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第11話 事後処理

 町役場の松本氏に一報を入れて約2時間後、山の中で休んでいた柊達の所へ、松本が数人の職員を連れてやって来た。


 「もう巣の駆除が終わったんですか!?」


 柊達は、依頼主とはいえ半日がかりの仕事の後に休んでいる所に本人が来るとは思っておらず少しイラッとしながら巣穴の前に積まれた死骸の入った袋の山を示した。


 「1、2・・・15匹もこれは追加料金が必要ですか?」


少し心配そうに問う松本に対して、経理を担当する松浦は、


 「不要です。巣穴があるという時点で想定はしておりましたですし、契約書には種類は兎も角、数については言及しておりませんので。」


と事務的に答えた。


 「どうしても、とおっしゃるなら袋を運ぶのを手伝って頂けますか?」


 ちゃっかりお願いする辺り数の多さについては思うところがあったのだろう。松本を含めて6人の人手が増えたことは、純粋に嬉しい事実であった。

 ひいこら言いながら何とか1回で運び終えることが出来た。

 一番運んだのは、柊の6袋であったが鎧の効果か適合者としての能力か、鎧を着ていると体力等が向上するようだった。


 冷凍機能も装備した改造トラックにゴブリンを積み終えるとあとは3日間の残党確認の為の待機時間だ。

 どうするか、3人で話し合っていると、町役場の松本がやっと復活して現れて、温泉付きの旅館を予約しているとのことで、移動にも松浦が借りていた車を使用して良いとのことで、最初のメ一ルのやり取りの通り交通費、滞在費は無料とのことであった。

 これは、もう万が一のことが無い限り3日間の有給休暇を貰って旅行に来たようなものであった。

 

 

 残りの3日、1回だけ人型の生き物を見たという通報があったが、猿と分かり安堵するということがあった以外は何事もなく過ぎ去り、松本からは最初の報酬の訂正額の48万円を現金で受け取った。


 松本他の町役場の職員に見送られ、町役場の駐車場から出ようとしたところ1人の男性に呼び止められた。あの猟犬を殺された男性である。


 「本当に仇を取ってくれたんだな。ありがとう。若い衆ばかりで大丈夫かと思っていたが。」


と言いつつ封筒を出してくる。


 「これは?」


 柊が訪ねると、


 「仇を取ってくれた報酬だ。」


と言い笑った。

 松浦が受け取り数えると100万円が入っていた。


 「こんなに貰えませんよ!」


 柊が断ろうとすると、


 「ワシの本心からの金じゃ、それでまた人を助けてやってくれ。」


 そう言うと、男性は立ち去ろうとしたが、松浦が、


 「領収書受け取ってくださ~い。」


と呼び止めたことで、皆転げたような気がした。



 最後に行かなければならないのが、国が各都道府県に最低1ヶ所設置したモンスタ一の買い取り場である。

 各省庁のやり取りの結果独立した組織として運営されていた。

 モンスタ一のそれぞれの買い取り額は後々に述べるとして今回は、


  ゴブリン15匹Ⅹ15万円 225万円

  武器類(ナイフ、剣)   75万円

  装飾品、硬貨類     120万円 

  巣穴の情報        100万円

  総額      520万円 


となった。

 命の危険さえなければ、一攫千金が狙えるこの業種は成長するであろうが、それも適合者在っての物である。


 因みに、買い取り場には松浦と井上しか居なかった。

 積み荷は専用の倉庫の前に持っていけば職員が下ろしてくれるが、それだけではない。国専属の適合者になれと勧誘がしつこい為に途中で降りたのである。 

 利用されるのが嫌で公務員を辞めたのに勧誘されれば、元の木阿弥である。



 今回の報酬

    町役場の報酬 48万円

    男性の報酬  100万円

    討伐報酬   225万円

    戦利品など  295万円

総額668万円也!!



 

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