仲間達の思いと公爵の述懐
リネルアから戻り十日ほど経った頃、イルムハートは改めてロランタン公爵と会見することになった。
場所はクロスト伯爵邸。
現在、公爵は王都を離れフリーデの街に移住してはいるものの、それでもまだ屋敷は残っていた。
しかし、イルムハートとの会見を非公式で行うためにクロスト伯爵の屋敷を借りる事になったのである。
今回の騒ぎの中、公爵がどこに潜伏していたのかについては結局明かされることはなかった。
まあ、当然と言えば当然であろう。
今後も万一の事が起きないとは限らないのだ。その時のために隠れ場所の秘密は守り通す必要があるのだから。
尤も、ビンスの口ぶりだと情報院第3局にはその場所を掴まれているようだが、まあそれは仕方のないことだろう。
第3局を出し抜くのは並大抵のことではないし、むしろそのほうがいざと言う時の増援を期待出来ると言うメリットもあるはずだ。
ビンスと言えば、今回の件でイルムハートは彼に叱られることを覚悟していた。己の過信で周りに迷惑を掛けたのだから当然である。
だが、ビンスはイルムハートを責めなかった。
少し疲れたような表情を浮かべながら「ご無事で何よりでした」、そう言っただけだった。
おそらくビンスもイルムハートが苦戦することを予測していたのだろう。ネイサンが救援に向かったことを知っていても心労は絶えなかったに違いない。それでも敢えて非難の言葉は口にしなかった。
色んな人が自分を気遣っていてくれる。イルムハートは改めてそれを実感させられることになり、同時に己の未熟さを痛感した。
そう、確かにビンスはイルムハートを責めなかった。
しかし、その代わりと言っては何だが、王都へ帰還してからはフランセスカにこっぴどく叱られた。
別に作戦から外されたことを怒ったのではない。イルムハートの無謀な行為を叱ったのだ。
「フレッド様を問い詰めてやっと聞き出しましたが、今回の敵は旦那様と縁のある人間だったと言うではありませんか。
それを自らひとりで倒しに行く?
馬鹿を言ってはいけません。
旦那様はまだ人と殺し合うということの本当の重さをご存じないのです。
旦那様の強さは十分に分かっています。ですが、それだけでは駄目なのです。
今回のように顔見知りが敵になることもあれば、場合によっては女子供の姿をした敵が自分や自分の護るべき人の命を狙って来ることだってあるのですよ?
それでも迷いなく敵を殺せますか?旦那様にはそれだけの覚悟がおありなのですか?」
フランセスカにそう言われ、イルムハートはぐうの音も出なかった。今回の件については全くフランセスカの言う通りなのである。
別に相手をナメていたわけでもないし、場合によっては命の取り合いになることも解かってはいた……はずだった。
だが、いざとなると目の前のユリウスを何とか救いたいと言う思いが彼を迷わせた。それが相手の思う壺だとも気付かずに。
「すみません、僕の考えが甘すぎました。」
「別に攻めている訳ではないのです。」
イルムハートの謝罪をフランセスカは怒りではなくどこか悲しそうな表情で受け止めた。
「かく言う私とてまだまだフレッド様やセルザム副団長の域には遠く及びません。
それでも私が騎士団員として任務を果たせるのは、いざという時に助け合うことの出来る仲間がいるからです。自分の弱さを時に叱咤し、時に助けてくれる者達がいてくれるからこそなのです。
旦那様にもそのような仲間がいるではありませんか?
ライラ殿、ジェイク殿、ケビン殿、そしてセシリア。私だってそのつもりです。
なのに何故私達を頼って下さらないのですか?
私はそれが悔しくて悲しいのです。」
イルムハートは思わず周りで話を聞く仲間達に目をやる。
フランセスカの話にこそ割り込んではこないが、彼等も皆同じ気持ちであることは見てすぐに分かった。
自分は強い、彼等よりもずっと。だから、仲間を危険な目に会わせないよう自分がそれを引き受けなければならない。
イルムハートの心のどこかにはそんな慢心にも似た気持ちがあったのだろう。
確かに剣や魔法の実力と言った点ではそれも間違いではない。大人ですら舌を巻くような力をイルムハートは持っている。
だが、心はどうか?
