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アルモアの星伝説  作者: トド
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第三十七話 決戦

「な、なんだと!?巫女様はもう出発された!?」


「はい、先ほど・・・」


「アレンさん達と一緒に」


ジェイドの問いに、涼しい顔で答えるエミリアとサーナ。


それを聞いて、大笑いしたのはボルグだった。


「ガッ、ハッ、ハッ、ハッ・・・。アレンの奴、なかなかやりおるわい!」


ガルダインは、ワシは何も知らんぞ・・・と言いたげに、そっぽを向いていた。


「う~~~~む・・・。アレンのヤツ・・・・」


苦虫を噛み潰した様な顔をするジェイドに、ボルグは言った。


「ガッ、ハッ、ハッ、ハッ・・・。やはりアレンはお前の息子だな!」


「な、なに?それはどう言う意味だ?!」


「貴様が聖魔導士の総本山である白の大聖堂から、エミリアさんをさらって逃げた事を思い出したのだよ!あの時は大変だったからな!!」


「おぉ、そう言えば、そんな大事件がありましたな!!それが原因でキングラムと聖魔導士が戦争を始めるかもしれないと言う噂を聞いた事がありますぞ。

そうか、誘拐犯はジェイド殿でしたか!」


ガルダインは愉快そうにジェイドの顔を見た。


この話を持ち出されたジェイドは、もはや反論の余地は無かった。

頭を抱えて黙り込んでしまった。

横にいるエミリアは、若かりしあの頃の事を想い出し、クスクスと笑っている。


若いころ、キングラムから神聖魔法の研修のため白の大聖堂を訪れていたジェイドが、総帥の高弟であるエミリアに恋をし、駆け落ち同然にキングラムへ連れ帰ってしまったのだ。それが原因でキングラムと聖魔導士との間が気まずくなったため、ジェイドはエミリアを連れて放浪の旅に出たのである・・・。


「う~~~~~む。アレンのヤツ!まだ子供だとばかり思っていたが・・・・」


ジェイドは複雑な心境であったが、吹っ切れたのか、新たな命令を司令官たちに伝えた。


「よし!こうなったら、アレン達にかけよう!!予定通り、作戦を遂行する!みんな配置に付いてくれ!!」


その命令を受け、司令官たちは各自の持ち場へ戻って行った。


「やれ、やれ・・・。これで、巫女様の守り手という大役を免除された訳ですな?

