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世界の繋がりと意外な再会

 年も明けて既に2月も終わろうとしていた。

 そんな中、イルムハート達は内海沿岸諸国のひとつであるサウワズ王国の港町バンデルへと辿り着く。

 サウワズまでの途中の山々を越える旅は予想していたよりも厄介な旅となってしまった。

 だがそれは、見慣れぬ魔獣に苦しめられたからと言うわけでもない。

 悪天候や山崩れなどにより足止めを喰らったり、そこを根城とする盗賊団と遭遇したりと、むしろ魔獣以外の原因でいろいろ苦労させられてしまうことになったのである。

「すごい!これが海なのね!」

 バンデルの街を見下ろせる丘から遠くに広がる内海を眺め、ライラは思わず声を上げた。

「デカいなんてもんじゃないぞ、これ。

 向こう岸が全然見えやしない。」

 隣ではジェイクがそう言いながら目を凝らす。

 ジェイクも多少は遠視の魔法が使えるのだが、それでも対岸は影も形も見えなかった。

「まあ、それはそうでしょう。」

 そんなジェイクの反応を見てケビンが苦笑気味に口を開く。

「何せここからアルテナの王城を見ようとしているようなものですからね。

 例えどんなに高度の遠視魔法が使えたとしても、こればかりは無理な話ですよ。」

「海ってスゲーな。ホントにスゲーよ。」

 その語彙力はともかくとして、ジェイクが心から感動していることだけは皆に伝わった。

 これだけ喜んでもらえれば、わざわざ遠回りして内海を見に来た甲斐もあると言うものだ。

「じゃあ、そろそろ街へ入ろうか。

 その”スゲー”海と言うヤツを間近で見るためにね。」

 そう言ってイルムハート達はバンデルの街の入り口を目指すのだった。


 バンデルはサウワズ王国内でも1、2を争う大きな港で、主に内陸国向けの貿易拠点として栄えている街である。

 そして、その交易相手には魔族大陸の国々も含まれていた。

 そのため、街には魔族の姿も多く見かける。

 バーハイム王国も魔族国家との交流を持ち、ある程度人の行き来もあったが、それでもはやり魔族はまだまだ稀有な存在だった。

 王都のような大きな街でさえ滅多に見かけることは無い。

 だが、ここバンデルではそこかしこに、しかもバーハイム王国ではお目に掛かれないような部族の者までいた。

 お陰でジェイクのテンションは上がりっぱなりである。

「おお、何かいろんな魔族がいっぱいいるな。

 ありゃ何だ?背中に翼が生えてるぞ?

 あっちのヤツは随分とデカいな。それに、角まで生えてやがる。」

「あそのこの翼を持っているのは竜翼族と呼ばれる部族で、今は服で見えませんが全身がドラゴンのような鱗で覆われているんだそうです。

 で、向こうは赤角族。頑丈な身体とこめかみから生えた赤い大きな角が特徴ですね。」

 そして、それにいちいち答えてやるケビン。何だかんだ言っても仲の良い2人なのである。

「へー、随分と詳しいんだな、お前。」

「学院では魔族に関する授業もあったはずですよ?受けていないんですか?

 よくもまあそれで「魔族大陸にも行ってみたい」なんてことを言えましたね。

 一体どういう神経してるんでしょうかね。」

 尤も、突っ込む時は容赦なく突っ込むのだが、それもまた仲の良い証拠に違いない。……多分。

 そんな2人が交わす会話を聞きながら、ふとイルムハートは以前セシリアと魔族の話をした時のことを思い出していた。


 あれはまだ出会って間もない頃のこと。

 剣の稽古の後、いろいろと話をしている内にいつしか魔族のことが話題となった。

「魔族と言えば、真っ先に思い浮かぶのはやっぱりゴブリンとオークですよね。」

「ゴブリン?オーク?」

「知らないんですか?

 緑色の小さな鬼のような魔族と豚の顔をした魔族です。」

「その名前は前世の記憶にある。でも、こっちの世界の魔族にそんな部族はないよ?

 確かに人族の子供くらいの身長しかない魔族もいるけど、緑じゃなくて灰色の肌だね。名前もゴブリンじゃなくて矮魔族と呼ばれている。

 それに、オークという部族もない。

 そもそも、顔が豚に似ているのが特徴と言うなら、それは魔族じゃなくて獣人族になるんじゃないか?」

 そんなイルムハートの言葉にセシリアは心底驚いたような顔をする。

「えっ?いないんですか?

 それなら、鬼みたいな角が生えてるオーガとか下半身が蛇のラミアとかは?」

「角が生えてる魔族は沢山いるが、一番有名なのは赤角族かな。魔力で角が真っ赤に染まっているんだ。

 あと、蛇のような尾を持つ部族はいても、さすがに下半身全てが蛇というのはいないな。いくら何でも、それじゃまともに生活出来ないだろ?

