第44話 アキドン来訪
今週から日曜日、投稿となります。あとは、もしかしたら、不定期に投稿するかもしれません。
仕事に復帰しましたが、体調が思わしくなくて、読者の皆さまにご迷惑おかけします。
それぞれの国の代表団が帰還をして数日後、アキドンがドラゴンイ一タ一の面々に護衛されて里へと到着した。
「イヤ~、帝国に戻っている間、里で大きな戦があったと聞いて皆さんの身を案じてましたよ」
「帝国では、今回の戦いどのように話されていました?」
柊が尋ねると、
「悪辣なラフレシア王国が魔物の氾濫を装ってエルフの里を滅ぼそうとしたってことで、王国への侵攻論が出るぐらいでしたよ!
しかし、アレクセイ殿下が強硬派をなだめて、大森林の資源を帝国に納めさせることで決着したと聞いています。」
かなり事実の改変が入っている、と柊は感じたがアキドンに言ってもしょうがないので、黙っていた。
「それで、前回の取引分の白金貨9500枚分ですがガラス細工が思っていたのより高く売れて私共の手数料を引きましても、白金貨12000枚の利益となりまし
た。
お納め下さい。」
そこで、金貨の取り扱いに困っていた柊はアキドンにある依頼をする。
「魔法の武器?でございますか?」
そう、日本での討伐依頼を速やかに行えるように、対魔物武器では数段上をいっている異世界の武器を買い込もうと考えたのだ。
今使っている日本の錬金術で作られたハルバ一トやバスターソ一ドも悪くはないが、異世界の物の方が技術的にも上なのである。
日本の錬金術師達に実物を見せれば、劇的に進歩するだろうが、それは別の話だ。
兎に角今は、自分達の装備の強化だ。
「依頼は女性用の軽鎧が2つにボウガンが2つにショ一トソ一ドが2本、それとハルバ一トが1本だ。
良さそうな物が有れば予算内なら入手して貰いたい」
「分かりました!このアキドンあらゆる人脈を使いましてご依頼の品を仕入れてみせます!!」
「ああ、予算は白金貨6000枚以内で」
「必ずやウッド殿のご期待に答えられる物を用意してご覧にみせます!」
「頼みました。次回の取引も宜しくお願いします」
「分かりました!こうしては居られない帝都の本店とも連絡を取り合って準備せねば!
失礼します!」
アキドンは、里に来たその日のうちに帝国に引き返してしまった。
取り合えず里の取り分である白金貨6000枚は族長の付き人であるサトレアに引き渡したが、今回の来訪の収入が全く無かった訳では無い。
ラフレシア王国の捕虜返還条件の金貨2000枚は全て柊の手元に残ったからである。
そろそろ、ミラ達にお願いして帰還の為のフェアリ一ゲ一トを探してもらわないといけない。
時期になっていた。
大氾濫やらで少し遅くなった感もある。
2日後、ミラ達からフェアリ一ゲ一トが無事に見付かったとの連絡が入り、しばしの別れの挨拶の為に族長の家を訪れると机の上に1本の日本刀が置かれていた。
慌てて族長を見ると、
「ウッド、お主、帝国の商人に魔法武器の買い付けを依頼したそうじゃな。
これは前の族長がドワ一フ族から貰い受けた魔法の武器で何でも異世界人との合作じゃそうな。
どうやら見覚えのある武器のようじゃな。
今回の戦の礼じゃあ、持っていくが良いぞ。」
族長の真剣な表情と武器への魅力から柊は、日本刀を受け取ると族長に一礼し、その場を辞した。
族長の家を出ると既にミラ達が準備を済ませて待っていた。
さあ、久し振りの日本である。
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