では、ワシはやり残した仕事があるので、これで失礼する」


そう言うと、ガルダインはどこかへ出かけようとした。


「ガルダイン殿、どちらへ?」


尋ねたジェイドに、ガルダインが答えた。


「ワシは嘆きの塔へ行く」


「嘆きの塔!!?」


「では、やり残した仕事というのは・・・」


「裏切り者の始末じゃ!!」


「後の事は頼みましたぞ」


そう言うと、ガルダインは一人で嘆きの塔へ向かった。





時空の扉で暗黒の塔の中に入ったアレンたちは、隠された部屋の中で、戦いの始まるのを待っていた。

ここへ来てから既に3時間ほど経っている。


「よし、そろそろ戦いが始まる頃だな」


アレンはエレナにこの部屋の扉の開放を頼んだ。

エレナが呪文を唱えると、それまで岩に見えていた所が消えて無くなり、アレンたちは塔の地下へその姿を現した。


塔の地下は真っ赤な溶岩がボコボコと煮えたぎる所で、息が詰まりそうなほど熱気が籠っている。

そこから塔の最上階を目指して、アレンたちは行動を起こした。

沸騰した湖の水を無限のツボを使って大地に変え、行く手を阻むマグマの川を、氷の杖を使って次々と凍らせて行った。


複雑な迷路になっている塔を駆け上がり、3階まで進んだ時、アレンたちはこの塔のある特徴に気づいた。

それは塔の中央には床が無く、吹き抜けになっているのだ。

各階にある中央の入り口に入ると、そこから下の煮えたぎるマグマが見えるのである。

また塔の階層は5階であることも確認できた。

残りの階層は後二つ。時刻はすでに昼を過ぎようとしていた。




その頃キングラムの連合軍は、暗黒の塔の正面にある小高い丘に集結し、今まさに戦いが始まろうとしていた。

そんな状況下で異彩を放っているのは、リサの教育係であるマリー先生であった。

彼女の周りには、その美貌の虜になったキングラムとソーネリアの若い将校たちが集まり、すでにフアンクラブが形成されていた。

その中心にいたマリー先生の笑い声が、高らかに響いてきたのである。


「オホホホホホ・・・・・・」


「ほ、本当に、あのおてんば・・・いや、リサ様が?」


マリー先生に問いただしているのは、同じ暗黒魔導師のジーグであった。


「ええ、勿論ですとも!リサ様はブラックホールの魔法を習得なされたのですわ!」


「し、信じられない・・・。あのガルダイン様のビックバーンと双璧をなすと言われる究極の魔法を・・・」


同じ重力系の魔法を使うジーグにとって、最高位のブラックホールの魔法は、彼の最終目標であったのだ。


「ジーグ!リサ様は、わたくしの自慢の弟子なのですよ!これぐらい当然です!!」


そばでマリー先生の話を聞いていたリックは、いつの間にかリサが”自慢の弟子”になっている事に驚いていた。

そしてちょうどその時、キングラム城から到着したボルグがその話を聞き、マリー先生に声を掛けた。


「何と!マリーさんは、あのリサ殿の師匠でしたか!」


「これは、これは、ボルグ様!

ええ!リサ様は、わたくしがガルダイン様より”直々”に教育係を仰せつかった、自慢の弟子ですわ!」


直々という言葉を強調し、胸をそらして自慢するマリー先生。


「おぉ!それでリサ殿は、あのような強力な魔法を唱える事が出来るのですな?!」


「オホホホホ・・・・・。勿論でございます!!」


さらに後ろに倒れんばかりに胸をそらして自慢するマリー先生。


「では、リサ殿の行動に対しては、すべてマリー先生の責任という事でよろしいのですかな?」


「オホホホホ・・・・・へっ? せ、責任ですか?

も、勿論でございますわ! わたくしの自慢の弟子ですから!オホホホホホ・・・・」


「おぉ!そうですか!?

では、我が城の玉座の間に大穴を空けた、壁の修理代はマリー先生が支払っていただけるのですな!」


「はぁ? ぎ、玉座の間? 壁に大穴?」


マリー先生は、そのまま後ろに倒れてしまった。



ボルグに続き、丘に到着したジェイドが全軍に号令を掛けた。


「諸君!いよいよ長い戦いに終止符を打つ時が来た!!

いまここで魔王を倒さねば、私たちの愛する者すべての命が無くなると思え!!」


「既に巫女様はその命を我らに捧げ、あの暗黒の塔へ向かわれている!!

巫女様の命を無駄にしてはならない!!我々はここで死すとも、必ず魔王を倒すのだ!!」


ウオーーーーーーーーッ!!!!!


15万の軍勢が、一斉に気勢を上げた。


眼下の敵は100万。

ジェイドは打ち合わせ通りに、ジュダの魔法軍団に先陣を命じた。


ジュダの魔法軍団の数はたったの100名ほどである。

数だけで考えると、狂気の沙汰と言えるだろう。

だが命令を賜ったジーグは、嬉々として仲間に告げた。


「ガルダイン様のお計らいで、我ら少数の魔法軍団が、名誉ある先陣を承った!!

またリサお嬢様は、我らを代表してあの暗黒の塔で、巫女様と共に戦っておられるのだ!!

死力を尽くせ!!勝利を我らが手に!!!」


ウオーーーーーーーーッ!!!!!