 魔族は魔獣と違う。僕達と同じように国や町を作り、そして同じように暮らしているんだ。

 なのに、わざわざそんな不便な姿になると思うかい?」

「まあ、それはそうなんですけど……。」

 それでも、まだ納得がいかない様子のセシリアだった。

「じゃあ、魔族が人間の女性を攫って子供を産ませたりとかは?」

「するわけないだろ。そんな話、どこで聞いたんだい?」

「ゲームやアニメとかで。」

「セシリア……。」

 セシリアの答えにイルムハートは思わず頭を抱える。

 そんなことだろうとは思ってはいたが、さすがに元の世界の創作物を基準にされては堪らない。

「ここはゲームの中の世界じゃないんだからそこは混同しないように。

 第一、人族と魔族との間に子供は出来ないんだよ。」

「そうなんですか?」

「今まで人族と魔族が結婚した例はいくつもあるけど、子供が生まれたと言う記録は無いんだ。

 まあ、魔族はその体内に魔核を持っているような生物だ、人族とはおそらくDNAからして違うんだろうね。」

「と言うことは、半人半魔という中二病心を掻き立てる存在も実際にはいないわけですか?

 何と言う残酷な真実。

 ああ、私の中の常識が崩れてゆく……。」

「だから、それは君だけの”常識”であって、この世界の常識ではないんだって。」

 大げさに天を仰ぐセシリアの仕草には思わずイルムハートも苦笑してしまった。

 すると、セシリアはふと真顔に戻りこんなことを言い出す。

「でもゴブリンやオークがいないのに、じゃあなんでエルフやドワーフはいるんですか?

 確かにアニメとは違ってエルフの耳は長くないし、ドワーフも背が低くて毛むくじゃらというわけではないですけど、それでも”エルフ”も”ドワーフ”もいますよね?

 それって何かおかしくないですか?不公平ですよね?」

 不公平かどうかは別として、確かに言われてみればそうだ。

 見た目は別ものだし、名前の発音もこの世界風に多少異なってはいるものの、”エルフ”と”ドワーフ”という言葉は何の抵抗も無く前世の知識とリンクするのである。

 これは単なる偶然なのか?或いは、この2つの世界には何か接点があったりするのだろうか?

 そう疑問を抱くイルムハートだったが、そんな彼にセシリアは”迷”推理を披露してくれた。

「これはアレですね、過去に私たちとは逆でこの世界から向こうの世界へ転生した人間がいたに違いありません。

 で、その人が”エルフ”とか”ドワーフ”とかいう名前を向こうで広めたんですよ。」

 随分と無茶苦茶な話だな。

 イルムハートも最初はそう思ったものの、よくよく考えてみれば全くの的外れでもないような気がして来た。

 生命は死を迎えるとその魂をエネルギーに変え再び別の命へと生まれ変わってゆく。それが世界の理なのだと、転生する際にそう教わった。

 と同時に、その転生のシステムは各々の世界においてそれぞれ”閉じられた”状態にあることも聞かされている。

 つまり、普通なら別の”世界”へ転生することなどないのだ。

 だが、何事にも例外はある。おそらく、そのシステムにも。

 何しろ、実際にイルムハートやセシリアは別の”世界”から転生して来ているのだから。

 とすれば過去に向こうからこちらへ、或いはこちらから向こうへと記憶を持ったまま生まれ変わった者もいないとは限らないだろう。

 まあ、エルフやドワーフの件はどうか知らないが、そういった者達によって別世界の知識が伝えられている可能性だって無いとは言い切れないのだ。

(考えてみればこの世界での知識と元の世界の記憶、本来なら全く別ものであるその両方を同時に抵抗なく受け入れられるのも、どこか似たようなところがあるからなのかもしれないな。)

