感じだね。」
イルムハートが冗談めかしてそう言うと、セシリアは自分の言葉を思い返し思わず顔を赤らめる。
「い、いえ、そう言う意味では無くてですね。あの、何と言うか、剣の指導的なアレなわけで、決して先輩とどうこうなりたいとか、そんなこと思っていない……こともないですが決してそうではなく……。」
急にあたふたし始めるセシリアを見て、イルムハートは思わず笑みをこぼした。
「悪かった。冗談だよ。」
「……先輩も人が悪いです。」
そう言って恨めしそうな顔をするセシリアの姿に、イルムハートは何やら不思議と落ち着いた気持ちになる自分を感じていた。
「ところで、それは特注なのかい?随分とめずらしい形だけど。」
イルムハートはセシリアが持つ摸擬剣を見てそう尋ねた。
確かに刀身自体は緩く湾曲したサーベル・タイプのものだったが、その柄は不自然に長かったのだ。
通常、サーベル・タイプは片手持ちが基本のため柄はそれほど長くない。しかし、セシリアの持つそれは両手持ちを前提としてあるようだった。あきらかに日本刀を意識しているものと思われる。
「はい、この持ち手の方が使い易いんです。
私、剣はほとんど自己流のため取り回しが皆さんとは多少異なるので、道具の方もちょっと違う物になってしまうんですよね。」
「なるほど。それにしても、自己流で席次1位にまで伸し上がれるなんて大したものだよ。」
イルムハートは素直に感心した。
自己流という事は特に誰かから剣を教わったわけでもないということだ。にもかかわらず彼女は騎士科の頂点にまで昇り詰めることが出来た。それは剣を学ぶ者にとって驚くべきことなのである。
イルムハートも今でこそ自分自身で技術を磨くことが出来てはいた。だが、初めは騎士団の面々に色々と稽古をつけてもらっていたし、それがあってこそ今の自分があるのだと言える。
なのに彼女は、まあ基本くらいは誰かに教わったかもしれないが、ほぼ全ての技術を自分で考え身に着けて来たわけだ。天才的な資質と言っても過言ではないだろう。
「さて、それじゃあ始めようか。」
そろそろ試合を始めようとイルムハートがそう声を掛けた。
「はい。」
それにセシリアが力強く応える。もはや先ほどまでのあどけない表情は無い。すっかり剣士の顔だ。
2人は互いに距離を取り、同時に剣を構える。それが試合開始の合図となった。
イルムハートの構えはいつも通り。右脇、腰より少し上の辺りで剣を立てた型である。
一方セシリアの構えは、これがまた変わっていた。頭の横まで剣を上げるのは一般的な構えと変わらないのだが、切っ先の向かう方向が大きく違っている。剣を横に寝かせ、先端を相手に向ける格好だ。
(時代劇あたりで良く出てくる構えだな。何と言ったかな……突撃の構え?)
正しくは霞の構えと言うらしいが、残念ながらイルムハートにはそこまでの知識は無かった。ただ、実戦においてはめずらしい構えであることだけは分かる。
この世界にも似たような構えがあるにはあるものの、剣の重量を利用して”叩き切る”方法が主流であるため突きや切り払いに主眼を置いたこの型は滅多に使われることが無い。正直、イルムハートも実際に使う人間を見るのはこれが初めてだった。
最初、2人は互いの出方を伺うかのごとく微動だにしなかったが、やがてセシリアが先に動いた。
セシリアは先ずイルムハートの肩口を狙って突きを放ってくる。この構えからすれば当然とも言えた。
イルムハートがその攻撃を弾き返すと、セシリアはそれも織り込み済みとばかりにすぐさま切り返し今度は脚を狙ってくる。そして、それが受け流されればまた切り返して腕を。
一撃一撃は決して軽くはないものの、かと言ってそれほど強いものでもなかった。だがこれは彼女が非力なのではなく、敢えてそうしているようにも思える。
受けられるのを前提として次の動作への切り替えがスムーズに行えるよう無駄な力を抜いているのだ。事実、流れるような彼女の攻撃は間断無くイルムハートを攻め続けた。
