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プロローグ
全てを失ったあの時から、全てを奪われたあの日から、僕の旅は始まった。
残酷な現実の中で、理不尽な哀しみの中で立ち止まっていたら、そのまま僕の存在ごと何もかも消えてしまいそうだったから。
死ぬ理由はそこら中に転がっていたけど、生き続けなければいけないと、強く思った。
僕が生きることを望んでくれる人たちはもういないけど、最期にくれた言葉が、深く胸に突き刺さっているから。
どこまで行くのか・・・どこまでも。
いつまで続くのか・・・いつまでも。
死天使の歌声が響き渡り、一度終わった世界を、銀色の少女とともに旅をする。
きっといつか終わりが来る、有限だけど無限な道。そんな旅路の何処かに、救いがあることを・・・。