魔法軍団も一斉に気勢を上げた。



「じゃぁ、最初はわたくしが・・・・」


最初に前に出たのは、マリー先生だ。

周りのファンクラブの者たちが、かたづを飲んで見守る中、丘の先端まで進んだマリー先生は、呪文の詠唱を始めた。

するとマリー先生の足元から淡い紫色の霧が立ち込め、それがまるで丘を流れ落ちる水の様に、下の魔物の群れを目掛けて広がってゆく。

そしてその霧に触れた魔物どもは、あっと言う間にカラカラに干からび、ミイラになっていった。慌てて霧から逃げようとする魔物たち、だが気づいた時は既に手遅れであった。

その数およそ十万。


「うぷっ! もうお腹が一杯・・・。

残念だけど、もう食べられないわ」


マリー先生は口を押えると、首を傾げて、かわいく微笑んだ。


その仕草にキュンとなった魔法軍団の若い魔導師たちは、大はしゃぎで喜んでいる。

それとは対照的に、キングラム、ソーネリアのファンクラブの者たちは、みんな青い顔をしてドン引きであった。


次に前に出たのは、若い魔導師のリックだった。

彼が呪文を唱えると、丘と暗黒の塔の間の大地がグラグラと揺れ始め、そして巨大な地割れが走り、魔物の群れを次々と割れ目の中に飲み込んで行った。

発生した地割れの数は三つ。魔物を飲み込むだけ飲み込むと、徐々に割れ目が閉じて、元の大地へと戻って行った。

大地に飲み込まれた魔物の数は五万ほどであった。


「マダマダだな!あれの倍の規模の地割れを発生させないと・・・。修業が足りんな!」


ジーグに言われ、リックは悔しそうにしている。


そして今度はジーグが魔法を唱えた。

すると大地に転がる大きな岩が、次々と空高く舞い上がって行く。岩だけでなく、慌てて逃げ惑う魔物どもも、次々と空高く舞い上がって行った。

そして姿が見えなくなるまで舞い上げると、今度は一気に魔法を開放した。

下界にいる魔物の群れへ、舞い上げられた物が猛烈な速度で降り注いで行く。

逃げ惑う魔物の群れは大パニックに陥り、壊滅的なダメージを被った。その数は二十万を超える大惨事となったのだ。


それを機に、ジェイドは総攻撃の合図を出した。

出番を待ちわびていたドワーフ軍団たちは、堰を切ったように眼下の敵になだれ込み、激しい総力戦が展開されて行った。




一方アレンたちは最上階に到達していた。


「魔王はこの先にいるようだ!」


「ええ、行きましょう!!」


アレンたちは最後の戦いに挑むため、キーガの待つ部屋へ飛び込んだ。


そこには巨大な二本の角を生やし、蛇の様な目でアレンたちを見据える、邪悪な魔物が立っていた。


「貴様がギーガだな!!」


アレンは剣を抜いた。


「ふっ、ふっ、ふっ・・・。おろかな人間どもよ!よくここまで来たな、誉めてつかわすぞ。だが、ここへ来ていったい何をするつもりだ?」


ギーガは大きく裂けた赤い口から、巨大な牙をむき出しにして、アレンに問いかけた。


「貴様を倒し、再び平和な世界を取り戻すのさ!」


「うわっ、はっ、はっ・・・・。小僧!お前に何が出来るのか?

お前はこの魔王ギーガ様の体に、指一本触れる事も出来ずに死んでゆくのだ!

ワシに歯向かう愚かさを、死を持って思い知るがよい!!」


そう言うと、ギーガは巨大な飛竜へ変身した。

そして塔の中央の、吹き抜けになった上空に舞い上がった。


「愚か者ども!溶岩の中へ叩き落としてくれる!!」


そう言うと火炎のブレスで攻撃を仕掛けて来た。

アレンたちはマジックバリアとガードで防御態勢を整えると、激しい戦闘に突入した。

だが、相手は空中から攻撃を仕掛けてくるので、アレンとネイルは反撃する術が無かった。

しかも魔王の火炎のブレスは強力で、直撃を受けるとタダでは済まない。


「くそっ!姑息な手を使いやがって!!それでも魔王か!!」


ネイルは歯噛みをするが、まさかこんな手を使うとは、アレンも全く考えていなかった。

塔を取り巻く暗黒物質への対策で頭が一杯だったのだ。

4合ほど戦ったが、形勢はアレンたちにとって最悪なものだった。


(くそっ!この状態じゃ、剣とムチが使えない!何とかしなくちゃ!!)