これは一撃で相手を倒すよりも、徐々に行動不能へと追い込んでゆくことを目的とした闘い方である。
正直なところ複数の敵や大型の魔獣相手には少々分の悪い戦法ではあるが、こと1対1の対人戦においては体力の消耗も少ない実に効率的な方法と言えた。
まあ彼女ほどの剣士なら、例え多勢の敵や大型魔獣相手でもその時々の効果的な闘い方をしてくるのであろうが。
(これは思っていた以上だな。)
セシリアの闘いはイルムハートをいたく感心させた。
技術的にはところどころまだ粗削りな部分もあるが、その戦闘センスと剣の取り回しには目を見張るものがあった。そして、何よりも”速い”。
彼女の最大の武器は、その動きの素早さと言ってもいいだろう。体の動きも剣速も並みの剣士など比べ物にならない程に速い。その上で繰り出される連続攻撃はイルムハートを大いに手こずらせた。
だが、残念ながら彼女の攻撃がイルムハートに当たることは無い。それどころか追い詰められているように見えるイルムハートには実はまだ余裕があった。
セシリアもそれに気が付いているようである。徐々にではあるが焦りの表情が浮かび始めた。
今は押し込んでいるように見えても、攻撃が通用しないのであればやがてジリ貧になってゆくのは目に見えている。
それを悟ったのだろう。セシリアはいったん攻撃を止めると後ろへと下がり、そして何故か剣を鞘に納めた。
その行動にはイルムハートも驚きを隠せなかった。
別に模擬剣に鞘があること自体は珍しい事でもない。抜刀・納刀も広い意味では訓練のひとつなのだから。
だが、試合の最中に剣を納めると言うのはどう考えても普通ではないだろう。彼女の表情からは到底勝負を諦めたようには見えない。ならばその行動の意図は何か?
(……居合?)
やや低めに腰を落とし右手を軽く剣に添えるセシリアの姿を見て、イルムハートはそれが居合の構えではないかと気付く。
これは明らかに元の世界、日本のものだ。この世界の抜刀術とは全く異なる構えなのである。
(けど、何故いまそれを?)
イルムハートは当然の疑問を抱く。
極論を言えば居合は不意打ちの技だとイルムハートは思っている。相手より早く剣を抜き切りつけること、それを極めた技術だとそう考えていた。
逆に既に剣を抜き構えている相手に対しては、鞘から剣を抜く動作が必要となる分むしろ不利とも言えた。
これが並みの相手ならその時点でイルムハートは興覚めしたであろう。あまりにも見た目先行の愚かな行為だからだ。
しかし、相手はセシリアである。何かこちらの予測を越えた戦法を取って来るに違いない。
そんなイルムハートの読みが当たる。セシリアの姿が消えたのだ。
勿論、実際に消えたわけではない。ただ、消えたかと思わせるほどに早く動き、あっという間にイルムハートの間合いの更にその内側へと入り込んで来た。
これは正に居合の間合いだった。
あまりにも接近し過ぎてイルムハートは上手く剣を取り回せない。だが、セシリアにとってはむしろ最適な距離だ。
もらった!とセシリアは思ったに違いない。それほど完璧にイルムハートの隙を突いた……ように見えた。
しかしイルムハートは今まさに引く抜かれんとするセシリアの剣の柄頭に左手を当て、その動きを遮る。それでは剣を抜くことが出来ない。
そんなイルムハートの意図を瞬時に悟ったセシリアは更に腰を深く沈み込ませる。それにより剣の柄はイルムハートの手から離れ自由となり引き抜くことが可能となった。
だが一歩遅く、その前にイルムハートの剣がセシリアの首元へピタリと当てられてしまう。
「……参りました。」
意外にもサッパリとした声でセシリアが降参する。
「やっぱり先輩はすごいです。」
そう言って笑うセシリアの表情はどこか満足げでもあった。
