修羅場じゃない引っ越しに両親は安堵する
懐かしくなり、文章が恥ずかしくなり、完結したいという思いもあり、再び修正しながら書き始めました。よろしくお願いします。
「良い報告と悪い報告がある」
俺はこの言葉から始まる会話で、総合的に見て良い報告だった例を生まれてこの18年、聞いたことがない。
もう1つ、確信をもって言える理由は、これが親父の口癖であることを知っているからだ。しかも基本的に悪いことがある時の…。
「どっちから聞きたいか?」
「あー…じゃあ悪い方で。」
「それじゃ辻褄が合わなくなるから良い方からな。」
じゃあ聞くんじゃねえ!!!
そう叫びたくなるのを我慢し、耳を傾ける。
「良い報告はこの時期にも関わらず安くでお前の下宿先が見つかった。」
「あんたにとって都合の”良い”報告じゃねえか!?」
「いやぁこの時期に見つかるなんてついてるなぁ~。」
「見つからなけりゃもっとついてたさ!!!」
落ち着け俺、まだ話の途中だ。俺は次の報告を待つ。心なしか親父も何故か物件が見つかって安心したような表情をしている。原因を正せば諸悪の根源が何を…。
「次の報告なんだが下宿先は実家より大学から遠い。」
「最悪だよ!!」
なんだそれ!?下宿する意味あんのか!?もはや下宿先の意味ねえし!!
「なんだ…どんな訳があっても襲わせるわけにはいかんからなぁ…。」
「あんたのエロ本のせいだよ!!俺は無罪だ!!やってられっか!!!!!」
「詳細は話せんが、倫理観的にな…。現代社会的にはどうなのか何とも言えないが…。」
「日本国の法的にアウトだよ‼‼てかそもそも濡れ衣だって言ってるし知ってんだろ‼‼」
なに遠い目してんだテメェ!!
そんな俺の咆哮も虚しくあっさりと下宿先は決まってしまった。ついでに昼間にあっという間に荷物運びも終わった。まあ野郎の荷物だしな、そんなに量が多い訳でもない。引っ越し業者を頼む必要もなくレンタルの軽トラックで事足りた。
布団も新調するし…。てかむしろお古の座敷布団がスノコベットと新品の布団になることが一番のいい報告だった。哀しすぎるだろ…嬉しいけどさ…。
でもなんで引っ越しを結実の始業式と被せるのさ…。お見送りしてくれねえじゃねえか…。いや、あんな本が見つかってもしてくれたかは怪しいけどさ…。
別にシスコンではないが、こういう時は微妙に悲しい、分かるよな?全国の兄貴諸君よ。
そんなこんなで新居に越してきた。正直田舎ではあるが結構できたのは最近なのか、古い訳でもなく、部屋がリビングのほかに2つある、しかも…あーなんだっけなトイレと風呂の部屋が別々の部屋……。あぁセパレートか。割と大学生にしてはいい部屋だと思う。…ま、駅からは遠いんだけどね。
そんなこんなで電車で通学一時間の大学生ライフが幕を開けた!気分はウキウキわくわくだぜ!
余談だが、お袋に「妹には下宿先はくれぐれも教えるな、教えたら仕送りを打ち切る。」と脅された。
いや別に俺は無罪だし、そこまで隔離せんでも…。
悲しいことに俺は夫婦仲と家庭を守るために事情は説明できない。
読んでくれてありがとうございます。
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