 これは新たな発見だった。

「成る程、言われてみるとその可能性もあるかな。

 そんなこと今まで考えてみたことも無かった。

 さすがだよ、君は。」

「へっ?」

 どうやらセシリアとしては冗談半分で口にしたつもりらしく、イルムハートに褒められ逆に驚いてしまっているようだった。

「い、いやー、それほどでもないですよ。」

 それでも悪い気はしないようで、ちょっと自慢気にニヤつきながら頭を掻く。

 だが、このまま図に乗られても困る。

「それはともかくとして、これからはゲームやアニメを基準にしてこの世界を見ないように。

 下手をすると余計なトラブルを招く事にもなりかねないからね。

 いいかい?解ったね?」

 そこだけはきっちりと釘を刺しておくイルムハートだった。


「どうかしたの?」

 セシリアとの会話を思い出し、つい苦笑いを浮かべてしまったのだろう。

 そんなイルムハートの顔を覗き込みながらライラが尋ねて来た。

「ジェイク達の話を聞いていたらちょっとセシリアのことを思い出してさ。

 魔族に対する彼女の認識があまりにも無茶苦茶だったんで、ついね。」

 イルムハートがそう答えるとライラは成る程と言った表情を浮かべる。

「ああ、セシリアね。

 確かにあの子は時々突拍子もないこと言い出すものね。

 以前、飛行魔法について話してたら「箒は使わないんですか?」なんて聞いて来るし。

 箒なんかでどうやって空を飛ぼうってのかしらね?」

 これにはイルムハートも乾いた笑みを返すしかなかった。

 魔法使いは箒にまたがって空を飛ぶ。セシリアの中ではそれが”常識”なのかもしれないが、ライラからしてみれば何のことやらさっぱりだろう。

「彼女は小さな頃、物語に夢中だったらしくてね。いろいろ読んだ本の中にそんな内容があったんじゃないかな。」

 そう言って何とか誤魔化そうとするイルムハート。

 すると、それを聞いてジェイクとケビンまでもが話に加わって来た。

「そう言や、俺も前にヘンなこと聞かれたぞ。

 ”おりはるこん”の剣はどこで手に入るんだ?とかな。

 そんな名前の刀鍛冶がいるのかと思ってたけど、それも物語の中の話だったのか。」

「僕もありましたよ。確か、”即死魔法”とか言ってましたね。

 一撃で確実に相手の息の根を止める魔法らしいんですが、そんな素晴らしい……いえ、出鱈目な魔法なんてあるわけないですよ。

 一体どんな本を読めばそんなとんでもない知識が身に着くんですかね?」

 その後もセシリアの奇言奇行についての話が出るわ出るわ。全く、どれだけやらかしてくれているのやら。

(まさかこれ程までとは……。)

 それを聞くイルムハートの笑みは徐々に引き攣ってゆき、額には冷や汗すら浮かび始める。

 あの時、もっと厳しく言い聞かせておくべきだったのかもしれない。

 そう後悔するイルムハートだったが、もはや後の祭りなのであった。


 翌日、イルムハート達はバンデルの冒険者ギルドへと向かった。

 せっかくだから海に棲む魔獣の討伐でも引き受けてみようということになったのだ。

 本来、水棲魔獣の討伐には陸の場合とはまた別の技術が必要だった。

 何せ水の中に潜られてしまうと剣で闘うことは出来ないし、攻撃魔法もさほど効果を発揮しなくなってしまうのである。

 なので陸へ引きずり出すか或いは水中でも有効な攻撃方法が必須となるのだが、それは口で言うほど簡単なことではなかった。

 しかし、イルムハート達のパーティーにはケビンがいる。

 彼の得意とする状態異常の魔法は水中の魔獣にも十分通用するのだ。

「まさかケビンに狙われることになるとは、この海の魔獣もとんだ災難だな。」

 まあ、気持ちは解からないでもないが、どうにもジェイクはひと言多い。

 お陰でケビンからこっぴどい逆襲を受けるわけだが、それもまたいつものことである。

 で、肝心の海の魔獣に関する依頼はと言えば、これが思ったほど多くはなかった。

 港に棲み付いてしまった魔獣とか夜な夜な家畜を狙ってやってくる水陸両棲の魔獣とか、その辺りの討伐依頼がぽつぽつと有る程度だ。

 これは、陸の魔獣と違い海の魔獣は活動域が広範囲であまりひとつ所に留まらないという点もあるが、何より上手く棲み分けが出来ているということなのだろう。

 漁民は魔獣のいない海域を熟知しそこで漁をする。また商船に至ってはそもそも船を脅かす程に巨大な魔獣など滅多にいないため、わざわざ討伐など依頼せずとも船底を強固にする程度で十分対応可能なのだった。

 ちなみに、商船を襲う程の魔獣が出没した場合は先ず軍が動く。その際、もし協力要請があったとしても担当する者はギルドが直接指名するため依頼書が張り出されることも無い。

 つまり、一般冒険者に対して依頼を出すような事案そのものがそれほど多くは無いのである。

「これは意外だったな。」

 予想外の状況にイルムハートは思わずそう呟いた。

 これにはライラも同意のようである。

「そうね、これじゃ川や湖の近くにある町とあんまり変わらないわ。

 どうする?とりあえずどれか受けてみる?」

「先ずはいくつか見繕って検討してみよう。

 出来ればここでしか受けられないような依頼にしたいからね。」

 旅費を稼ぐことも確かに大切ではあるが、これは”修業の旅”なのだ。経験を積むためには新しい事にもチャレンジしたい。他所と代わり映えしないような依頼ではあまり意味がないのである。

