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セシリアとフランセスカ Ⅰ

 5月。

 もうじき5年生の卒業式を迎えようとしているバーハイム王国アルテナ高等学院。

 その構内にある武闘場では2人の男女が剣の試合を行っており、今まさにそれが終わったところだった。

 2人とはセシリアと4年生の男子生徒である。

 男子生徒は騎士科の席次で第4位。4年生でこの席次は中々のものと言える。

 上位1位から3位までは全員5年生であるため、来年は席次第1位となることが約束された立場だ。

 その彼は現在席次1位のセシリアに最後の席次戦を挑み……そして、敗れ去ったのである。

 尤も、端から勝てると思って挑んだ闘いではなかった。

 何せ相手は2年生の時からずっと1位の座を守り続けて来た天才なのだ。

 今までにも何度か剣を交え、その度に実力の違いを見せつけられて来たのである。

 では何故今更席次戦を望んだのかと言えば、それは純粋に憧れからのものだった。

 自分の知る中で最高の、おそらく剣術講師よりも強いであろう先輩と最後にもう一度剣を交わしておきたかったのだ。

 なので、負けてもその表情には一片の悔いも無く、むしろ満足の笑みで満ちていた。

「相変わらずお強いですね、先輩。

 全く歯がたちませんでした。」

 試合後の礼を交わした後、男子生徒は流れる汗を拭いながらそうセシリアに声を掛ける。

 一方、セシリアの方はと言えばほとんど汗もかかず涼しい顔をしていた。

「先輩として後輩に変なところは見せられませんからね。

 でも、貴方だって随分腕を上げたじゃない。

 席次4位なんて大したものよ。」

「それもこれも先輩のお陰です。

 先輩と言う目標があったからこそ頑張って来れたんです。」

 セシリアの言葉に男子生徒は思わず頬を赤らめる。それはもう恋する者の表情であった。

 実際、彼はセシリアに対し憧れと共に淡い恋心も抱いていた。

 イルムハートと言う完璧過ぎる婚約者の前では彼などライバルにすらならないだろうが、それでも想うのは自由だろう。

 そう考えているのは彼だけではない。彼と同じ想いを抱き続けている男子生徒は多かった。

 大人の女性へと変貌しつつあるセシリアはそれほどに美しく魅力的な存在となっていたのである。

 尤も、当の本人は一切それに気付いていない。

 何しろ彼女の目にはイルムハートしか映っていないのだから。


「お疲れ。

 可愛い後輩の相手はどうだった?」

 手合せの後、更衣室で着替えていると同級生のジネット・ルバーフが顔を出しセシリアに声を掛けて来た。

「中々良い試合だったわよ。

 対戦する度に腕が上がってゆくのを感じるわ、彼。」

「それは憧れの先輩相手なら気合も出るってものでしょ。」

 そう言ってジネットは意味ありげな笑みを浮かべた。

 だが、それに気付く様子が無いセシリアを見て軽く肩をすくめる。

「ホント、セシリアってばアードレー先輩以外の男子は目に入らないのね。」

「えっ?何言ってるの?

 そんなの当たり前でしょ?

 師匠以上の男性なんているわけないんだから。」

「はいはい、どうもご馳走様。」

 こうもあからさまにのろ気られたのではジネットとしてもそれ以上茶化す気など失せてしまう。

「それにしても、卒業を目の前にしての席次戦なんてよくやるわよね。

 尤も、貴女なら負ける心配なんか無いでしょうけど。」

 騎士科には卒業間近であれば席次戦を申し込まれても拒否出来るという暗黙のルールがあった。

 実力主義の観点から言えばあまり褒められたことではないかもしれないが、後々も経歴として残る以上はその順位を下げることなく卒業したいと思うのも心情的に解らないではない。

