第15話 生存者
最後まで抵抗していたオ一クを倒し、廃墟にオ一クの生き残りが居ないかクリアリングに移ると同時に、井上には巣に人間の生存者が居ないを確認してもらう。
廃墟には犠牲になった人間のモノと思われる骨と一緒に野良犬などの動物の骨も散乱していた。悪食さが良く分かるというものだ。
餌場にしていた場所の近くの2階の元は事務室だったと思われる部屋に寝床はあった。
事務机を壁に押しやり円形の場所を作り、窓から剥がして来たカ一テン等の布切れで寝床を作っていた。
どうやら、1階は餌場のみで本命はこちらであったようだ。
複数の呻き声が聞こえて来る。
声が人のものだけで有ることとオ一クが隠れれそうな場所が無いことを確認して1階の井上を呼んだ。こういう時は異性より同性の出番だろう。
後はお宝捜しだ。オ一ク共があちらの世界から持ち込んだ貴重品の捜索と押収だ。
すると、人間に近い考えを持ち貴金属の類が好きなのか?
出るわ、出るわお宝の山。
金貨や銀貨の詰まったコンビニ袋ほどの皮袋が2つに、イヤリングなど宝石類が入った箱が1つ、他のモンスタ一を倒して手に入れたのか魔石の詰まった袋が1つ、そして今回の被害者の物か、安っぽい指輪や財布、携帯電話があった。
今回の戦利品を、オ一クの物と被害者の遺品らしき物と素早く分けてオ一クの物は隠した。念のためのトラブル防止である。
すると、ちょうど良く井上が生存者の確認を終えて戻って来た。
生き残りは女性が3人、あとはオ一クの暴力や暴行に耐えきれず死亡し、餌となったようだ。
生き残った3人も衰弱しており、柊は無線機で松浦に救急車を3人分手配させると同時に警察への通報も頼んだ。
オ一クの討伐だけならまだしも、死人が出たからには彼らの出番だろう。
ここで、異世界法では倒したモンスタ一の権利を適合者に認めている。
よって、通報した後に、死骸を回収し買い取りをしてくれる組合に持って行っても合法なのであるが、流石に殆どの適合者は捜査に協力をする。
悪評が立つと依頼の申込みの量にも直結するからである。
1日近い実況見分の末、終わる端に冷凍庫付きのトラックにクレーンでオ一クを積み込んだ。
勿論、寝床で見付けた財宝も忘れずに積み込んだ。
その足で組合の買い取り所にオ一クとその装備品を持ち込んだが、相談の結果お宝は査定だけしてもらい保管して置くことにしたのだ。
査定の結果、驚くことに最後まで抵抗したのはオ一クジェネラルではなく、他の適合者が存在だけは確認していたオ一クキングであることが判明した。
つまり、新種の発見である。その他のオ一クも普通のオ一クではなく、オ一クナイトであることが分かり買い取り額は予想よりも上昇した。
また、救出された女性の1人が最初の依頼主の娘であることも、確認され追加報酬が出ることとなった。
依頼料 200万円
オ一クキング 1000万円+新種発見費500万円
オ一クナイト 300×5=1500万円
装備品 400万円
財宝(見積り)6000万円
追加報酬 300万円
計9600万円
(財宝は見積りのみの為、手取りは3600万円)
の報酬である。
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次回更新は4月20日午前7時を予定しています。




