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第6話 通常勤務

 臨時の警備出動から戻り、さぁ、今まで通りの勤務だと思っていた柊巡査には3つの問題が有った。


 1つは、報告書の作成やら、現場検証の立会であった。

 今回の事件では、登山口公園に残されていた車両等から被害者は登山者13名、警察官2名、助からなかった猟師1名の計16名とされたが、登山者の中には遺体が見つからない人も居り依然として捜索が続けられていた。

 その為報告書などの書類は膨大な数になり、しかも柊巡査は未確認生物であるゴブリンを3匹殺害している為、その聞き取り調査なども念入りに行われた。


 2つ目は、人権団体と動物愛護団体の抗議活動である。

 被害者の数が多く、市民の不安を解消すべく、警察としてはなるべく早期に判明した情報を公開した。それに反応したのが、両者である。

 

 前者は、ゴブリンが言葉らしきものをしゃべり、弓矢やこん棒を使っていたことから、今まで発見されていなかった人種または、山奥で育ち栄養が取れず発育のおくれた人間なのでは、無いか、交渉やコミュニケーションも取らず拳銃で撃ち、剣で殺害したのは殺人ではないのか?と連日県警察本部前や国会前で抗議のデモを行い、一部は訴訟まで起こそうとしていた。


 これに、対して県警察は司法解剖の結果明らかに人間と身体の構造が違い、角が生えていたこと、猟師の1人がその時点で問答無用の攻撃を受け、瀕死の状態になっていたことから、反撃によるゴブリンの死亡は正当防衛と緊急避難にあたるとの見解を示した。


 後者は、行方不明者捜索の際に発見されたグリーンウルフ1体の死骸と罠にかかり捕獲された雄雌の2体についてであった。

 死んでいたグリーンウルフについては解剖の結果被害者の一部が胃から見つかり、喉にペットボトルなどの異物が詰まっていたことから窒息死だとされた。

 

 問題は捕獲された2体であった。動物愛護団体は日本の狼は絶滅したとされていたが、緑色に身体の色合いを変化させる進化を行い生き延びていたのだと主張し、繁殖させて数を増やす為に自分達と関係のある動物園なりに移送させるべきだと主張した。

 これに、対し県警は死んだグリーンウルフの解剖の結果日本狼と身体の構造が異なっており、DNA鑑定の結果も未知のものであり、日本狼だとは言えず、また事件の証拠品である為専門家の意見を受けつつ、警察で管理すると発表した。

 ゴブリンの件については殺人事件となっていたら被告人は柊巡査になっていたことから、公式発表には心底ホッとした。


 そして、3つ目は目覚めていた時に着ていたフルプレートメイルについてであったが、これには、県警もまだ公式発表出来ないある秘密があり、柊巡査の受難は続くのであった。




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