表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/53

第17話 出逢い

 柊がスタンプボアの群れに斬り込んで行くと、群れは餌あさりに夢中で柊のことに気付いていなかった。


 まずは、厄介な成体からだ。

 2頭並んで作物を荒らしていたスタンプボアの間に入り込み、1頭の首筋に斬り付けて、返す刀で(刀ではないが)もう1頭の首筋を斬り捨てる。


 「プギャ一!!」


 ここで、やっと群れは乱入者に気が付いたようだ。

 残った4頭の成体が幼成体を庇うようにしつつ、挟み込むようにして柊を囲む。


 「プギ一!」


 守っていたはずの幼成体が悲鳴を上げたことに成体達は怯んだ。

 幼成体の2頭にはボウガンのボルトが突き立っており、瀕死の状態だ。

 松浦と井上が暗視装置を使い、必中の距離からボルトを放ったのだ。

 その隙に柊は更に1頭を血祭りに上げていた。


 更に2射目で成体と幼成体が1頭ずつ倒れると、残った2頭の成体は幼成体を連れての逃走を選択した。


 逃走すると決めたスタンプボアは容赦無く、道なき道をその固い平たい鼻で切り開き、逃走を開始した。柊はこんなことも有ろうかと夜光塗料入りのカラーボ一ルを取り出すとスタンプボアの足元に向けて投げ付けた。


 見事命中した夜光塗料を目印に柊達はスタンプボアの追跡を開始した。



 3頭のスタンプボアはひたすら山の中の巣を目指して走り続けた。正に猪突猛進と言った感じであったが、夜光塗料と暗視装置のおかげで100m離れても追跡は可能であった。


 それは、突然であった。


 「プギャ!」


 先頭を走っていたはずのスタンプボアが唐突に倒れ込んだのだ。

続けて


 「プギ!!」


 「プキャ!!」


 残りの2頭も相次いで倒れ込んだのだ。

 慌てて駆け寄るとどれも眉間や首筋の急所に矢が突き刺さっていた。

 警戒をし、辺りを伺うと、


 「ゴメンナサイ、獲物横取りしちゃった?」


と、木の上から声がしたのだ。


 「何か目立つ色してたし、巣に帰って来るの待ってたら我を忘れてまっすぐ走って来るんだもの。

 チャンスだ!って思ったら、つい」


 柊達はすぐに返事をすることが、出来なかった。


 暗視装置に写し出された女性。その耳は普通の人とは違い笹の葉のような長い尖った形をしていた。



 この世界に居るはずのないエルフだった。






誤字脱字報告、感想、評価、ブックマ一ク大歓迎です。応援宜しくお願いします。

次回更新は4月24日午前7時を予定しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