いくら前世の知識を持ち大人びた物の考え方をするとしても、結局は普通の人間でしかない。迷いもすれば傷つきもするのだ。
そんな弱さを補い助け合うのが仲間なのではないか?
フランセスカの言葉にイルムハートは己の不明を恥じた。
「みんな、ごめん。」
いろいろ思うところはあっても、そう素直に謝られたのではライラ達としてもこれ以上責める気を失ってしまう。
「まあ、いいわ。
言いたいことはフランセスカさんが全部言ってくれたし、アタシ達を危ない目に合わせたくないからだってのも分かってるしね。
今度からはちゃんと話してくれれば、それでいいわよ。」
そんなライラの言葉にジェイクもケビンも無言で頷く。
「それより、先ずアレを何とかしたほうがいいんじゃないかしら?」
そう言ってライラが目をやった先には、ふくれっ面で黙り込むセシリアの姿があった。その目には薄っすらと涙すら浮かんでいた。
どうやら彼女だけはまだ、わだかまりを残しているようだ。
「アタシ達は席を外すから、後は3人でゆっくり話しなさいよ。お互い納得いくまでね。」
その言葉にイルムハートは思わず天を仰ぐ。
何しろ、おそらく彼の人生最大の難敵となるであろう相手がそこに待ち構えているからだ。その手強さは”再創教団”の比ではない。
しかし、逃げる訳にはいかなかった。
「聞いてくれ、セシリア。僕は……。」
やがて意を決し、イルムハートはセシリアへと声を掛ける。
それは全く勝ち目の見えない闘いの始りだった。
イルムハートを乗せた馬車がクロスト伯爵邸へと到着し、彼は回想から我に返った。
あれはひどい負け戦だった。生まれてこの方、手も足も出ずあれ程こてんぱんにやられてしまったのは初めてだ。
とは言え、それも自業自得。
あの程度で許してもらえたのは、むしろ御の字と言えるかもしれない。
「大丈夫かね?
まだ疲れが取れていないようだが。」
そんなことを思うイルムハートを見て、ラザールが心配そうに声を掛けて来た。まだリネルアでの疲れが残っていると勘違いしたのだ。
「いえ、身体の方は何ともありませんのでご心配には及びません。
ただ、今回の件についていろいろと考えていたものですから。」
「そうか。それならいいが。」
イルムハートと今回の首謀者(に操られていた)ユリウスとの関係について、ラザールもおおよその話は聞いていた。なので、それ以上深くは尋ねようとしなかった。
「ではこちらへ。公爵がお待ちになっていらっしゃる。」
そう言うとラザールはイルムハートをとある部屋へと連れて行った。以前、”シェイド”の件で訪ねた際に通された応接室だ。
そのドアをノックした後、ラザールが中へと声を掛ける。
「閣下、イルムハート・アードレー・フォルタナをお連れしました。」
「入ってもらいなさい。」
中からそう答えが返ってくると、彼はドアを開けイルムハートにひとり部屋へ入るよう促した。
「伯爵は?」
イルムハートがそう尋ねたが、ラザールは無言で首を振っただけだった。
これは公爵とイルムハートの会見であり、自分が差し出ることではない。そう考えているのだろう。
そんなラザールにイルムハートは軽く頷いて見せてからひとり部屋へと入った。
部屋の中では老齢の男性がひとり、立ってイルムハートを迎えた。
年の頃は70前後。背はそれほど高くないがその年齢にもかかわらず背筋はピンと伸びている。