「良い勝負だったよ。特に最後の飛び込みは凄かったね。あれをもう一度喰らったら次は防げるかどうか分からないくらいだ。」
イルムハートはそう評価したが当のセシリアはゆっくりと首を横に振る。
「いえ、先輩にはもう通用しないと思います。所詮は一見殺しの技ですから、来ると分かっている相手には効かないでしょう。」
どうやら自分では先ほどの技を奇策であると考えているようだった。
「そうでもないさ。あれだけのスピードで飛び込まれては、例え分かっていてもそう簡単に対応出来ものでもないよ。」
実際、イルムハートもある程度は警戒していたものの、それでも接近を許してしまった。思考加速という反則技がなければ危うかったかもしれない。
要は例え一見殺しの奇策であろうと極めれば必殺の技にもなり得るということなのだろう。
「ありがとうございます!」
イルムハートに褒められてセシリアは笑顔を浮かべた。それは先ほどまでの真剣な表情とは打って変わった、少女らしく愛らしい実に良い笑顔だった。
「さて、君の希望も叶えたことだし、今度は僕の要望も聞いてもらえるかな?」
試合も終わり、ひと息ついたところでイルムハートは本題に入った。
「先輩の要望?」
「そう、僕も君のことをいろいろ知りたいんだ。」
「せ、せ、先輩が、私のことを!?」
その言葉に何を思ったか、セシリアは頬を染め「そんな、先輩のほうから求めてくるなんて」と呟き身悶えし始める。
「んー、何か勘違いしているようだけど、多分そう言う意味ではないと思うよ。」
「え゛?」
イルムハートの台詞に不思議な発音の言葉を返しながらセシリアは真顔に戻った。
「なんだ、違うんですか……。」
そしてそのすぐ後にはひどく落胆した表情になる。
(ずいぶんとコロコロ表情の変わる娘だな。)
イルムハートとしては何か不思議な生き物でも見ているかのような感じだった。
「それじゃあ、何を聞きたいのですか?」
「君は……異世界、日本からの転生者なんだろ?」
イルムハートの言葉にセシリアは驚きの表情のまま固まってしまう。それから何か言おうと口を開きかけたが、結局それも声にはならない。そしてしばらく何かを考えていた後、観念したように言った。
「胡麻化しても無駄みたいですね。そうです、先輩のおっしゃる通り私は元日本人の転生者です。」
「やっぱりそうか。」
「でも、どうして分かったんですか?ひょっとして、まさか先輩も……。」
「そう、僕も転生者なんだ。」
セシリアの表情がまた驚きで固まる。しかし、今度のそれは先ほどと違い、どこか嬉しそうでもあった。
「そうだったんですか!私の他にも転生者がいたんですね!」
おそらく彼女は自分がこの世界の異物なのではないかという漠然とした不安を感じていたに違いない。この世界と元の世界、その半分ずつの魂を持つ自分は果たして何者と言えるのか?ついそんな疑問が頭をよぎってしまうことがある。イルムハートの場合はそうだった。そして、それは彼女も同じはずだ。
そんな中、同じ境遇の仲間と出会えたのだ。さぞかし心強く感じことだろう。
「それで先ず確認したいんだけど、君は前世の自分自身について記憶があるのかい?」
イルムハートの場合、前世の一般的な知識は持っていたが自分自身についての記憶は無い。転生の際に消失したのだ。
しかし、セシリアは違った。
「はい、もちろんです。前世での名前は秋川美紅、東京でJKやってました。」
「そう、東京で……。」
イルムハートはそうセシリアの言葉に合槌を打ったものの、これには特に意味は無い。ただ何気なく口からこぼれ出ただけだった。
しかしセシリアはそれを別の意味に捉えたようで、気まずそうな表情を浮かべ急に声のトーンを落とした。
「……すいません、嘘つきました。ホントは埼〇です。」
別にどうでも良いことのようにも思えるが、どうも彼女の中で場所の違いは大きな意味を持つらしい。
「まあそれはともかくとして、それじゃ死んだ時のことは覚えているかい?