必死に考えるアレン・・・・。

これまでの辛い旅の中からヒントを探していたアレンは、ある作戦を思いついた。


(そうだ!この下は灼熱の溶岩!!ここに大量の水を流し込めば、水蒸気爆発が起きるぞ!!)


「ネイル、エレナ、リサ!

俺は今からガニメードの水がめを仕掛け、この下の火口に大量の水を流し込む」


「エレナとリサは埃を舞い上がらせて、俺の姿を隠してくれ!」


「そしてネイル、ガニメードの水がめをセットするのを手伝ってくれ!」


エレナが特大のトルネードの魔法を低空に放ち、周辺の埃を舞い上げた。

リサは炎を広範囲に拡散させ、ギーガの視界を遮る。

その瞬間にギーガの後方へ回り込み、ガニメードの水がめを岩の間に固定した。


おびただしい量の水が、滝の様に下に流れ落ちてゆく・・・・・。

水蒸気爆発が起きるまで、ギーガをこちらに集中させる必要があったため、アレンはひたすら爆弾を投げつけ、攻撃の手を緩めなかった。

その必死の様を見たギーガは、上空よりアレンたちを見下ろし、あざ笑った。


「貴様ら人間は、空を飛ぶことも出来ぬ下等な生き物!この世界を支配する資格などないわ!!」


「ワシに逆らう者がどうなるのか、身をもって思い知らせてくれよう!!」


ギーガが何かをしようとした時、グラグラと塔が揺れた。


「むっ!地震か?

ぐふふ・・・。それもよかろう!!空中におる限り、地震など恐れるに足らぬわ」


「遊びは終わりだ!!そろそろ楽にしてやろう!!」


ギーガが何かをしようとした、その時。


「もうすぐ大爆発が起こるぞ!!みんな伏せろ!!」


アレンが皆に忠告した瞬間、大爆発が起こった!!


グワーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!