ただ、その老いを示すかのように白くなりかけた髪が元々の色と相まって見事な銀白色となっていた。
「お初にお目に掛かります、公爵閣下。
私はフォルタナ辺境伯家の第3子、イルムハート・アードレーと申します。」
イルムハートはその老人、ロランタン公爵に向かい貴族の礼を取りながら深々と頭を下げた。
「よく来てくれた、イルムハート・アードレー。私がエドマン・”バーハイメル”・ロランタンだ。」
そんなイルムハートの姿を見て、エドマンは優し気な微笑を見せる。
「まあ、そのように畏まる必要は無い。これは非公式の会見なのだからね。気楽にしてくれたまえ。」
その言葉にイルムハートは少しほっとした。堅苦しい人物だったらどうしようと心配していたのだ。
その後、勧められイルムハートがソファに腰を下ろすと、そのタイミングを狙ったかのようにメイドがお茶を運んで来た。
冒険者ギルドでもそうだが、どうしてこのタイミングが分かるのだろう?とイルムハートはいつも不思議に思う。今度、屋敷のメイド長にでもコツを聞いてみようか、などと他愛のないことを考えた。
「今日はわざわざご苦労だったね。
君とは以前から会ってみたいと思っていたのだよ。」
メイドが去るとエドマンはイルムハートに向けてそう切り出した。その口調は柔らかく、まるで祖父が孫に語り掛けるかのようだった。
「だが、色々と話をする前に君には謝罪しなければならないだろう。
今回の件では私のせいで君を巻き込んでしまったのだからね。本当にすまなかった。」
エドマンにそう言われたイルムハートは慌てて言葉を返す。
「謝罪などとんでもありません。
今回、敵は最初から私を巻き込むつもりでいたようで、閣下やクロスト伯爵が何もなさらなくともどの道関わらざるを得なかったでしょう。
ですから、閣下が謝罪なさる必要など全くないのです。」
「だが、私が会ってみたいなどと口にしたことで君を巻き込む格好の機会を敵に与えてしまったのも事実。
それが無ければここまで複雑な状況にはならなかっただろう。」
イルムハートの言葉に対し、エドマンは軽く首を振りながらそう言った。
なる程、そう言う見方も出来るかもしれない。クロスト伯爵を経由した謎の依頼が当初イルムハートを混乱させたのは確かだ。
それにエドマンが直接謝罪している以上、それを拒み続けるのも失礼にあたるだろう。
なので、イルムハートは彼の言葉を受け入れた。
「ところで、ひとつお聞きしてもよろしいでしょうか?」
その話の流れで、イルムハートは以前より疑問に思っていたことをエドマンに尋ねてみる。
「何かな?」
「閣下は何故私との会見を望まれたのですか?
それに、そもそも閣下ほどの方がどうして私ごときのことをご存知なのでしょうか?」
それは当然の疑問である。
イルムハートがいくら辺境伯の子とは言え、所詮は跡継ぎでも何でもない第3子。対してエドマンは野に下り30年経った今でも王国貴族への少なからぬ影響力を持ち続けている”大”公爵なのだ。立場が違い過ぎる。
そんなエドマンがどうしてイルムハートのことを知っているのか?
それが不思議だったのだ。
するとエドマンは穏やかな笑顔を浮かべながらイルムハートの問いに答えた。
「君のことはずっと以前からアルフレートに聞いて知っていたのだよ。」
「アルフレート?