 と言うことで、イルムハート達はいくつか目ぼしい依頼を拾い出した後、ひとまずギルドを出た。

 そして、街の見物でもしようかと歩き始めたその時、イルムハートは妙な魔力が自分に向けられている事を感じる。

 振り向いてその魔力が発せられていると思しき方向を見ると、そこにはひとりの老紳士が佇みこちらを見ていた。

 イルムハートが気付いたことを察したのだろう。老紳士は軽く会釈をした後、こちらへと近付いて来る。

「久方ぶりですな、イルムハート殿。」

 老紳士はそう言って笑い掛けて来た。

 どうやら向こうはこちらのことを知っているようだった。だが、生憎とイルムハートは彼の顔に見覚えが無い。

「失礼ですが、どなたでしょうか?」

 イルムハートはそう聞き返したのだが、それに対し老紳士は不快な表情を見せることもなく、むしろすまなそうにこう言った。

「これは失礼した。この姿ではお判りにならぬのも当然でしょう。

 我が名はシュリドラ。覚えておられますかな?」


 シュリドラ。

 確かにその名には聞き覚えがあった。だが、どこで聞いたのかが中々思い出せない。

 まあ、それも仕方のないことではある。何しろ、イルムハートの知る”シュリドラ”は目の前の老紳士とは似ても似つかない姿をしているはずなのだから。

「シュリドラ……って、もしかして龍族の!?」

 それでもどうにか記憶をつなぎ合わせ導き出した答えには、むしろイルムハート自身が驚いてしまった。

「左様です。」

 そう言って微笑むシュリドラをイルムハートは唖然として見つめる。

 シュリドラとは数年前”龍族の祠”と呼ばれる遺跡の中で出会った龍族のひとりの名だった。

 龍族は見た目ドラゴンのような姿こそしてはいるが高い知性を持った全く別の生き物で、内海の中央にある”龍の島”において独自の文化を築き暮らしている。

 イルムハートが以前出会った”シュリドラ”もその龍族の中の1体だった……はずなのだ。

 しかし、目の前の老紳士はどこからどう見ても人族でしかない。

「ちょっと、龍族ってドラゴンみたいな姿をしてるんじゃなかったの?

 一体、どういうこと?」

 勿論、驚いたのはイルムハートだけではない。会話を聞いていたライラがイルムハートの耳元でそう問い掛けて来る。

「僕に聞かないでくれよ。こっちだって驚いているんだ。」

 そうライラに答えながらイルムハートは目の前の老紳士をじっと見つめた。

 彼が嘘を言っている可能性は……無いと言って良いだろう。

 ”龍族の祠”での出来事はバーハイム王国の最高機密として扱われており、当然シュリドラの名も秘匿されている。

 目の前の老紳士がそれを知っているとは思えないし、何よりも人の姿をした者が龍族を呼称したところで誰が信じると言うのか?

 嘘にしてはあまりにも杜撰過ぎる。

 と言うことは、偽りではなく真実なのだろうとイルムハートは判断した。

「正直驚きました。龍族は人の姿に変化することも出来るのですね。」

 今の状況からしてそう考えるのが普通ではあるが、どうやら事実は少しばかり違うようだった。

「いや、いかに龍族が魔法に長けているとは言え、さすがに人の姿に化けることは出来ません。そもそも身体の大きさが違い過ぎますからな。

 これは何というか、所謂分身体と言うやつなのです。」

「分身体?」

「左様。

 魔力を物質化させ造り上げた身体に魔力ゲートで意識を繋ぎ感覚の共有を行うわけです。

 本来の姿で人の国を訪れたのでは騒ぎの元となってしまいますからな。

 なのでそう言った場合は、こうして分身体を使い行動するのですよ。」

 さらりと言ってのけてはいるが、それはそれで凄い魔法技術である。

 まあ、龍族全ての者が使える技と言うわけでもないらしいが、だとしても彼等の底知れぬ能力には驚くしかない。

「それで、シュリドラさんはどうしてここに?」

 この再会が偶然とも思えず、イルムハートはそう尋ねた。

「ええ、本日はイルムハート殿にお願いしたいことがあってここへ参りました。」

 そして、それに対するシュリドラの答えはイルムハートが予想した通りのものではあったが、その次に続く言葉は完全に彼の意表を突いた。

「貴殿に我等の島までお越し頂きたいのです。」

「僕が?龍の島へ?」

 イルムハートは思わず驚きの声を上げた。

 本来、龍族は自分達の島に他種族が入り込むことを頑なに拒んでいるはずなのだ。なのに、そこへ来いと言われればそれは驚きもするだろう。

「理由を聞いてもいいですか?」

 戸惑いながらも当然の質問を口にするイルムハート。

 すると、そんなイルムハートに対しシュリドラはその驚きに追い打ちを掛けるかの如く、あまりにも意外過ぎる名前を口にしたのだった。

「天狼様が島にてイルムハート殿を待っておられるからです。」

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