 以前はセシリアもそんな慣習を快く思っていなかった。

 しかし、いざ卒業を目の前にして周りの友人たちのことを考えた時、必ずしも悪い事だとは言えないのかもしれないと思うのだった。

「まあ、私はもう衛士隊への入隊は決まってるし、近衛に行くにはそこでの実績が全てだからね。今更席次にこだわるつもりはないもの。」

 セシリアの希望は近衛の隊員になることだ。それは幼い頃から変わらなかった。

 だが、王家の身辺警護を担当する近衛隊は残念ながら新人を採用することはまず無い。

 城の衛兵の中でも王宮警護が担当であるエリート集団・衛士隊、そこで実力を認められ初めて近衛へと上がる資格を得るのである。

 道筋としては遠回りになるが、やんごとなき方々をお護りする役目なのだからそれも仕方いことだろう。

 そして、セシリアは夢への第一歩として衛士隊への入隊を既に決めていた。

 ちなみに近衛隊と騎士団、どちらも王家の警護を行うための隊ではあるがその違いはひと言で言うと城の中と外のどちらを担当するか、である。

 城内において常に王とその家族の側で身辺を護るのが近衛隊、城の外で主とその一行を護るのが騎士団と言った具合だ。

 勿論、外出時に身辺警護として騎士団と共に近衛が付き従うことも珍しくはないが、おおよそそんな感じだと思ってもらえば良い。

「近衛隊か……だいぶ狭き門らしいけどセシリアなら大丈夫でしょう。

 何せ”100年にひとりの天才”だもの。」

「学院200年の歴史の中で7人、しかもこの30年の間で3人目の、だけどね。」

 ジネットの言葉にセシリアは苦笑交じりでそう応える。

 それは称賛の言葉であることは間違いないのだろうが、こうも乱発されるとむしろからかわれているような気にもなってしまうのだ。

「それに、そんなのはあくまでも学院の中だけの話。

 外の世界にも凄い人はいるもの。」

 そんなセシリアの言葉にジネットは友人と同じくイルムハートの婚約者であるひとりの女性を思い浮かべた。

「フランセスカさんのことね。」

 ジネットは以前セシリアに連れられて王国騎士団の本部を訪れたことがある。

 その際、最早騎士団内では顔パスで自由に歩き回るセシリアにも驚かされたが、何よりも彼女とフランセスカの模擬試合を見て度肝を抜かれたのだった。

 当然、ジネットもフランセスカが若くして小隊長の地位にある優秀な騎士であることは知っていた。だが、あれほどの強さとは思ってもいなかったのだ。

 既に学院の剣術講師すら圧倒するほどの実力を持ったセシリアでも3本に1本取るのが精一杯と言う状態なのである。

 アルテナ学院を出たわけでもなく見習いからの叩き上げにも拘わらずそれだけの実力を持った人間がいることに、ジネットは世界の広さを思い知らされた気分だった。

「そう、フランセスカさん。

 正直言うとね、最初は2・3年もすれば追いつけるだろうと考えてたんだけど完全に甘かったわ。

 いくらこっちが頑張って腕を磨いても向こうは更にその上を行くんだもの。

 もう、あの強さは反則レベルよ。」

 さすがに「恩寵ギフトも貰っていないはずなのに」とまでは口にしなかったものの、不平たらたらといった感じである。

「でも、それは仕方ないんじゃない?

 現役の騎士団員なんだから強いのも当然よ。

 しかも、あの人は騎士団長に継ぐ実力者って言われてるんでしょ?」

「それはそれ、これはこれ。

 私はね、とにかくあの人に追いつきたいの。」

 どうやら勝ち負けより実力の差が中々縮まないことに不満を抱いているらしく、セシリアはそう言ってぷくりと頬を膨らませた。こういうところはまだまだ子供っぽい。

 そんなセシリアの表情に笑いを堪えながらジネットは何かを思い出したように口を開く。

「そう言えば、忘れるところだったわ。

 貴女に伝えるようにって先生から頼まれていたのよ。

 学科長のところに顔を出すように、ですって。」

「学科長のところに?何かしら?」

「さあ、そこまでは聞いてないけど……何か仕出かしたんじゃないの?」

「ちょっと、人聞きの悪い事言わないでよ。」

 そうからかわれ思わず唇を尖らせるセシリア。

 それを見たジネットはついに堪え切れず声を上げ笑ってしまったのだった。


 セシリア・ハント・ゼビア。

 ゼビア騎士爵メリッサを母に持つ彼女が近衛への入隊を目指すには理由があった。それは、近衛になるのが亡き父の夢でもあったからである。

 そう、彼女は幼い頃に父を亡くしているのだ。

 セシリアの父親もまた衛士を務めていたものの、彼女が物心つく前に王宮で起きたとある”事故”によってその命を落としてしまった。

 それがどんな”事故”だったのかは一切知らされることはなかった。おそらく何か隠さねばまらない理由があったのだろうが、勿論それに言及することが許されるはずもない。

 ただ、父親が身を呈してやんごとなき方をお守りしその命を救ったのだと言うことだけは伝えられた。

 その後、功績を認められた父親には騎士爵位が授けられることになったのだが、残念ながらその時既に当の本人はこの世にいない。

 そこで、代わりに母メリッサが爵位を受けることとなったのである。

 別にこれは特段異例な話というわけでもなかった。

 戦場で功績を上げた者に騎士爵が授けられることは多々あるものの、同時に当人が戦死していまっている場合も珍しくはないのだ。

 そして、その場合は代わりとして配偶者に対し爵位を授けることも既に慣例化していたのである。

 但し、代理として叙爵出来るのはあくまで配偶者のみであり、子供にその権利は無い。

 これは騎士爵位が一代限りのもので子への継承が認められていないという理由によるものだった。

「お父様はとても素晴らしい方だったのですよ。」

 そんな話を母から聞かされたセシリアは次第に父と同じ夢を抱くようになる。近衛への入隊だ。

 そしてそれは6歳の誕生日を過ぎた頃、前世の記憶を取り戻したことにより現実味を増すことになった。自分が”剣聖”の恩寵ギフト持ちである事を思い出したのである。

 その日以降、彼女はひたすら剣の腕を磨き始めた。

 最初こそ剣術道場で基本を教わりはしたもののすぐに子供向けの訓練内容では飽き足らなくなり自己流で修練を積み、その甲斐あってアルテナ高等学院へ入学することが出来たのだった。

