表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

スターライト・シューティングスター


「あ、あ……あなたは」


「源太郎」


「は、母上どの!!!」


「ちゃんと会話するのは十五年振りだね、源太郎」


「ど、どうして、母上が!」


「十五年前、あんたは家を出て東京で一人暮らしを始めた。でも母さんは昔から内向的なあんたが心配で仕方なかった。そこであんたに自分に自信を付けさせて生きていくにはどうしたらいいのか、父さんと一緒に考えたんだよ」


「はい……」


「あんたは、とにかくオタクで物心付いた時から、魔法少女になりたいってずっと言っていたのを思い出してね。それならその夢を叶える為に大変な苦労をさせ、それを乗り越える事が出来た時、きっとあんたは一人前の男になると思ったんだよ」


「そうだったんですか……」


「目的はともかく、あんたは一億円もの大金を作ることが出来た上に、身体つきもこんなに逞しく立派になった。あの頃の暗い雰囲気はもう微塵もなくなったじゃないか」


そう言いながら源太郎の母である真由美は瞳を潤ませた。


「母上。そうだったんですね……。ボクは随分心配を掛けていたようです……。ごめんなさい」


「何言ってんの! こんないい男が! あんたは父さんと母さんの誇りになったよ」


そう言いながら源太郎の背中をバンバン叩いた。


「しかし母上、十五年間ずっとここに居たんですか? ボクはお金を貯めるのに必死であれ以来ここには来れなかったんですが」


「あんたがここに来てからは、父さんとここに引っ越してきて、この上に住んでるよ」


「このビルは一体?」


「このビルはあんたのお祖母ちゃんの持ち物だったんだよ。あんたが生まれる前にここで喫茶店をしてたんだ。西洋風で雰囲気が周りとは異質な変わった建物だったから結構人気があってね。今でも反対側から入るとメイド喫茶になってるよ」


「そうだったんですか!」


「あんたはやっぱりやれば出来る子だった。母さんはそれが嬉しいよ」


「母上!!」


源太郎は母親に抱きつき、二人しておいおい声を上げて泣いた。


 そして一頻り泣いた後、


「それで、母上、テリーヌに変身した後の必殺技についてなのですが、『スターライト・シューティングスター』は自動で装備されるのでしょうか?」




『完』


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