高温の水蒸気の爆発で全身に大火傷を負ったギーガは、元の姿に戻り、塔の屋上へと逃げ出した。


「逃がすか!!」


アレンたちはギーガを追いかけて屋上に出た。


「おのれ!しつこい奴らめ!!もう許さん!!貴様らの体をズタズタに引き裂いて、ワシに逆らう者たちへの見せしめにしてくれるわ!!」


壮絶な戦いが始まった。

強力な魔力を秘めた攻撃魔法のダークネスは、直撃するとタダでは済まない。


アレンとネイルは素早く攻撃を避けながら、反撃を繰り返す。

エレナはひたすら回復魔法のオーラで、仲間のダメージの回復に努めていた。

頼りのリサは、さっきからエレナの陰に隠れてしゃがみ込んでいた。

塔を取り巻く莫大な量の暗黒物質の影響を受けたのか、魔法を発動出来ないみたいだ。

しばらく互角の激戦が続き、業を煮やした魔王は、闇の亡霊共を呼び寄せた。


「いでよ、闇の亡霊ども!こやつらを死の淵へ引きずり込め!!」


魔王の命令で、二体のおぞましい闇の亡霊が現れた。

一体は闇の宝玉を使い、ほぼ全回にちかい量の体力を回復する。

もう一体は、沈黙などの状態異常の呪文を使った。


アレンは全体を攻撃するため、持てるすべてのニトロを使用。

エレナは状態異常と体力の回復魔法に努めながら、リサを庇って戦っている。

ネイルはムチによる攻撃と、エレナの補えない回復系の治療をアイテムで繰り返す。

そう、徐々にエレナの回復魔法が追い付かなくなって来たのだ。

そしてエミリアからもらった女神の薬も、最後の一つを使おうとしていた。

もはやこのままでは、体力が尽きて全滅するのでは・・・。

そう思われたのだが、変化が起きていたのはアレンたちだけでは無かった。

ギーガの側にも異変が起き始めていたのだ。

まず、呼び出された二体の魔物の力が弱まり、そしてついに消滅してしまった。

さらにギーガの放つダークネスの威力が半減し、ギーガの身体の火傷も、段々と酷くなって来たのだ。

そしてあれ程の魔力を秘めていた魔王が、ついに魔法を使えなくなってしまった。


「なぜだ!!なぜワシの魔力が・・・・」


その時ギーガは初めて気づいた。

暗黒の塔を取り巻いていた暗黒物質が、綺麗に無くなっている事に・・・。


そして塔の上空を見上げたギーガは、驚愕の叫びを上げた。

いつの間にか塔の真上に巨大な渦巻きが発生し、すべての暗黒物質を吸い上げていたのだ。


やったのはリサである。

ブラックホールの魔法で、すべての魔法の源を吸い上げてしまったのだ。

勿論これは賭けであった。何故ならアレンたちも魔法が使えなくなってしまうからだ。

エミリアとサーナからもらった女神の薬が無かったら、この勝負はアレンたちが負けていたかも知れなかった。

だがアレンたちは賭けに勝った。

魔法の使えないギーガに、アレン、ネイル、エレナは一斉に攻撃を仕掛けた。


そしてついに魔王を倒した!


「ぐおお~~~~~~~っ!!こ、こんなバカな事が・・・・・。

こ、このワシが二度も倒されるとは!!」


「だがワシは死なぬ・・・・・。永遠にな・・・・・」


「この大地を、貴様ら人間の血で赤く染め抜くまで、何度でも復活してやる・・・・」

そう言って、魔王は倒れた。



「お、おいアレン!キーガの野郎、死んだのか?」


「どうなのかな・・・・」


ネイルに聞かれたが、アレンにも分からなかった。


その時、魔王の体から魂が抜け出し、逃げようとするのをエレナが一喝した。


「待ちなさいキーガ!!」


「おい、どうなっているんだ?魔王は死んだんじゃねえのか?」


「肉体は滅びたけど、魂はまだ生きているんだ!!」


「じゃ、じゃあ!いよいよ使うのね、ハマンの魔法!!」


リサがエレナを注視した。



「冥界の王ハデスの名の元、お前に永遠の死を与える!!」


エレナは複雑な印を結び、そして凛とした声で叫んだ。


「死を司る偉大なる冥界の王ハデス!!今こそ契約を果たす時!!」


「我が命と引き換えに、魔王ギーガに永遠の死を!!」


その瞬間、何もない空間から突如巨大な光の魔法陣が現れて、ギーガの魂を捕らえた。

そして光の渦の底から冥界の門が開き、おぞましい姿の魔界の使者が二体現れ、ギーガの魂を冥界へと引きずり込んで行った。


キーガは壮絶な断末魔と共に、その姿は骨となり、やがてそれすらも霧となって冥界へ吸い込まれて行く。


「・・・・・・・・・・・・・・」


「や、やったのか?!」


ネイルがアレンに尋ねた。


「エレナ!ハマンの魔法で魔王を倒したのかい?」


アレンがエレナに声を掛けた。


「・・・・・・・・・」


「エレナ?」


エレナはゆっくりと振り向き、そして静かに口を開いた。


「リサ、ネイル・・・。今まで本当にありがとう・・・」


「アレン・・・・。

ごめんねアレン・・・・」


「えっ!?な、なにを言っているんだよエレナ。

魔王を倒したんだ!キミの巫女の役目はもう終わったんだよ!」


「だからエレナ・・・・。オレと一緒にドルドガの村に・・・」


「さようなら・・・アレン・・・。

あなたと出会えて幸せでした・・・・」


「えっ?」


エレナはゆっくりと、その場に倒れた・・・。


「うわっ!!一体どうしたんだよ!!エレナちゃんが倒れたぞ!!」


ネイルが叫び、リサは驚きのあまり、その場で固まってしまった。



「エレナ!!どうしたんだエレナ!!」


アレンは慌ててエレナを抱きかかえた。

だがエレナは黙っまま、再び目を開ける事は無かった・・・・。


「じょ、冗談だろエレナ?ほらっ、前にポコの村でやった・・・・」


アレンはエレナの肩を揺すった。


「もういいよエレナ。冗談はやめてくれよ・・・」


「どうして黙っているんだよ・・・」


「エレナ、何とか言ってくれ!!」


「エレナ!!!!!」


「うわーーーーっ!!何とか言ってくれ!!エレナーーーーー!!!」



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