第8話 決断
異世界法という特別法が可決されて、柊巡査は警察官を退職する決意をした。
警察という組織の在り方に疑問を持ったこと、今のままでは公務員という立場に縛られ良いように使われるのでは無いかと恐れたこと、自分の得た力を試してみたいと思ったこと。
理由は色々とあったが、あの山の悲劇を少しでも再び起こさせない為にも、今しかないと思ったのが最大の思いであった。
当然、辞職の意思を示した時猛烈な反対があった。
現段階で判明している適合者は千数百人。
日本の人口を1億3000万人として、約10万人に1人となる。
しかも、全員が戦闘向きかというとそうではなく、中には農夫、回復師といった非戦闘職の者もいた。
魔力は一応持っていたが、戦闘職に比べると戦闘に向かないのは明らかであった。
そんな中に、戦闘職で自分達の影響下にあり、実戦経験者である柊巡査を手放そうとするはずはなかった。
脅し、なだめ、昇進を匂わせたりしてきたが、そういった組織が嫌になっていた柊巡査には逆効果であり、弁護士に相談する等と頑なに拒み遂に辞職することはできたが、憧れの職業だっただけに後味が悪かった。
辞職して、特定危険未確認生物既に皆、モンスタ一と呼んでいたが、を倒して生計を立てるといっても自分1人ではどうにもない。
鎧すら1人では着れないのだ。
会社を立ち上げるにしても、鎧の着脱を手伝い、現場まで輸送してくれる人、会社の経理を担当してくれる人、最低2人は必要である。
それからが、大変だった。
色んな伝手を頼り、同じ地元出身の経済系の大学を卒業したばかりの松浦菫22歳と自衛隊を2任期満期完了したばかりの井上薫元陸士長22歳を雇用した。
松浦は身長160cm、スレンダ一な体格で、長い黒髪を腰まで伸ばし、眼鏡をかけた仕事のできる女性風である。
大学を卒業後地元で働きたいと思っていたところに柊の求人を見てこの業種は大きくなると夢を見て求人に応募し合格。
井上は、身長168cm、肩まで伸ばした髪を後ろ髪で纏めたポニーティルであり、元自衛官らしく、引き締まった体格をしているが、出ている所は出ている人目を惹き付ける体型で、性格が明るさが立っているだけでにじみ出るような女性である。
彼女は、柊が実は警察官になる前に自衛官も拝命しており、その時の伝手を使ったら任期満期後の仕事を探していた井上のことを知り、根性は一般人の倍はあるだろうとヘッドハンティングしたところ、ノリノリで鰹節を前にした猫の様に話に飛び付いたのである。所謂脳キ・・・・いやいや体育会系である。
必要最低限の人員を確保した柊は起業の手続きは全て松浦に押し付け、井上と共に護身用具や車両の手配、情報収集を始めた。
特定危険未確認生物駆除会社、ガ一ディアンの開業である。
あくまで、フィクションです。出てくる地名、人名、組織は、実在の物とは関係ありません。
誤字脱字報告、評価、感想、ブックマ一ク大歓迎です。応援宜しくお願いします。
現在は2日に1話のペースで更新しています。