 そこでセシリアはイルムハートとの運命的な出会いを果たす。

 己の力を遥かに上回る実力を持ち、しかもセシリアと同じ異世界・日本からの転生者である少年。

 先ず最初は腕前に、そしてその人柄に惚れ込んだセシリアは半ば強引に彼の弟子となった。

 その後、イルムハートに訓練をつけてもらうようになったセシリアの実力は驚くべき成長を遂げ、今では学院の剣術講師すら彼女の相手にならない程だ。

 今の自分なら一般騎士団員とすら互角以上に闘える。セシリアは別に慢心でも何でもなく客観的に自分をそう評価していたし、実際それだけの力を持っていた。

 しかし、どうしても彼女には追いつけない。

 フランセスカ・ヴィトリア。

 騎士団で小隊長を務めるほどなのだから強いのは当然だろう。

 だが、訓練を重ね腕を上げてゆけば確実にその差も埋まるはずだった。何しろセシリアは”剣聖”の恩寵ギフト持ちなのだから。

 なのに全くそれが実感出来ないのである。

 セシリアが腕を上げればその分フランセスカも強くなってゆく。

 傍から見れば互いの切磋琢磨による当然の結果にも見えるだろうが、セシリアからすればそれは驚き以外の何ものでもない。

 ひょっとしたらフランセスカも恩寵ギフトを持っているのではないか?

 思わずそう疑ってしまう程に。

 しかも、最近はイルムハートと同じような普通の闘気を超える”闘気”すら使ってくるのである。

「ホント、反則よね。フランセスカさんって……。」

 それを思い出す度、ついそんな愚痴めいた言葉を呟いてしまうセシリアだった。


 呼び出しを受け騎士科学科長の元を訪れたセシリアは秘書に連れられ部屋へと入る。

 するとそこには学科長の他に30代後半と思われる見知らぬ男性がひとり立っていた。

 いや、正確に言えば全く見たことも無い相手と言う訳では無い。

「貴方は……。」

 自分の顔を見てそう呟くセシリアに男性は不思議そうな表情を浮かべた。

「私の顔がどうかしたかね?」

「えーと、確か先程闘技場で私達の試合をご覧になっていらっしゃいましたよね?」

 席次第1位が行う席次戦と言うことで闘技場にはかなりのギャラリーが詰めかけていた。

 とは言え部外者がそれに混じることは稀である。なので、印象に残っていたのだ。

 すると、それを聞いた男性は少し驚いたような顔をした。

「ほう、あの中で私に気がついていたのかね?