それはもしかするとお爺様……いえ、私の祖父のことですか?」
「そうだ。」
アルフレート・アードレー・フォルタナ。
イルムハートの祖父にして先代のフォルタナ辺境伯である。
現在は領内の街セーリナスにある保養地で祖母と2人のんびりと暮らしているただの老貴族だが、数十年前は片や王の補佐役、片や辺境伯という立場だったのだから互いに見知っているのは当然だろう。
とは言え、孫の話をするほどまでに長く親しい付き合いをしているとはイルムハートも全く知らなかったのだ。
「知っての通り我が父、先々代の王は歳若くしてこの世を去った。
おかげで兄も私もまだ十分に心の準備の出来ないまま国王とその補佐役になってしまったのだ。
特に私などはまだ十代の若輩でね。並み居る貴族達に対し後れを取らぬよう常に張りつめた状態だった。
そんな時、アルフレートと知り合ったのだよ。
彼もまた先代を早くに亡くし、若くして辺境伯という重職に就くこととなった。
そのせいか妙に馬が合ってね。彼と話すことで徐々に心にも余裕が生まれた。
彼には感謝している。正に生涯の友だよ。」
エドマンは昔を思い出したのか、少し遠い目をしながら楽しそうにそう語ったのだった。
「その彼が昨年の暮れ頃、王都での用事の後にフリーデまで訪ねて来てくれたのだ。」
祖母の弟が亡くなった時だ。
そう言えば、帰りは少し寄り道をしてからフォルタナへ戻ると言っていた。
「その時にいろいろと話をしたのだが……君は先々代の辺境伯が不思議な能力を持っていたという話を聞かされたことがあるかね?」
突然の質問に戸惑うイルムハート。
曾祖父の話はあまり話題に出ないので良くは知らないが、”不思議な”と言うからには単純な剣や魔法の能力でもなさそうだ。
「アルフレートが言うには彼の父、先々代辺境伯は”夢見の力”を持っていたらしいのだよ。」
「”夢見の力”ですか!?」
”夢見の力”。それは未来を視ることの出来る能力。
その存在自体はイルムハートも聞いたことがあった。但し、あくまでも物語の中においてでである。
「尤も、それは物語に出てくるような便利は能力ではないらしく、本人が望むと望まずとに拘わらずある日突然頭の中に未来の出来事が浮かんでくるのだそうだ。
しかも、何時何処の誰のことかもハッキリしないような、そんな曖昧なものがほとんどだと言うことだった。」
「曾祖父がそのような能力を持っていたなど、全く聞いたこともありませんでした。
それどころか、そのような能力は物語の中だけのものだとばかり思っていましたので、失礼ながら例え閣下のお言葉とは言え正直信じられない気持ちです。」
「まあ、当然のことかもしれんな。」
驚きを隠せないイルムハートの気持ちはエドマンにも良く解かった。
「実は”夢見の力”を持っているのではないかと噂された者は過去にも何人かいたらしいのだ。
だが、それが明るみになることはついぞ無かった。何故ならひらすらに隠し通されたからだ。
無理も無い。例え不完全とは言え未来を視ることが出来るのだ。
もしそれが公になればどのような扱いを受けるか分かったものではないからね。その力を利用しようとする者もいれば脅威と感じ排除しようとする者も出て来るだろう。
例えその能力を持った者が既にこの世にいないとしても何かしら言い遺しているのではないか。そう疑う者もいるはずだ。
だから隠さねばならない。何が何でも。
君はまだ若い。そのためアルフレートも君の両親もまだその重荷を負わせたくはなかったのだろう。」
しかし、それ程の秘密を祖父はエドマンに話したと言うことになる。何故か?
いくら親友とは言え、単に口をすべらせただけとは思えない。それには何か理由があるはずだった。
そんなイルムハートの考えを感じ取ったのだろう。エドマンの顔からは笑みも消え、真剣な表情になる。
「その先々代辺境伯の遺した話の中には”予言の子”というものがあるのだそうだ。
いずれアードレー家には神の遣わした子が生まれると言った予言がね。
そしてアルフレートは君こそがその”予言の子”なのだと、そう言っていた。」
エドマンの言葉にイルムハートは内心ドキリとする。自分が別世界からの転生者だとバレているのではないかと思ったのだ。
だが、冷静に考えてみれば”転生者”と”神の遣わした子”とではニュアンスがまるで違う。なので、おそらくそう言った意味ではないのだろう。
「神の遣わした子ですか?私が?
いくら何でもそれは有り得ません。私は至って平凡な人間でしかないのです。
そもそも”夢見の力”自体、何時の時代の誰の事かまで完全に判るわけではないのですよね?