僕はどうやら神の引き起こした”事故”で死んだらしいんだけど、君はどうなんだい?」
「あ、私もそうみたいです。でも、その時のことは良く覚えていないんですよ。
学校からの帰りにひとりで歩いていたら急に辺りが光に包まれて、眩しいなと思ってる内に意識が遠くなり……気付いたら死んじゃってました。」
自分の死を随分と明るく語るものである。これにはイルムハートもつい苦笑してしまった。
「そうか、分からないか。」
「先輩はどうなんです?”死んだらしい”ということはやっぱり先輩も同じような感じだったんですか?」
「いや、僕の場合はそもそも自分自身に関する記憶が無いんだ。だから、どんな状況で死んだのかも覚えていないんだよ。」
「えっ!?何でですか?”事故”のせいで記憶喪失になったとかですか?」
「そういうわけじゃないんだけど……。」
イルムハートは自分に自らの記憶が無い理由をセシリアに話して聞かせた。
「なるほど、下手に前世の記憶があるとこっちの世界でストレスを感じてしまうかもしれないということですか……。」
「君はどうなんだい?ホームシックになったり違和感を感じたりはしないのかい?」
心配げにそう問い掛けるイルムハートだったが、セシリアはあまりピンと来ていないようである。
「んー、記憶が蘇った時にはもうこっちの生活に慣れてしまっていましたから、特別ストレスを感じるようなことはないですね。
日本の家族や友人に関しても、まあ時々懐かしく思う事はありますがホームシックとは違うと思います。今の私にとっての”家族”はこの世界の母や祖父母ですから、寂しくなることは無いです。」
「言われてみれば、そうかもしれないな。」
確かに、元の世界の人間がそのままやって来たのであれば文化や生活の違いに大きなストレスを感じることになるだろうが、イルムハート達の場合はこの世界で産まれ育ったのだ。例え前世の記憶が戻ったとしても、既に慣れ親しんだ世界に違和感を感じるとは思えない。
では何故、一体何のためにイルムハートの記憶は消されたのか?
(やっぱり何か企んでたのかな?)
イルムハートの脳裏に神々の最高位に立つとある存在の姿が浮かぶ。敬意を払うべき存在であり、またそれだけの力を有していることも十分理解している。だが、失礼ながらどうにもうさん臭さを感じずにはいられない存在でもあった。
「ところで君は転生の際に神様と会ったのかい?」
「はい、合いました。ユピトさんという、中々イケメンのおじさまでした。」
イルムハートが会ったユピトはまだ30歳くらいのように見えたが、元JKにかかればただの”おじさま”になってしまうようだ。
「他には?」
「いえ、ユピトさんだけです。」
どうやらセシリアの転生にはユピトのみで最高位の存在は関わっていないようだった。イルムハートの疑念は増々深まってゆく。
「それで、何か話した?」
「そですね、輪廻システムの話とか”恩寵”の話とか。」
「で、受けたの?”恩寵”を?」
「はい、”剣聖”という”恩寵”をもらいました。」
なるほど、とイルムハートは思った。セシリアの剣に関する類まれな才能はどうやら”恩寵”のおかげのようだ。
「先輩はどんな”恩寵”をもらったんですか?やはり”剣聖”ですか?」
「いや、僕は何ももらっていない。”恩寵”は断ったんだ。」
「えっ!?そうなんですか?じゃあどうして”恩寵”ももらっていないのにそんなに強いんですか?なんか……それって反則ですよ。」
セシリアは恨めしそうな目でイルムハートを見る。
まあ、その気持ちも解らないではないが、イルムハートにしてみれば不本意極まりない台詞だった。こっちがその理由を知りたいくらいなのだ。
(彼女と僕、一体何が違うんだろう?)
勿論、差異自体は明白である。
イルムハートには個人の記憶が無いがセシリアにはある。また、彼女は最高神と会っていないが自分は対面している。そして何よりも”恩寵”を持っているセシリアより持たないはずのイルムハートの方が何故か強い。
これらの違いはハッキリしているのだが、問題は何故そうなのかという事。セシリアとイルムハートの転生では何がどう違ってこの差が生まれたのか?
イルムハートには自分が普通の子供ではないという自覚はある。しかし、それは転生者であるがためのことなのだと考えていた。
だがセシリアの話を聞くに、もしかすると転生者としても”普通”ではないのではないか?そんな疑問が浮かぶ。
(最高神……やっぱり何かやらかしてくれたんじゃないのか?)
常々抱いていた疑惑がさらに深まってゆく。とは言え、それを確かめる術も無い。
途方に暮れるイルムハートだったが、今は不公平だとやさぐれつつあるセシリアを何とかするのが先だった。
訓練してる期間が長いせいだとか教えてくれた人間が優秀だったからだとか、どうにかセシリアをなだめようとする。
その結果、彼女にも訓練を付けてやるという約束を強引に結ばされてしまうイルムハートなのであった。