 目立たぬ場所で見ていたつもりだったのだが。」

「ええ、まあ……。」

 男性の言葉にセシリアは少しだけ微妙な表情で笑みを返す。

『闘っている最中でも周りに対する注意は決して怠らないように』

 イルムハートとフランセスカから散々そう叩きこまれた過去が思わず脳裏を過ぎったのだ。

 そんなセシリアへ学科長が声を掛けて来る。

「ハント君、君に来てもらったのは他でもない。

 この方が君と話したいとおっしゃっていてね。」

 そして、その学科長の言葉を受け男性はセシリアに笑顔を向けこう名乗った。

「一応、お初にお目にかかると言っておこうか。

 私はカミロ・テラサス・グレナート。

 王国近衛隊の隊長をしている。」

「えっ!?」

 その名を聞いたセシリアは思わず固まってしまう。

 何故、こんなところに近衛の隊長が?と言う驚きで頭が真っ白になってしまったのだ。

 だが、それも一瞬の事。すぐさま姿勢を但し武官の礼を取る。

「た、大変失礼致しました。

 私はセシリア・ハント・ゼビアと申します。

 お会いできて光栄です。」

「そう固くなる必要はない。

 まあ、座り給え。」

 セシリアの慌てぶりにカミロは少しだけ苦笑気味に笑うと腰を下ろすよう言って来た。

 その勧めに従いセシリアはカミロと共にソファへ腰を下ろしたが、学科長はデスクから動かない。

 どうやらセシリアとカミロ、2人だけの話ということのようだ。

「先ず最初に確認しておきたいのだが、君は近衛への入隊を希望していると聞いた。

 今でもその意思に変わりはないかね?」

 余計な雑談を抜きにして、カミロはいきなり本題に入って来た。

「はい、いずれは近衛に加えて頂けるよう、先ずは衛士隊へ入隊することになりました。」

「そうか。

 実は近々近衛うちに欠員が出来ることになってね。一線から退く者がいるのだよ。

 そこで、その後任に君をと考えているのだがどうだろうか?」

「へっ!?」

 カミロのあまりにも意外過ぎる言葉にセシリアは思わず間抜けな声を上げてしまう。

 癖がうつったのかそれとも生来のものか判らないが、この辺り不意を疲れた時の反応の仕方は婚約者であるイルムハートにそっくりだった。

「わ、私が近衛にですか?

 しかし、近衛隊では新規卒業者を採用していないと聞いていましたが?」

「別にそう言う決まりがあるわけではない。単に実力の伴わない者を入れるわけにはいかないと言うだけのことだ。

 その点、君なら問題ないだろう。先ほどその実力は見させてもらった。

 しかも、あの観客の中から私を認識出来ていたことで思っていた以上に優秀だと分かったからね。

 私としては是非君に来て欲しいと思っているのだがどうだろう、君にその意思はあるかな?」

「勿論です!こんな光栄なことはありません!」

 思わず身を乗り出して嬉しそうにそう応えるセシリア。

 しかしその後、何故か急に表情が翳り始める。

「どうかしたのかね?」

 あまりの急激な変貌にそう尋ねるカミロに対し、セシリアは俯き加減で言いづらそうに口を開いた。

「大変失礼な質問であることは重々承知の上で敢えてお伺いさせていただきますが……それには、もしかしたら私がアードレー家子息の婚約者であることも関係しているのでしょうか?」

 義父ウイルバートが身内びいきのために権力を濫用すような人間でないことは十分解かってはいる。しかし、周囲の人間が彼に忖度しルールを捻じ曲げることも決して無いとは言えないだろう。

 辺境伯にして国の最重要貴族”十候”であるウイルバートはそれだけの影響力を持つ立場にあるのだ。

「……その件については全く関係無いとも言えないだろう。」

 少し間を置いて返って来たカミロの返答にセシリアはがっくりと肩を落とした。

 セシリアにもプライドはある。近衛には実力で入隊してこそ意味があるのだ。コネで拾ってもらおうとは思ってなどいない。

 なのに、この現実はあまりにも辛すぎる。

 そんな風に意気消沈するセシリアに対し、カミロは穏やかな声で話し掛けた。

「ただ、それはあくまでも人物照会においてのみであって入隊の決め手となるものではない。」

「人物照会?」

「そう、我々の任務は国王御一家をよりお側近くにてお護りすることだ。そのため強さだけでなくそれに相応しい人物かどうかも重要になる。

 対象者は思想や経歴、過去の言動や周囲の評価も含めあらゆる面が調査されるのだ。

 その点、君はあの辺境伯にご子息の婚約者として相応しい人物だと認められたわけだからね。十分合格と言えるだろう。

 だが、それはあくまでもスタート地点に立てたと言うだけのことであって、そこから先はあくまでも実力で評価される。

 例えどんな高貴な家柄の者であろうと実力の伴わない者は決して近衛となることは出来ないのだ。

 だから君は誇って良いのだよ。

 己自身の力で近衛の一員に選らばれたことをね。」

 カミロのその言葉にセシリアの表情が晴れ、満面の笑みへと変わった。

「ありがとうございます!

 若輩の身では御座いますが近衛の一員として精一杯頑張らせていただきます!」

 喜びで満ち溢れたセシリアの顔を見てカミロは優し気な笑みを浮かべる。

「父上の遺志を継ぎ、立派な近衛になってくれたまえ。」

 それを聞いたセシリアはハッとして思わずカミロを見つめた。

「父をご存知なのですか?」

「勿論だ、近衛の中に君の父上の名を知らない者はいない。

 ここで詳しい事を言う訳にはいかないが、もし彼の働きが無ければこの国は大変なことになるところだった。それだけのことを成してくれたのだよ、君の父上は。

 我々はこの先もずっと敬意と感謝を忘れはしないだろう。」

「そうなんですか……。

 それを聞いて、父もきっと喜んでいると思います。」

 セシリアの目にうっすらと涙が浮かぶ。

 正直、父のことは顔も良く覚えていないが母の話は正しくそして自分が近衛を目指して来たのは間違いではなかったのだと改めてそう感じた。

 帰ったら真っ先にカミロの言葉を伝えてあげよう。

 堪えきれず涙が一筋頬を流れた事にも気づかず、セシリアは喜ぶ母の顔を心の中で思い描いていた。

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