であれば、私がそうだとは誰にも言い切れないはずです。
おそらくそれは単なる孫びいき故の言葉ではないでしょうか。」
そう言いながらもイルムハートは今までのいろいろと不可解な出来事がまるでパズルのピースのようにぴったりと嵌まって行くのを感じていた。
騎士団や魔法士団での稽古、そして冒険者活動の許可。それ以外にも普通の貴族の子としては常識外の育てられ方をして来た。
それも全て祖父や両親がイルムハートを”予言の子”だと信じているからこそのことに違いない。
「私とて彼の言葉の全てを鵜呑みにしたわけではないさ。
だがフリーデの街で襲撃を受けた際、ふと彼の言葉を思い出したのだよ。」
「祖父は何と?」
「『もしこの先何か厄介な事に巻き込まれたら、その時は孫に会ってみるといい。何かが変わるはずだ。良い方向にね』と、彼はそう言ったのだ。
それはまるで今回の事を予見していたかのように私には感じられたのだ。」
「まさか祖父にも”夢見の力”が?」
「いや、それはないだろう。
”夢見の力”はそれを持つ者の命を縮めてしまうとのことらしい。先々代辺境伯が早世したのも、おそらくはそれが原因なのだろう。
だが、アルフレートは今だ元気にしている。とても命を吸い取られているようには見えないからね。
ただ、そんな父親の血を引いているのも確かなのだ。
もしかすると常人より優れた勘を持ち、虫の知らせというものをより強く感じ取ることが出来るのかもしれない。」
そう言った後、エドマンは少しだけ苦い笑いを浮かべる。
「そんなこともあり君と会ってみたくなってね、ついそれを周りにこぼしてしまったのだよ。
そこから先は君も知っての通りだ。」
なる程、そう言うことだったのかとイルムハートは納得した。
イルムハートと会ってみたい、そう思っても”夢見の力”の件について話せない以上は理由を口にするわけにもいかない。これにはラザールとしても戸惑ったはずだが、かと言ってエドマンの望みを無下にも出来なかったのだろう。
結局それが回り回って、何とも怪しげな依頼となりイルムハートに届いたのだ。
「君には迷惑を掛けることになってしまったが、お陰で事態は解決へと向かうことになった。
正にアルフレートの言う通りだったという訳だ。」
「それはただの偶然に過ぎません。私は”予言の子”でも何でもありませんから。」
「まあ、それについての真偽ははともかく、君が強い運を持っていることは確かなのではないかな?
少なくとも私はそう思うよ。」
運が強いかどうかは別として、周りの人々に恵まれているのは確かだとイルムハートは思う。もしかすると、それこそが”強運”の証なのかもしれないが。
「ところで閣下、ひとつお願いがあるのですが宜しいでしょうか?」
「何かね?」
「”予言の子”についてなのですが、今回この場においてその話はしなかったと言うことにして頂けませんでしょうか?」
イルムハートによる突然の申し出にエドマンは不思議そうな表情を浮かべた。
「理由を聞かせてもらえるかな?」
「私は自分がその”予言の子”だとは思っていませんが、もしかすると祖父や両親はそう考え私を育ててくれたのかもしれません。
そうであれば、いずれ時が来たらそのことを私に伝えるつもりでいるのではないかと。
なので、その時が来るまでは知らなかったことにしておいた方が良いと思うのです。」
イルムハートの言葉にエドマンは「ふむ」と呟き、少しすまなそうに口を開く。
「君の言う通りだ。
アルフレートや辺境伯夫妻がどんな気持ちで君を育てて来たか、私にはそれに対する配慮が足りなかったようだ。申し訳ない。
解かった。今回はアルフレートが自慢する孫の顔を一度見てみたかった、ただそれだけだったと言うことにしておくとしよう。」
こうしてイルムハートとエドマンの会見は終了した。
いくつかの疑問や懸念が残ってはいるが、今回の騒動についてはこれで全てが終わったのである。